1.AIで作った自己PRが「どこかで見た文章」になっていませんか
転職活動の準備でAIを活用して自己PRを作成してみたものの、
しっくりくる文章にならず悩んでいませんか。
提示された文章は綺麗に整っているけれど、
どこかで見たような使い回しの印象になってしまう。
自分の本当の強みが表現できている気がせず、
「面接で深掘りされたら答えられないのではないか」と不安になる。
不自然さや物足りなさを感じながらも、
どのように修正すれば自分らしい言葉になるのか分からず、
画面の前で途方に暮れてしまう人は少なくありません。
2.なぜAIを使うと誰にでも当てはまる抽象的な文章になってしまうのか
AIに渡している「元となる情報」が抽象的だからです。
「自分の強みはコミュニケーション力です」や、
「前職では営業を担当していました」といった情報だけを入力すると、
AIはその言葉から推測できる平均的な文章を返してきます。
AIは文章を読みやすく整えたり整理したりすることは得意ですが、
あなたの個別の体験そのものを知っているわけではありません。
抽象的な材料しか渡されていないため、
結果として誰にでも当てはまる一般的な文章しか返ってこないのが原因といえます。
3.先に答えを言います
AIを使うこと自体に問題はありません。
文章を作らせる前に、自分の経験を具体的な材料として書き出せばいいんです。
つまり、AIに文章をゼロから考えてもらうのではなく、
自分が用意した具体的な材料を整えてもらう補助役として使えばいいんです。
4.AIに渡す具体的な材料を書き出すための手順
まず、実際に取り組んできた「日々の具体的な仕事内容」を書き出してみます。
職種名だけでなく、どのような作業を担当していたかをメモしてみる。
次に、その業務を行う中で「自分なりに工夫した点」を振り返ります。
作業をスムーズに進めるために試したことを整理してみてください。
そして、職場で「周りから頼まれることや評価されること」を思い浮かべてみてください。
「〇〇さんに聞けば安心」と言われた経験や、自然と任される役割に着目します。
最後に、その取り組みによって生じた「結果や環境の変化」を言葉にします。
チームの作業が円滑になったことや、トラブルが減ったことを振り返りましょう。
つまり、実際にやった仕事、工夫、頼まれたこと、変化という順番で材料を揃える。
この具体的な材料を渡すことで、AIが整える文章もあなたらしいものに変わります。
5.法人営業10年で実感した「具体的な情報」が持つ力
法人営業10年の実務に携わってきた視点から見ると、
顧客へ出す提案書の作成においても、情報の具体性が成否を分けていました。
「御社の業務効率化に貢献します」といった抽象的な表現ばかりの提案書は、
どれほど文章が洗練されていても顧客の心には響きません。
一方で、事前に顧客から聞き出した具体的な課題や困りごとを盛り込んだ提案書は、
相手に自分事として受け止めてもらえ、納得感と信頼につながります。
情報を綺麗に整えることよりも、
土台となる「生の具体的な情報」がどれだけ含まれているかが価値を決めるのです。
AIを使った自己PRの作成も、この提案書作成の視点と全く同じ構造です。
AIに綺麗な文章を作らせる前に、
あなた自身の具体的な経験という材料を揃えることで、相手に届く言葉へと変わります。
6.例:AIへ渡す材料を変えた自己PRの言い換え
例えば、営業職の人がAIで自己PRを作成する場合の変化例をご紹介します。
【抽象的な材料から出てきた文章(ビフォー)】
「私の強みはコミュニケーション力です。
前職の営業ではお客様との信頼関係構築に努め、
チームの目標達成に貢献いたしました。
貴社でもこの力を生かして貢献いたします。」
文章は綺麗ですが、どのような行動をしたのかが見えず、誰にでも言える内容です。
【具体的な材料を足して出てきた文章(アフター)】
「私の強みは、準備に裏打ちされたヒアリング力です。
前職の法人営業では、訪問前に必ず前回の議事録を読み返し、
確認したい点を三つに絞ってから商談に臨んでいました。
その結果、お客様から『話が早い』と言っていただくことが増え、
別の部署の担当者をご紹介いただく機会にもつながりました。
貴社でも、準備を重ねたヒアリングでお客様の課題解決に貢献いたします。」
「議事録を読み返す」「三つに絞る」という具体的な材料が入ることで、
あなたならではの行動が伝わる文章へと変わります。
7.AIが作った文章を使う前に確認すべき補足知識
AIが作成した文章を実際に応募書類や面接で使う前に、必ず確認しておくべき点があります。
まず、文章の中に「事実と異なる誇張」が含まれていないか確認します。
AIは表現を整える過程で、実際の体験よりも話を大きくしてしまうことがあるからです。
また、その文章の内容を「面接本番で自分の言葉として説明できるか」を確かめてください。
難しい言葉や普段使わない表現が含まれている場合は、
自分の話し方に近い自然な言葉へと直すことが大切です。
自分自身の経験とずれがないか確かめておくことが、
面接本番でも焦らず自信を持って答えるための土台になります。
8.まとめ
AIで作成した自己PRがどこかで見た文章になってしまうのは、渡す材料が抽象的だからです。
自分の具体的な経験を丁寧に書き出し、あなただけの言葉で面接官へ届けてください。
応援しています。