清掃の仕事では、現場ごとに細かな決まりがあります。
「この部屋は最初に換気する」
「この洗剤は素材を傷めるので使わない」
「作業後の鍵は決まった場所へ戻す」
長く担当しているスタッフにとっては当たり前でも、新しく入った人には分からないことばかりです。
それでも引き継ぎが口頭だけになっていると、教える人によって内容が変わり、現場に入ってから確認が必要になります。今回は、口頭の引き継ぎだけでは新人が困りやすい場面を3つに分けて整理します。
■ 1.「いつものやり方」が何を指すのか分からない
経験者同士なら、「いつも通りお願いします」の一言で作業を始められることがあります。
しかし新人には、その「いつも」が分かりません。
作業する順番、重点的に見る場所、触ってはいけない備品、終了後の確認方法など、現場には一般的な清掃手順だけでは分からない情報があります。
説明が足りないまま作業を始めると、何度も電話で確認したり、判断できずに作業が止まったりします。新人本人の能力ではなく、必要な情報が渡っていないことが原因かもしれません。
■ 2.教える人によって注意点が変わる
口頭での引き継ぎは、教える人が重要だと思った内容に偏りやすいものです。
Aさんは清掃箇所を詳しく伝え、Bさんは鍵の管理を丁寧に伝える。どちらも大切ですが、担当者によって説明内容が違うと、新人は何を基準にすればよいか迷います。
また、急な欠勤で別のスタッフが代わりに入る場合、普段の担当者へすぐ連絡できるとは限りません。誰が説明しても同じ内容を確認できる状態にしておくと、現場変更にも対応しやすくなります。
■ 3.失敗してから初めて注意点を知る
現場特有の注意点は、過去の失敗やお客様からの要望をきっかけに増えていきます。
ところが、その内容が担当者の記憶にしか残っていないと、新しいスタッフは同じ失敗をしてから注意点を知ることになります。
たとえば、素材に合わない洗剤を使う、置き場所を変えてしまう、施錠後の確認写真を撮り忘れる、といったことです。
大きなマニュアルを作らなくても、「この現場で間違えやすいこと」だけを短く残すことで、同じミスの繰り返しを減らせます。
■ 最初は現場ごとに5項目だけ残す
すべての作業を文章にしようとすると、作る側も読む側も負担になります。まずは現場ごとに次の5項目だけをそろえる方法があります。
・入室方法と鍵の扱い
・作業する順番
・重点的に確認する場所
・使用禁止の洗剤や道具
・作業後に必要な報告や写真
文章だけで説明しにくい場所は、写真に短いコメントを付けるだけでも伝わりやすくなります。情報を増やすことよりも、作業前に必要な内容へすぐたどり着けることが大切です。
■ 新人だけでなく管理者の負担も減らせる
引き継ぎ情報がまとまると、新人が自分で確認できる場面が増えます。その結果、管理者への電話や同じ説明の繰り返しを減らせます。
今使っている紙や共有フォルダをすべてやめる必要はありません。まずは質問が多い現場や、担当変更が予定されている現場だけから整理する方法もあります。
常念舎では、清掃会社様の現在の運用を伺い、現場ごとの注意点・作業報告・写真をスマートフォンから確認しやすくする小規模な業務ツールを制作しています。
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