「自分に向いている仕事が、いまだにわかりません」
ご相談のなかで、こういうお話をうかがいます。いくつか職を変えてみた。適性の検査も受けてみた。それでも、これだと思えるものに行き当たらない。今日は、この「向いている仕事」というお悩みを、占星術ではどう見ているのかをお話ししてみます。特定の誰かを鑑定する話ではなく、「こういうところを見ています」という説明として読んでいただければと思います。
■ 職種の名前は、図には書かれていない
生まれたときの空の配置から、職業の名前がそのまま出てくることはありません。図に映るのは、その方がどう動いたときに力が出るのか、という働き方の質のほうです。同じような配置の方が、教える仕事に就くことも、ものを作る仕事に就くこともあります。共通しているのは職種ではなく、その仕事のなかで何をしているか、という部分です。
■ 図のいちばん高いところ
はじめに見るのは、生まれた図のいちばん高い位置にあたる場所です。
ここは、その方が社会のなかでどんな役どころを担いやすいかを映す場所とされています。ここに重なる星座や星の性質は、「人からこう頼まれやすい」という形で表に出ることが多いものです。
面白いのは、ご本人がその役どころを自覚していないことが多い点です。これまで周りから何を頼まれてきたかを振り返っていただくと、図に出ている性質とぴたりと重なることがあります。向いているものは、たいてい自分では「当たり前にやってしまうこと」の側にあるようです。
■ 日々の仕事の、手ざわり
次に見るのは、毎日の仕事をどう回していくかを映す区画です。
出生図には、日々の段取りや、人と分担して進めるときの癖が表れる場所があります。ひとりで集中して仕上げたい方なのか、誰かと話しながら形にしていく方なのか。決まった手順の中でこそ落ち着く方なのか、そのつど組み替えるほうが冴える方なのか。
向いている仕事が見つからないというご相談で、実はここが噛み合っていなかった、という場合は少なくありません。仕事の中身ではなく、働き方の枠のほうが窮屈だった。そう読めることがあります。
■ 何に張り合いを感じるか
三つめに、その方が何を大切だと感じるかを映す星を見ます。
どれだけ条件がそろっていても、心の動かない場所に長くとどまるのは難しいものです。ここに出ている性質は、「これがないと張り合いが出ない」という条件として現れます。手ざわりのある成果なのか、誰かの役に立っている実感なのか、新しさなのか、静けさなのか。
この部分は、履歴書には書きにくい条件です。けれど、その仕事が続くかどうかを分けるのは、たいていこちら側だと感じています。
■ おわりに
占星術は、就くべき職業を言い当てるものではないと、私は考えています。できるのは、力を出しやすい条件を言葉にして、選ぶときの手がかりにしていただくことです。
条件が言葉になると、求人を見る目も少し変わってきます。向いているものを探すというより、合う条件を数えていく。そのほうが、遠回りのようで近いのかもしれません。
生まれた時の空をもとにした個人鑑定では、このあたりをご一緒に読み解いています。