パソコンを使っていたら、突然「プツン」と電源が落ちた。
ブルースクリーンも出ない。警告もない。そのまま真っ暗。
こうなると、
「PCが壊れた?」
「買い替えないとダメ?」
「データは大丈夫?」
と不安になると思います。
ただ、PCの電源が突然落ちたからといって、必ずしもPC本体が故障したとは限りません。
私は普段、インフラエンジニアとしてPCやネットワーク、Windows環境などに触れていますが、トラブルが起きたときに大切なのは、いきなり原因を決めつけることではなく「どこに原因があるのか」を一つずつ切り分けることです。
今回は、Windows PCの電源が突然落ちたときに確認したいポイントを紹介します。
1. まず「どう落ちたのか」を確認する
最初に確認したいのは、電源が落ちる直前の状況です。
例えば、
・ゲームをしていた
・動画編集をしていた
・オンライン会議中だった
・Windows Update後だった
・USB機器を接続した直後だった
・何もしていないのに突然落ちた
この違いだけでも原因を絞り込むヒントになります。
また、「電源が落ちた」と「再起動した」は似ていますが、原因の考え方が少し違います。
突然再起動してエラー画面が表示された場合は、Windows、ドライバー、メモリ、ハードウェアなどが関係している可能性があります。
一方、本当に電源そのものが一瞬で切れた場合は、電源周りや温度なども疑っていきます。
トラブル対応では、この「症状を正確に把握する」という作業が意外と重要です。
2. PCが熱くなっていないか
次に確認したいのが温度です。
PC内部ではCPUやGPUなどが動作しており、負荷が高くなるとかなりの熱が発生します。
特に、
・動画編集
・ゲーム
・大量のアプリを同時に使用
・夏場の暑い部屋
・布団やクッションの上でノートPCを使用
といった状況では注意が必要です。
PCの吸気口や排気口が塞がれていないか確認してみてください。
ファンや通気口にホコリが大量に溜まっている場合も、うまく排熱できなくなることがあります。
「しばらく使うと落ちる。でも冷ましてから起動すると普通に使える」
という症状なら、温度は確認しておきたいポイントの一つです。
3. ACアダプターや電源ケーブルを確認する
意外と見落としやすいのが電源周りです。
デスクトップPCなら、
・電源ケーブルが抜けかかっていないか
・電源タップに問題がないか
・コンセント側に問題がないか
ノートPCなら、
・ACアダプターがしっかり接続されているか
・ケーブルに傷や断線がないか
・充電が正常に行われているか
などを確認します。
USB-Cで充電するPCの場合は、充電器の出力不足やPCとの組み合わせも確認ポイントになります。
Microsoftも、PCの要件を満たしていない充電器を使用した場合、接続中でも正常に充電できないケースがあると案内しています。
「PC本体が壊れた」と思っていたら、実はACアダプター側だった、という可能性もあります。
4. 最近何か変更していないか
PCトラブルで私がよく確認するのが、
「症状が出る直前に何か変わっていませんか?」
という点です。
例えば、
・Windows Updateをした
・ドライバーを更新した
・新しいソフトを入れた
・USB機器を追加した
・メモリを増設した
・周辺機器を交換した
などです。
昨日まで正常だったPCが今日から突然おかしくなったのであれば、その間に発生した「変更点」がかなり重要になります。
MicrosoftもWindowsの予期しない再起動について、新しく追加したハードウェアを取り外す、デバイスマネージャーを確認する、Windows Updateを確認するといった基本的な切り分け方法を案内しています。
PCトラブルでは「何が壊れたか」だけでなく、「正常だったときから何が変わったか」を考えると原因に近づきやすくなります。
5. イベントビューアーを確認する
少し専門的になりますが、Windowsには「イベントビューアー」という機能があります。
Windows内部で発生したさまざまな出来事が記録されており、突然のシャットダウンや再起動を調査するときにも使います。
ただし注意したいのは、
「エラーが記録されている=そのエラーが原因」
とは限らないことです。
電源断の結果として記録されたエラーもあります。
そのため、イベントビューアーは一つのログだけを見るのではなく、
「何時に落ちたのか」
「その直前に何が記録されているのか」
「毎回同じログが出ているのか」
といった流れで確認することが重要です。
ここは少しインフラエンジニアっぽい調査になります。
6. ブルースクリーンが出ていなかったか
一瞬だけ画面が表示され、その後自動的に再起動しているケースもあります。
Windowsでは重大な問題が発生した場合、STOPコードと呼ばれるエラー情報を表示して再起動することがあります。
例えば、
MEMORY_MANAGEMENT
WHEA_UNCORRECTABLE_ERROR
などです。
こうしたコードが表示されている場合は、写真を撮るかコードをメモしておくと原因調査の大きな手掛かりになります。
「なんか英語が出たけど、そのまま再起動したから分からない」
で終わらせず、次回発生したときに記録しておくことをおすすめします。
7. 一度だけなのか、何度も起きているのか
これも非常に重要です。
一度だけ発生して、その後何週間も正常に動いている。
それとも、
「毎日落ちる」
「ゲームをすると必ず落ちる」
「起動して10分くらいで落ちる」
では意味が違います。
再現性があるトラブルは原因を切り分けやすくなります。
例えば「動画編集を始めて10分くらいすると落ちる」のであれば、CPU/GPU負荷や温度、電源などを中心に調査できます。
逆に完全にランダムに発生する場合は、もう少し広い範囲から調査する必要があります。
すぐ初期化する必要はありません
PCがおかしくなると、
「Windowsを初期化した方がいいですか?」
という話になることがあります。
ただ、私はいきなり初期化することはおすすめしません。
電源、温度、周辺機器、ドライバー、Windows、ハードウェアなど、確認できることはたくさんあります。
原因がハードウェア側にあるなら、Windowsを初期化しても症状が改善しない可能性があります。
初期化は原因調査の最初ではなく、必要な切り分けを行ったうえで検討する手段の一つです。
PCトラブルで大切なのは「切り分け」
PCの電源が突然落ちた。
この症状だけで、
「PC本体の故障です」
と判断することはできません。
温度なのか。
電源なのか。
Windowsなのか。
ドライバーなのか。
周辺機器なのか。
それとも本当にハードウェア故障なのか。
一つずつ可能性を減らしていく。
これがPCトラブル対応の基本です。
もし、
「イベントビューアーを見てもよく分からない」
「何を確認すればいいのか分からない」
「買い替えるべきか判断できない」
という場合は、症状や使用環境を聞きながら一緒に原因を切り分けることもできます。
PCトラブルは、いきなり買い替える前に確認できることがあります。
困ったときは、お気軽にご相談ください。