「記帳は自分でやった方が安く済むのでは?」
「でも、記帳に時間を取られて本業が進まない……」
個人事業主やフリーランスの方なら、一度はこんな悩みを感じたことがあるのではないでしょうか。
これまでの記事では、記帳のコツや効率化の方法をご紹介してきました。
今回は少し視点を変えて、「自分で記帳するのか、それとも外注するのか」を判断するための基準を整理します。
「料金」だけで比較しないことが大切
記帳代行を検討するとき、多くの方がまず気にするのが料金です。
もちろん費用は大切ですが、自分で記帳する場合にも「時間」というコストがかかっていることを忘れてはいけません。
たとえば、月に8時間を記帳に使っているとします。
その8時間を、
・本業の仕事
・営業活動
・お客様への対応
・新しいサービスの準備
などに使えたとしたら、どのくらいの成果につながるでしょうか。
「記帳代行にいくらかかるか」だけではなく、「記帳に使っている時間を他の仕事に使ったらどうなるか」という視点でも考えてみると、自分に合った選択がしやすくなります。
自分で記帳を続けてもよいケース
以下のような状況であれば、無理に外注せず、自分で記帳を続けるという選択も十分考えられます。
・取引件数がそれほど多くなく、月数時間程度で処理できている
・勘定科目の判断や税務上のルールにある程度自信がある
・記帳作業自体がそれほど負担ではない
・数字を把握することが事業運営に役立っている
・事業の繁忙期と記帳の負担がそれほど重なっていない
特に、事業を始めたばかりで取引数が少ない時期は、自分で記帳することで、売上や経費など事業のお金の流れを把握しやすくなるというメリットもあります。
外注を検討した方がよいケース
一方で、次のような状況に当てはまる場合は、記帳代行などの外注を検討する価値があります。
1.記帳にかかる時間が本業を圧迫している
売上につながる本業の時間が記帳によって削られている場合、記帳にかかる時間を減らすことで、本業に集中できる時間を確保しやすくなります。
「気づいたら、仕事が終わった後に毎晩記帳している」
という状態なら、一度外注を検討してみてもよいでしょう。
2.繁忙期と記帳作業が重なっている
確定申告の時期や事業が忙しい時期に、記帳までまとめて片付けようとすると、負担が大きくなります。
特に、記帳を後回しにする習慣がある場合は、忙しい時期に大量の領収書や明細を処理することになりがちです。
忙しい時期に記帳を溜め込まない仕組みを作ることも大切です。
3.勘定科目や税務上の判断に不安がある
「この支出は何費?」
「この取引はどう処理すればいい?」
と毎回迷ってしまう場合、記帳そのものに時間がかかります。
また、自己流の処理を続けていると、後から修正が必要になり、さらに時間がかかることもあります。
判断に不安がある場合は、税理士などの専門家に確認することも検討しましょう。
4.取引件数が増えてきた
事業が成長すると、取引先や売上、経費などの件数も増えていきます。
これまで月数時間で終わっていた記帳が、いつの間にか何時間もかかるようになった場合は、外注を検討するタイミングのひとつです。
「以前は自分でできていたから」と無理に続けるのではなく、事業の規模に合わせて記帳方法を見直すことも大切です。
外注を検討するためのチェックリスト
自分が記帳代行を検討するタイミングなのか迷ったら、次の項目をチェックしてみてください。
・記帳に月5時間以上かかっている
・記帳のために本業の時間を削っている
・勘定科目の判断でよく迷う、または科目が毎回変わってしまう
・領収書やレシートの管理が後回しになりがち
・確定申告の時期にいつも慌てている
・ここ数か月で取引件数が増えてきた
3つ以上当てはまる場合は、一度、外注という選択肢を検討してみてもよいでしょう。
もちろん、これはあくまで目安です。
取引件数や事業内容、記帳に対する負担感などによって、適した方法は変わります。
「全部外注」ではなく「一部だけ外注」もできる
「記帳を外注する」と聞くと、
「すべての記帳作業を丸ごと任せる」
というイメージを持つ方もいるかもしれません。
しかし、必ずしもすべてを外注する必要はありません。
たとえば、
日々のレシートや領収書の整理は自分で行い、仕訳・入力だけ外注する
普段は自分で記帳し、確定申告前など忙しい時期だけ依頼する
といった方法もあります。
自分でできる部分は自分で行い、負担の大きい部分だけ外注するという考え方も選択肢のひとつです。
「自分でやる」か「外注する」かは、今の状況で考える
記帳を自分でやるか外注するかに、すべての人に当てはまる正解があるわけではありません。
大切なのは、
「記帳代行はいくらかかるか」だけではなく、
「記帳に使っている時間を他の仕事に使ったらどうなるか」
という視点です。
取引件数が少なく、記帳にそれほど時間がかからないのであれば、自分で続けるのもよいでしょう。
一方で、記帳が本業を圧迫していたり、取引件数が増えて負担が大きくなっていたりするのであれば、外注を検討する価値があります。
まとめ
記帳を自分でやるか外注するかは、料金だけでなく「時間」と「負担」も含めて考えることが大切です。
今回のポイントをまとめると、
・記帳にかかっている時間もコストとして考える
・本業の時間を記帳に使っているなら外注を検討する
・取引件数が増えてきたら記帳方法を見直す
・勘定科目などの判断に不安がある場合は専門家への確認も検討する
・すべてではなく、一部だけ外注する方法もある
ということです。
「記帳をする時間がもったいない」
「本業にもっと時間を使いたい」
「自分でできるところは残しつつ、負担の大きい部分だけ任せたい」
という方は、記帳代行を利用するのもひとつの方法です。
現在の記帳量や負担に合わせて、どこまで自分で行い、どこから外注するのかを考えてみてはいかがでしょうか。