◆ 頑張っているのに、進まないという感覚
連絡の頻度を工夫してみる。聞き方を変えてみる。会える機会を大切にする。
できることは、ひと通りやってきた。それなのに、関係は同じところで足踏みをしている。
こうしたご相談を伺うとき、私はまず、相談者様の頑張り方を疑うことはしません。
やり方が間違っているのではなく、頑張りが向いている場所そのものが、少しずれていることがあるからです。
◆ 壁は、相手との間にあるとは限らない
「壁がある」と感じるとき、多くの方は、それを相手との間に立っている壁だと捉えます。
けれど鑑定で視ていくと、壁は、相手とあなたの間ではなく、あなた自身の中にあることがあります。
かつて、誰かに深く近づいた結果、傷ついた経験があるとします。
その経験は、躰記憶として残り、「ここから先へは近づきすぎないほうがいい」という形で、あなたを守るように働き続けることがあります。相手が変わっても、関係が変わっても、同じ距離のところで、同じように足が止まる。それは偶然ではなく、あなたの躰が覚えている距離の感覚が、そこにあるからです。
◆ なぜ、壊そうとするほど強くなるのか
この壁に気づいた方の多くは、「壊さなければ」と考えます。
もっと踏み込んでみよう。もっと素直になってみよう。そう決めて動いてみても、なぜか手前で止まってしまう。あるいは、無理に踏み込んだ反動で、余計に距離を取りたくなってしまう。
躰記憶は、意志の力でねじ伏せようとすると、かえって強く働くことがあります。危険を知らせる働きだからこそ、力ずくで抑え込まれそうになるほど、警戒を強めてしまうのです。
「頑張っているのに進まない」という感覚の正体は、多くの場合ここにあります。頑張りが足りないのではなく、頑張る方向が、壁をより固くする方向に向いてしまっているのです。
◆ 壁は、かつてあなたを守っていた
ここで、大切にしていることがあります。
その壁は、あなたを困らせるために存在しているのではない、ということです。
かつて、深く近づいたことで傷ついた経験があったなら、同じ深さまで近づかないようにする働きは、あなたを守るために必要でした。危険を早めに察知できれば、同じ傷を繰り返さずに済みます。
その働きは、間違ってはいませんでした。ただ、かつて必要だった距離感が、今の相手にも同じだけ必要かどうかは、また別の話です。
◆ 視るのは壁の有無ではなく、壁の性質
鑑定では、壁があるかどうかではなく、その壁がどんな性質を持っているかを視ます。
どの場面で強く働くのか。近づかれることに反応するのか、それとも自分から近づくことに反応するのか。どのくらいの深さで止まろうとするのか。
この性質が分からないまま、「壁を壊そう」と力任せに動くと、先ほどお伝えしたとおり、かえって固くなってしまうことがあります。性質を知ったうえで向き合うことと、知らないまま力業で向き合うことでは、同じ「向き合う」でも、結果が変わってきます。
◆ 壊すのではなく、溶かすということ
私の鑑定では、この壁を、壊すものとしてではなく、溶かしていくものとして扱っています。
壊そうとする力は、壁にとっては「攻撃」として受け取られ、身構えさせてしまいます。溶かすというのは、その壁がなぜそこにあるのかを理解したうえで、必要な分だけ、少しずつゆるめていくという意味です。
鑑定でお伝えできるのは、その壁の輪郭と、性質と、どこから緩めていけそうかという見立てまでです。実際に、その壁そのものに働きかけていく工程が必要な場合には、〖躰記憶・深層解縛〗という形でお受けしています。視てわかったことをそのままにせず、その先まで扱いたいと感じたときに、選んでいただけるものです。
◆ 結びに
もし、頑張っているのに進まないという感覚が続いているなら。
壊れないのは、あなたのやり方が悪いからではなく、そこにまだ知らない壁の形があるからかもしれません。
その壁がどんな形をしているのか、一緒に視てみませんか。