工事を終えるたびに、写真を選んでHPへ載せてきた。事例は増えたし、どの現場にも思い入れがある。それでも、お客さんから『うちのような相談もできますか』と聞かれると、社長が過去の写真を探し直して説明している。HPに載せたはずの仕事が、相談の場面ではなかなか見つからない。
今回は、社員6人の戸建て改修会社で、現場と営業に加え、施工事例の更新も担う代表を想定します。内装と外装の事例が同じ一覧に新着順で並び、写真と工事名はあるものの、自分に近い仕事を探す手掛かりが少ない場面です。会社や状況は架空の想定で、実在の支援事例や成果ではありません。
写真を増やす前に、すでにある一件へたどり着く道を整えてみませんか。この記事では、相談する人の言葉から事例を選び、短い紹介を読み、詳しい内容へ進めるようにする編集を考えます。
掲載画像はこの記事のためのイメージ・説明図です。実在の会社、住宅、施工実績、顧客の画面を示すものではありません。
新着順は、読み手が探したい順とは限らない
新着順の一覧は、会社が仕事を続けていることを伝えられます。更新する側も、最新の一件を先頭へ足せばよい。ただ、雨の日だけ気になる場所がある人と、家族構成が変わって室内を使い直したい人とでは、見たい事例が違います。
専門的な工事名を知っている人は、『外壁』『浴室』といった分類から探せるかもしれません。一方、まだ何を直すべきか決まっていない人は、『家の中を行き来しにくい』『しまう場所が足りない』という暮らしの言葉から考えています。分類がない場合も、工事名だけの場合も、その人は写真を一枚ずつ開いて、自分に関係があるかを確かめます。
ここで起きているのは、仕事の数が足りない問題とは限りません。会社には『あの現場に近い相談だ』と分かるのに、初めて読む人には、どの一件を開けばよいか分からない。その間にある知識を、一覧の見出しや紹介文へ少しずつ出していきます。
新着の一覧は残しつつ、相談する人が選べる入口も置く。この二つを両立させるのが、今回の出発点です。
説明図:新着順は更新の流れを示します。別に悩みから選ぶ入口を置くと、その人に近い事例へ進む道をつくれます。
「工事した場所」と「相談のきっかけ」を別に持つ
すべての事例を、すぐ細かく分類する必要はありません。まず既存の事例を三件ほど選び、それぞれに『工事した場所』と『相談のきっかけ』を書き出します。前者は台所や外壁など、後者は実際に相談された困りごとです。これは整理を試す件数の目安です。
例えば、台所の工事でも、古くなった設備を替える相談と、料理をしながら家族へ声をかけたい相談では、紹介する筋道が違います。反対に『片付けに困っている』という入口には、台所、玄関、室内の別々の事例が集まることもあります。以下の例は分類の考え方で、特定の工事や解決を勧めるものではありません。
悩みの言葉は、想像だけで付けないようにします。当時の記録と現場を担当した人に照らして確かめ、分からないものは無理に当てはめません。代表には改善したように見えても、お客さんがそう相談したとは限らないからです。確認できる言葉から始めます。
入口は、実際の事例が集まるものだけに絞ります。見栄えのために多くの分類を作ると、開いても空だったり、同じ一件しかなかったりします。分類名を読んでどんな事例があるか想像できるか、社内の工事名を知らない人にも確かめてもらいます。
一覧の写真に、開く理由を一行添える
入口を作っても、次の一覧が完成写真だけなら、また見た目で選ぶ場面に戻ります。事例の小さな紹介には、写真、具体的なタイトル、相談のきっかけが分かる短い一文を揃えます。細かな工程や長い会社紹介を全部入れる場所ではありません。
架空の紹介例なら、『家族と話しながら料理をしたい。台所と居間のつながりを見直した改修』。これは実績としてそのまま載せる文章ではなく、場所と相談のきっかけを一緒に伝える型です。実際の工事範囲や、確認できた相談内容へ置き換えます。
『快適な暮らしを実現』だけでは、どんな相談に近いかを選びにくいと思います。まず『何に困って、どの場所を扱ったか』が伝わる言葉を探してください。写真の華やかさや、金額の大きさを競うより、自分の話に近い一件を選ぶための紹介にします。
写真は、紹介している内容と対応させます。玄関の使い方を説明するのに、外観の写真だけを置いていないか。同じ事例の中で適切な写真を選び、写っていない改善点まで写真が証明しているように扱わないことも大切です。
説明図:悩みの入口から短い紹介を選び、同じ事例の詳細へ進みます。途中で別の話へ飛ばさず、探していた内容をつなげます。
詳しいページでも、入口の話を見失わせない
『しまう場所に困っている』から事例を開いたのに、詳細が材料名と写真の連続だけだと、最初に探していた話が見えなくなります。冒頭には、その現場でどんな相談があり、どの範囲を工事したかを短く置きます。読み手が、自分の悩みと似ているところを確認できるようにします。
そのあとで、当初の状況、工事を考えるうえでの制約、選んだ内容と理由、実際に行った範囲へつなげます。住みながらの工事だったか、残した部分があったかなど、確認できる事情が、写真だけでは分からない仕事の内容を補います。工法の正しさや、自宅でも同じ対応ができるかをHPだけで判断させる説明にはしません。
一件の事例を、すべてのお宅へ通用する答えに広げないことも大切です。同じ悩みでも、建物の状態や工事範囲は違います。今回行ったことと、別の相談で確かめる必要があることを混ぜず、この一件の話として読めるようにします。
掲載する素材と文章は、公開する範囲を確認します。住所、表札、住人、室内の私物、図面、金額などを、写真と本文を合わせて点検してください。社内で使える資料が、そのまま広報に使えるとは限りません。許可や扱いが不明なものは外し、お客さんの感想も、確認していない発言を作って足さないようにします。
説明図:一覧では工事名と元の困りごとを短く伝えます。行った範囲、その現場の制約、選んだ内容と理由は、開いた先の詳細で説明します。
絞り込み機能を増やす前に、三件でたどってみる
最初の方法は、悩みの見出しを一つ置き、関連する事例へのリンクを並べる形です。既存ページを使って小さく試せます。ただし、リンクの追加や並べ替えを、今後誰が行うかは決めておきます。
事例が増え、同じ分類を何度も扱うなら、分類ごとの一覧へまとめる方法もあります。新しい一件に必要な分類を付ければ、同じ入口で探せるようにする考え方です。公開中の分類名を勝手に増やし続けず、似た言葉を整理する担当が必要になります。
複数の条件を組み合わせて選ぶ絞り込みは、その先の選択肢です。場所、悩み、工事の範囲などを細かく選べても、選んだ先に事例がないと役に立ちません。作る費用に加え、各事例への情報の登録、該当なしの表示、スマートフォンでの操作、公開後の維持まで確認する範囲が増えます。
だから最初は、一つの入口から三件ほどへ進める形で試します。会社の仕事を知らない人にスマートフォンで読んでもらい、入口の言葉だけで何が見つかると思ったか、どの一件を選んだか、その理由を聞きます。選び方が想定と違ったら、機能を足す前に、分類名と紹介文を直します。
更新を続けられる量にするための費用と手間
見積りを相談するときは、『施工事例ページを整えたい』に加え、今ある件数、原稿や写真の状態、誰が当時の内容を確認できるかを伝えます。文章を編集するだけなのか、過去の記録を調べ、掲載素材を選び直す必要があるかで、作業の範囲が変わります。
写真の追加撮影、原稿、分類の設計、HPへの組込み、表示確認、公開後の更新は、それぞれ別に時間がかかります。外部へ頼む範囲と、代表や現場担当が確認する範囲を合わせておきます。費用が小さく見えても、毎回代表だけが長い原稿を作らないと更新できない形では、続ける負担が残ります。
新しい事例の記録は、最初から長文にしなくても構いません。相談のきっかけ、工事した場所、選んだ内容、掲載候補の写真を同じ一件に残し、公開の確認が済んでから短い紹介と詳細へ使います。記事を作る担当が、写真から事情を推測して埋める作業を増やさないようにします。
最初の三件が整ったら、新しい一件を同じ方法で追加できるかを試してください。紹介文が書けたかだけでなく、どの入口から見つかるか、詳細へ進めるかまで確かめます。過去のすべてを書き直す範囲は、その一回を経験してから決めてもよいと思います。
説明図:既存の三件で、記録確認、入口と紹介の編集、スマホでの確認を行い、新しい一件の追加まで試します。実施日数や改善成果を示すものではありません。
明日は、お客さんのつもりで一件を探す
明日は、代表ならすぐ思い出せる事例を一件選び、その写真を知らない人がHPから探す場面を考えてみてください。工事名を知らず、『こんなことで困っている』という言葉だけでも、近い一件へ進めるでしょうか。
明日の確認用チェックリスト
□ 新着順以外にも、事例を選ぶ入口がある
□ 入口の言葉は、実際の相談内容に沿っている
□ 写真の近くに、場所と悩みが分かる紹介がある
□ 詳細を開いたあとも、探していた話が続いている
□ 写真と文章の公開範囲、写り込みを確認した
□ 次の一件を、担当者が同じ方法で追加できる
どの現場にも、その会社が考え、手を動かした仕事が残っています。数を増やした記録の中から、自分に近い話を見つけてもらう。その道を一つ整えることから、施工事例の使い方を見直してみてください。
施工事例の写真は揃っているけれど、どう分類し、どんな紹介を添えるか迷う場合は、HPの構成と文章から一緒に整理できます。相談する際は、公開してよい一事例のURLと、いま探しにくいと感じていることを教えてください。未公開の住所やお客さんの資料を、最初から送っていただく必要はありません。
事例の整理や移行をどこまで行うかは、掲載件数と原稿の状態を見ながら、見積り相談で範囲を確認します。ホームページ制作のサービスはこちらです。