広告を回す長尺LPは、なぜ読まれる?情報量より判断順序

広告を回す長尺LPは、なぜ読まれる?情報量より判断順序

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ビジネス・マーケティング
広告やSNSから商品ページへ集客している、小規模事業者・一商品型サービスの方向けの記事です。


「LPは長いほうが売れると聞きました。とにかく情報を増やせばよいですか?」


結論から言うと、長いから売れるわけではありません。


申込みに必要な情報を、迷わず読み進められる順番で置いた結果として長くなる。これが、成果につながりやすい長尺LPです。


反対に、会社紹介、機能一覧、代表あいさつ、思いついた強みを順番なく積み上げたページは、長くても判断材料になりません。読み手にとっては「情報が多い」のではなく、「整理されていない」状態です。


■ 読み手は、最初から最後まで同じ熱量では読まない


LPを見る人は、上から一文字ずつ丁寧に読むとは限りません。


最初は、


・自分向けのサービスか
・悩みを理解してくれているか
・どんな結果が期待できるか


を短時間で判断します。


興味を持った後に、詳しい仕組み、実績、料金、他社との違い、よくある不安を確認します。つまり、ページ内でも読み手の温度は変化しています。


長尺LPは、その温度変化に合わせて情報を渡す必要があります。


■ 長尺LPを支える5つの層


私が構成を考えるときは、情報を大きく5つの層に分けます。


1.一瞬で対象者と価値が分かる層


ファーストビューでは、誰向けで、何が変わり、次に何をすればよいかを伝えます。ここで会社の言いたいことから始めると、読み手は自分との関係を見つけられません。


2.悩みを言語化する層


読み手が「まさに自分のことだ」と感じる場面を具体的に描きます。抽象的な不安だけでなく、日常で起きている困りごとまで解像度を上げます。


3.解決策と選ぶ理由を示す層


サービス内容を並べるだけではなく、なぜその方法で解決できるのか、他の選択肢と何が違うのかを説明します。


4.不安を取り除く層


実績、事例、制作の流れ、料金、納期、FAQ、保証範囲などです。申込み直前ほど、期待より不安の解消が重要になります。


5.行動を後押しする層


CTAはページ最下部だけに置くものではありません。内容を理解し「相談してみよう」と思う地点ごとに、自然な形で案内します。


■ 新PASONAは文章の型ではなく、心理の流れ


新PASONAの法則を使う場合も、見出しを順番どおり置けば完成ではありません。


問題を理解し、相手の気持ちに寄り添い、解決策を見せ、選ぶ条件を整理し、行動へ案内する。この心理の流れを設計するための骨組みです。


同じ悩みでも、医療、宿泊、美容、BtoBサービスでは必要な証拠も不安も違います。型を使いながら、顧客の言葉に合わせて中身を変える必要があります。


■ 長くても読みやすくする具体策


長尺LPでは「精読される文章」と「流し読みでも意味が取れる構造」を両立させます。


・一つの見出しで一つの結論を伝える
・長い段落を避け、要点を先に書く
・数字、比較、図解、事例でリズムを変える
・同じ説明を言い換えて繰り返さない
・スマホで見たときの余白と文字量を確認する
・CTAの前に、その時点で残る不安へ答える


飽きさせないために装飾を増やすのではなく、読む理由が途切れないように情報をつなぎます。


■ 削ったほうがよい情報もある


長尺にすることが目的になると、成果に関係のない情報まで残りがちです。


「それを読んだことで、申込みの判断が進むか」


この質問に答えられない内容は、別ページへ移すか削る候補です。情報量はたっぷりあってよい。しかし、行き先は一つに絞ります。


長尺LPとは、長い文章ではありません。


読み手が自分の悩みを理解し、解決策に納得し、不安を解消し、行動できるまでを省略しないページです。


■ 短いLPが向く商品、長いLPが必要な商品


すべての商品に長尺LPが必要なわけではありません。


商品名を見れば内容が分かり、価格が低く、比較する項目も少ない商品なら、短いページでも購入できます。すでに指名検索している人や、既存顧客へ案内するページも同様です。


一方、次の条件が増えるほど、説明すべき情報も増えます。


・初めて知る商品である
・価格が高い
・契約期間が長い
・失敗したときの損失が大きい
・他社との違いが分かりにくい
・サービスを受けるまで中身が見えない
・社内や家族へ説明して同意を得る必要がある


BtoBサービス、講座、コンサルティング、住宅、医療・介護、宿泊団体利用などは、申込み前の確認事項が多くなります。


この場合、短くすることは読みやすさではなく、判断材料の不足になる可能性があります。


■ 流入元によって、必要な長さは変わる


同じ商品でも、広告から来た人と、会社名を検索して来た人では知識量が違います。


SNS広告で初めて商品を知った人は、問題の整理から必要です。比較サイトから来た人は、価格、違い、証拠を早く見たい。紹介で来た人は、運営者と申込み方法を確認できれば動くかもしれません。


そのため「平均滞在時間が短いから、LPも短くする」という判断は危険です。


本当に見るべきなのは、流入ごとに、どの情報で止まり、どの情報を読んだ人がCVしているかです。


広告文で約束した内容がLPの上部にない場合、ページの長さ以前にメッセージが断絶しています。


■ 情報量ではなく、認知負荷を減らす


長いページが読まれない最大の理由は、文字数ではなく、読み手が頭の中で整理しなければならない量が多いことです。


たとえば料金説明が3カ所に分散し、対象者が途中で変わり、同じ機能を別の呼び方で説明していたら、読み手は自分で情報をつなぎ直します。


反対に、5,000字あっても、


・各セクションの役割が明確
・結論が先にある
・比較軸が統一されている
・前の疑問に次のセクションが答える
・数字や事例が主張の直後にある


なら、判断は進みます。


情報を減らす前に、読み手が整理する負担を減らします。


■ 実務で使う「一問一答」の構成設計


構成を作るとき、各セクションを企業側の見出しではなく、顧客の質問へ置き換えます。


「サービスの特徴」ではなく「私の悩みに合うのか」


「独自メソッド」ではなく「なぜその方法で解決できるのか」


「会社概要」ではなく「誰が、どんな責任を持って対応するのか」


「料金表」ではなく「最終的にいくらかかり、何が含まれるのか」


「お問い合わせ」ではなく「相談したら、次に何が起きるのか」


この問いが上から自然につながると、長尺でも続きを読む理由が残ります。


■ スマートフォンでは、文章より構造が先に見える


スマートフォンでは、一画面に入る情報が少なく、現在地を見失いやすくなります。


特に注意したいのは、


・画像の直後に結論がない
・見出しが抽象的で、何の話か分からない
・一段落が画面を埋める
・装飾が多く、重要度が判別できない
・CTAがページ末尾にしかない
・比較表が横にはみ出す


という状態です。


PCで美しく見えても、広告流入の多くがスマートフォンなら、スマホ画面を基準に構成を評価します。


見出しだけを拾い読みしても、対象者、価値、根拠、料金、次の行動が分かる状態が理想です。


■ 長尺LPを改善するための計測


長さの正解は、公開前には完全には分かりません。


公開後は、


・ファーストビューの離脱
・主要セクションへの到達率
・CTAが押された位置
・フォーム到達と完了
・流入元別のCV
・ヒートマップ上の熟読と読み飛ばし


を確認します。


下まで読まれていないから削るのではなく、上部で期待が切れていないか、途中の説明が重複していないか、必要な情報が後ろすぎないかを見ます。


CVした人が読んでいるセクションは、到達率が低くても重要です。逆に全員が通過する上部でも、意思決定に寄与していない情報は短くできます。


■ 制作前に経営者へ聞きたい5つの質問


長尺LPを作る前に、私は少なくとも次を確認します。


1.最も利益を残したい商品・顧客は誰か
2.顧客が申込みを先延ばしにする最大の理由は何か
3.競合と比べられたとき、最後に選ばれる根拠は何か
4.問い合わせで毎回説明していることは何か
5.申込み後に「思っていたのと違う」と言われる点は何か


この答えがLPの情報設計になります。


長くするか短くするかは、制作会社の好みではありません。顧客が判断するために必要な距離から決まります。


石井DXスタジオでは、構成、文章、デザイン、実装を分断せず、申込みまでの心理の流れからLPを制作しています。

■ 図解で振り返る、長尺LPの判断順序

ここまでの要点を、6枚の図にまとめます。長くすること自体が目的ではなく、読み手の疑問と不安を、次の判断へ進める順番で解消することが本質です。

02-decision-order.png
図1|長いLPの価値は、情報量ではなく「疑問に答える順番」にあります。
03-reader-temperature.png
図2|読み手は、理解が進むほど「自分向けか」から「今、動くか」へ判断を変えます。
04-five-layers.png
図3|対象・悩み・解決・安心・行動。5層を積み上げると、長さが「必要な判断材料」に変わります。
05-length-decision-map.png
図4|価格、説明の複雑さ、失敗時の損失、比較の多さ。説明すべき量は商品条件で決まります。
06-question-chain.png
図5|企業側の見出しを、顧客が頭の中で抱く質問へ変えると、読む理由が途切れません。
07-measurement-funnel.png
図6|公開後は、離脱・CTAクリック・フォーム到達・CVを見て、止まった場所から改善します。

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