美容クリニックの「50%OFF」「初回限定」は本当にお得なのか?

美容クリニックの「50%OFF」「初回限定」は本当にお得なのか?

記事
美容・ファッション
「今だけ50%OFF」

「初回限定 9,800円」

「通常価格98,000円 → モニター価格49,800円」

美容医療を調べていると、こういった広告を一度は見たことがあると思います。

Instagramを開いても、Googleで検索しても、LINEを登録しても、

割引、割引、また割引。

「美容クリニックって、いつも何かしらキャンペーンをやってない?」

そう感じたことがある方もいるのではないでしょうか。

前回の記事では、

「なぜ美容クリニックは、同じ施術なのに料金がこんなに違うのか?」

というテーマで、美容医療の料金について書きました。

その中でも少し触れたのが、

「初回限定」
「○%OFF」
「モニター価格」

といったキャンペーンです。

今回は、ここをもう少し掘り下げてみます。

私は普段、美容医療やクリニック運営に関わる仕事をしています。

施術をする医師ではありません。

その代わり、料金設定やキャンペーン、広告、集客など、患者さんからはあまり見えない「運営側」に関わることがあります。

そこで今回は、

なぜ美容クリニックは、こんなにも割引キャンペーンをするのか?

そして、

その割引は本当に「お得」なのか?

について、運営側の視点から書いてみたいと思います。

まず、「割引=怪しい」ではありません
最初にここは書いておきたいと思います。

美容クリニックがキャンペーンをしているからといって、

「何か裏がある」

と決めつける必要はありません。

美容医療もビジネスです。

飲食店がオープン記念キャンペーンをしたり、ホテルが期間限定プランを販売したりするのと同じように、美容クリニックにも値下げをする理由があります。

例えば、

新しい医療機器を導入した。

新しい施術を始めた。

新しい医師が入った。

症例写真を集めたい。

まだその施術を知らない患者さんに試してもらいたい。

予約枠に余裕がある。

こうした理由でキャンペーンをすることは普通にあります。

特に新しい施術を導入した直後は、

「まず知ってもらわないと何も始まらない」

という問題があります。

どれだけ良い施術でも、患者さんが存在を知らなければ予約は入りません。

そこで通常価格より安くして、

「この価格なら一度試してみようかな」

と思ってもらう。

これはクリニック側からすると、立派なマーケティング戦略です。

では、なぜ「初回限定」が多いのか?
これも理由は比較的シンプルです。

クリニックにとって大きなハードルの一つが、

「最初の1回来てもらうこと」

だからです。

皆さんも経験があると思います。

行ったことのない美容クリニックに予約を入れるのは、意外と勇気がいります。

どんな先生だろう。

高いものを勧められないかな。

痛くないかな。

スタッフの対応はどうだろう。

本当に広告の料金で受けられるのかな。

いろいろ考えます。

ところが、一度行ってみて、

「思っていたより普通だった」

「スタッフも感じが良かった」

「ちゃんと説明してくれた」

「無理な勧誘もなかった」

となれば、2回目の心理的ハードルは一気に下がります。

だからクリニック側としては、

最初の1回来てもらうためなら、多少利益を減らしてもいい。

こう考えることがあります。

これが「初回限定価格」の大きな理由の一つです。

2,980円の施術で利益を出しているとは限らない
例えば広告で、

「初回2,980円」

という施術を見たとします。

患者さん側からすると、

「こんなに安くして大丈夫なの?」

と思いますよね。

実際、その2,980円だけを見ると、クリニック側にほとんど利益が残らないこともあります。

それでも行う理由があります。

一度クリニックを知ってもらう。

来院してもらう。

院内の雰囲気を知ってもらう。

医師やスタッフと接点を持ってもらう。

そして、

「ここならまた来てもいいかな」

と思ってもらう。

つまり、

初回価格だけで利益を出す必要がない

という考え方です。

マーケティングの世界では特別珍しい話ではありません。

スーパーの特売商品。

動画配信サービスの無料期間。

スポーツジムの初月無料。

携帯電話の乗り換えキャンペーン。

考え方としては近い部分があります。

美容クリニックも同じです。

ここからが、少し注意してほしいところ
では、

「50%OFFなら絶対にお得なのか?」

という話です。

私は、割引率だけでは判断しない方がいいと思っています。

例えば、

Aクリニック
通常価格100,000円
キャンペーン50%OFF
→ 50,000円

Bクリニック
通常価格60,000円
割引なし
→ 60,000円

これだけを見るとAクリニックの方が安いですよね。

では、

Aクリニックの「通常価格100,000円」は、普段どの程度その価格で提供されているのか。

ここまで見る人は、あまり多くありません。

50%OFFという言葉を見ると、

「半額になっている!」

という印象が先に来ます。

でも本当に比較すべきなのは、

割引率ではなく、自分が最終的にいくら払うのか。

私はここだと思っています。

「最大○%OFF」にも注意
広告でよく見る表現に、

「最大50%OFF」

があります。

この「最大」という言葉。

意外と重要です。

すべての施術が50%OFFとは限りません。

特定の施術だけ。

特定の条件だけ。

モニターになった場合だけ。

複数回契約した場合だけ。

こういったケースもあります。

広告自体が間違っているという話ではありません。

条件をきちんと読めば書いてあることもあります。

ただ、患者さん側としては、

「50%OFFのクリニック」

という印象だけが残りやすい。

だから広告を見るときは、

「自分が受けたい施術は、実際いくらになるのか?」

まで確認した方がいいと思います。

モニター価格はなぜ安い?
美容医療独特のものとして、

「モニター価格」

があります。

これは比較的理由が分かりやすいです。

クリニックは、症例写真を必要としています。

特に新しい施術を始めた時や、新しい医師が入った時。

患者さんに説明するとき、

「この施術をすると、このような変化が期待できます」

と症例を見せられる方が分かりやすい。

そのため、

写真撮影や掲載に協力してもらう代わりに料金を安くする。

これがモニター価格の基本的な考え方です。

ですからモニター価格自体を怪しむ必要はありません。

ただし、

どこに掲載されるのか。

顔全体なのか、一部分なのか。

目元は隠れるのか。

SNSにも掲載されるのか。

掲載期間はどのくらいなのか。

こういった条件は、契約前に確認しておいた方がいいと思います。

料金が安くなる代わりに、自分が何を提供するのか。

ここは理解しておくべきです。

私が少し気になるキャンペーン
運営側にいる人間として、個人的に少し気になるパターンがあります。

それは、

「今日契約すれば、この価格です」

というものです。

もちろん、本当に当日限定キャンペーンの場合もあります。

だから一概に悪いとは言えません。

ただ美容医療は、洋服や家電を買うのとは少し違います。

身体に関わることです。

特に外科手術や高額な治療の場合、

「今日契約しないと損します」

と言われて焦って決める必要があるのか。

私は一度考えてもいいと思います。

本当に受けたい施術なのか。

リスクを理解したか。

他の選択肢はないか。

金額に納得しているか。

その医師にお願いしたいのか。

ここまで考えたうえで、

「それでも受けたい」

と思えるなら契約すればいい。

美容医療は、

「安いから今日買っておこう」

で決めるものではないと思っています。

本当にお得なキャンペーンも、もちろんあります
ここまで読むと、

「じゃあキャンペーンは使わない方がいいの?」

と思うかもしれません。

そんなことはありません。

むしろ条件が合えば、かなりお得に施術を受けられることもあります。

例えば以前から受けたいと思っていた施術がある。

クリニックも調べている。

医師についても調べた。

通常価格も知っている。

そこに期間限定キャンペーンが出た。

これは利用する価値があると思います。

つまり、

「割引されているから施術を受ける」

のではなく、

「受けたい施術が、たまたま割引されている」

という順番です。

似ていますが、意味はかなり違います。

LINE登録後にクーポンが届く理由
美容クリニックのホームページを見ると、

「LINE登録で○○円OFF」

という案内もよくあります。

これにも理由があります。

一度ホームページを見た人が、必ずその場で予約するとは限りません。

むしろ、

「ちょっと気になる」

くらいで終わる人の方が多いでしょう。

そこでLINEに登録してもらう。

そうするとクリニック側は、

新しい施術。

キャンペーン。

空き情報。

症例写真。

こうした情報を後から届けることができます。

つまりLINEクーポンには、

値引きと引き換えに、クリニックとの接点を作ってもらう

という意味もあります。

これもマーケティングです。

悪いことではありません。

ただ、

「なぜこんなに安くしてくれるんだろう?」

と思った時に、こういう仕組みを知っているだけで広告の見え方は変わると思います。

美容医療の広告は「入口」を安く見せることがある
ここは覚えておいてもいいと思います。

美容医療では、

入口の商品を魅力的な価格にする

ことがあります。

例えば肌治療をきっかけに来院した患者さんが、

シミ。

たるみ。

毛穴。

しわ。

別の悩みも相談する。

そして別の施術を受ける。

これは珍しいことではありません。

だからクリニック側としては、

最初の施術で大きな利益が出なくても、その後長く通ってもらえればいい。

そう考えることがあります。

ここまで分かると、

「初回○○円!」

という広告の見え方が少し変わってきませんか?

私ならキャンペーンを見る時、この5つを確認します
自分が患者側だったら、少なくとも次の5つは確認します。

① 通常価格はいくらなのか

割引率だけではなく、元の料金を確認します。

② 最終的な支払額はいくらなのか

麻酔代、薬代、初診料などが別途必要なのか。

③ その価格になる条件は何なのか

初回限定なのか、モニターなのか、コース契約が必要なのか。

④ 今日決める必要があるのか

高額な治療なら、一度持ち帰って考えられるか確認します。

⑤ 安くなくても、その施術を受けたいか

私はこれが一番大事だと思います。

キャンペーンが明日終了するとして、

通常価格なら受けない施術なのか。

それとも、以前から受けたかった施術なのか。

この違いは大きいです。

「お得」と「必要」は別の話
美容医療のキャンペーンを見ていると、

つい、

「今受けないと損」

という気持ちになります。

でも、

50%OFFの必要ない施術より、定価でも自分に必要な施術の方がいい。

当たり前の話なのですが、広告を見ていると意外と忘れてしまいます。

クリニック側は、

「予約してほしい」

と思っています。

患者さん側は、

「自分に合った施術を受けたい」

と思っています。

この二つは似ていますが、完全に同じではありません。

だから最後に決めるのは自分です。

美容医療のキャンペーンには「理由」がある
私は美容医療のキャンペーン自体を悪いものだとは思っていません。

実際、クリニック側にも様々な事情があります。

新しい施術を知ってほしい。

症例を増やしたい。

新しい患者さんに来てほしい。

予約枠を埋めたい。

一度クリニックを体験してほしい。

それぞれ理由があります。

だから、

「割引=怪しい」ではありません。

ただ同時に、

「50%OFF=絶対にお得」でもありません。

大切なのは、

「何%安くなったか」ではなく、

その価格で、その施術を、自分が本当に受けたいか。

ここだと思います。

次回は、もう一歩「クリニック側」に入ります
前回は、

「なぜ同じ施術なのに料金が違うのか?」

今回は、

「なぜ美容クリニックは割引をするのか?」

について書きました。

ここまで来ると、次に気になることがあります。

「そもそも、美容クリニックって何で儲けているの?」

高額な施術もある。

一方で、数千円のキャンペーンもある。

広告も大量に出している。

医師や看護師もたくさんいる。

高額な医療機器も置いている。

では、美容クリニックのお金はどう動いているのか。

次回はもう少し運営側に踏み込んで、

「美容クリニックは何で儲けている?患者さんから見えないお金の話」

について書いてみようと思います。

美容医療を否定するためでも、特定のクリニックを攻撃するためでもありません。

仕組みを知れば、美容医療はもっと冷静に選べる。

そんな情報を、これからも現場側の目線から書いていきます。
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