人材派遣会社の実務で、特に気をつけたい業務のひとつが契約更新の管理です。
スタッフや派遣先が少ないうちは、
「○○さんは来月更新」
「△△社は月末まで」
と頭の中でも管理できるかもしれません。
しかし、スタッフ数や派遣先が増えてくると、契約終了日を一人ひとり覚えて管理するのは難しくなります。
さらに実務では、契約終了日を確認するだけではなく、
「派遣先へ更新確認をしたか」
「スタッフ本人へ継続意思を確認したか」
「新しい契約内容は確定したか」
「必要な帳票は作成したか」
など、更新までに複数の作業が発生します。
今回は、人材派遣会社の実務経験をもとに、契約更新漏れを防ぐために整理しておきたいポイントをご紹介します。
① 契約終了日を一覧で管理する
まず基本になるのが、スタッフごとの契約期間を一覧にすることです。
最低限、
・スタッフ名
・派遣先
・契約開始日
・契約終了日
・更新予定の有無
・担当者
などを確認できるようにしておきます。
重要なのは、契約書を開かなくても終了日を確認できる状態にすることです。
スタッフ数が増えてくるほど、一覧管理の効果が大きくなります。
② 「終了日」だけではなく更新作業の進捗も管理する
契約終了日だけをExcelに入力していても、それだけでは更新管理として不十分になりやすいです。
例えば、
契約終了日
↓
派遣先へ更新確認
↓
スタッフ本人へ意思確認
↓
条件確認
↓
契約・必要帳票の準備
↓
更新完了
という流れがあります。
そのため、
「派遣先確認済」
「本人確認済」
「契約作成済」
「更新完了」
など、現在どこまで進んでいるのかも確認できるようにしておくと管理しやすくなります。
③ 更新確認を始めるタイミングを決めておく
契約終了日の直前になってから確認を始めると、派遣先・スタッフ双方との調整が慌ただしくなります。
そこで、
「契約終了○日前になったら確認を開始する」
という社内ルールを決めておく方法があります。
例えばExcelでも、終了日が近づいたスタッフを分かりやすく表示するようにしておけば、対象者を探す手間を減らせます。
大切なのは、担当者が毎回思い出すのではなく、更新対象者が自然に分かる仕組みにしておくことです。
④ 派遣先への確認とスタッフへの確認を分ける
契約更新では、派遣先だけではなくスタッフ本人への確認も必要になります。
そのため、
・派遣先の更新意向
・スタッフ本人の継続意向
を別々に管理しておくと分かりやすくなります。
「派遣先は更新希望だけど、本人確認がまだ」
といった状況も一覧で確認できます。
⑤ 更新後の帳票作成までを「更新管理」に含める
更新することが決まった時点で終わりではありません。
実際の業務では、その後に契約内容を確認し、必要な書類や社内データを更新していく作業があります。
そのため、
更新意思確認 → 条件確定 → 必要書類・データ更新 → 完了
までを一つの業務として管理した方が、作業漏れを防ぎやすくなります。
「担当者の記憶」に頼らない仕組みを作る
契約更新管理で大切なのは、
「○○さんの契約、そろそろだった気がする」
という管理から抜け出すことだと思います。
担当者が優秀でも、スタッフや派遣先が増えれば確認する情報は増えていきます。
Excelでもシステムでも構いません。
契約終了日、確認状況、更新状況を一覧化して、誰が見ても次に何をするのか分かる状態にしておくことが重要です。
私自身、人材派遣会社の実務に携わってきた経験から、派遣業務は「書類を作ること」以上に、期限と進捗をどう管理するかが重要だと感じています。
「更新管理が担当者任せになっている」
「スタッフが増えて把握できなくなってきた」
「今使っているExcelを整理したい」
「派遣業務全体の管理方法を見直したい」
といった場合には、現在の運用方法を確認しながら、実務に合わせた管理方法を一緒に整理するご相談にも対応しています。
※本記事は派遣実務に関する一般的な情報提供を目的としています。個別の契約・法令上の判断等については、最新の公的情報をご確認のうえ、必要に応じて社会保険労務士・弁護士等の専門家へご確認ください。