「叶う確定」じゃない。「聖杯の9」が出たとき、あの人が満ちているもの

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こんばんは、月詠ソラです。小アルカナも6枚目、今夜はふたたび聖杯のスートに戻って、「聖杯の9」を開いてみようと思います。

もしあなたが、
・「聖杯の9=望みが叶うカード」と聞いて、この片思いも報われる確証がほしくてこのページを開いた
・あの人が最近どこか機嫌よさそうなのに、その明るさが自分には向けられていない気がして寂しい
・連絡をくれない理由が「今は満ち足りていて構う気になれない」だけなのか、それとも他に理由があるのか分からない
・「叶う」と言われるカードを引いたのに実際には何も動きがなくて、当てが外れたような気持ちでいる

この中に思い当たることがあれば、今夜はこのカードを、少し丁寧に開いてみてください。

■「聖杯の9」は恋愛占いで「望みが叶う・願望成就」と誤解されやすいカードです

タロットの「聖杯の9」は、腕を組んで満足げにほほえむ人物の背後に、9つの黄金の杯が青い布の敷かれた台の上に弧を描いて並べられている絵柄です。その堂々とした佇まいと杯の数の多さから、恋愛占いでは「叶うカード」と呼ばれ、「これが出たら望みは叶う」「片思いも報われる」と、結果まで請け合うような読み方をされがちです。けれど実際に鑑定でこのカードを視ていくと、この読み方だけでは掬いきれない部分が見えてきます。

■「聖杯の9」が伝えているのは、確定した願望成就ではありません

よく見ると、この人物の腕は組まれたままで、杯に向かって何かを注いでいる最中ではありません。杯もすでに綺麗に並び終えていて、これから満たされていく途中の器ではなく、満たし終えたあとの器として描かれています。あの人が近ごろどこか満ち足りた顔をしているのに、その温かさがなぜかこちらまでは伝わってこないと感じるとき、鑑定の場ではちょうどこの絵と同じ並びが視えていることがあります。あの人の心が今、確かに満ち足りているのだとしても、それは腕を組んだまま自分の内側だけで完結している落ち着きであって、その満足がそのままあなたへ向けて注がれ始めているという意味ではないことが多いです。冷めているのでも拒んでいるのでもなく、ただ今はくつろいでいる時間、というくらいの距離感で視えることが少なくありません。

■ 聖杯の9が示す、二つの色

聖杯の9を鑑定していると、この2色が並んで視えることがよくあります。どちらか一方だけに決まるわけではありません。

支子色(くちなしいろ)が、あの人を包んでいるとき
温かみのある黄橙色です。海松色の「自分の手で育てた実りを味わう充足」とは違って、支子色は生活や成果の話ではなく、ただ心地よく満ちているという感覚そのものを表します。「くちなし」の名の通り、多くを語らないのは冷たいからではなく、言葉にする必要をまだ感じていないだけ、ということがこの色から視えることがあります。

花浅葱(はなあさぎ)が、その満足の縁ににじんでいるとき
澄んだ淡い青です。鷹羽色の「まだ放たれていないだけの、繋がりの可能性」とは違って、花浅葱はそもそも向かう先がまだ定まっていない静けさを表します。あなたへ向かうと決まっているわけでも、向かわないと決まっているわけでもなく、器そのものがどちらへ傾くのか、まだ定まっていない段階の色です。

■ 実際の鑑定で視てきたパターン

聖杯の9が鑑定に現れるのは、よくこんな場面です。「望みが叶うカードが出たのに、実際には何も起きない」と戸惑う方に、これまで何度も出会ってきました。金貨の9のように生活の実りをかみしめている場面とも、聖杯の2のようにすでに双方向で釣り合っている場面とも違って、聖杯の9はあの人一人の内側だけで心地よさが完成していて、それがまだ誰かに向けて動き出す前の段階で出やすいカードです。ですから「叶う」という言葉が指しているのは、片思いの結末そのものというより、いまあの人の心の器が満たされているという状態そのものだと捉えると、少し輪郭がはっきりすることがあります。その満ち足りた器がこの先どちらへ傾いていくのかまでは、この一枚だけでは分からない、というのが正直なところです。

■ 今夜のあなたへ

「聖杯の9」は、望みが叶うと請け合ってくれるカードではありません。ただ、あの人の心のどこかが今満ち足りているのだとしたら、それは冷たさの表れではなく、ただ静かにくつろいでいる時間なのかもしれません。叶うかどうかを急いで確かめようとするより、その器が今どちらを向いているのかへ、そっと心を澄ませてみると、今夜は少し穏やかな気持ちで過ごせるかもしれません。

聖杯に戻ってきたところで、この続きとして次は「聖杯の10」を視てみるつもりです。気が向いたら、またふらりと立ち寄ってくださいね。

もし今、聖杯の9があなたに示した意味を、もっと詳しく知りたくなったら。

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あなたの夜が、静かに眠れますように。
月詠ソラ
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