画面を巡る指先のエスコート

記事
ビジネス・マーケティング
こんにちは!林田二郎です。

スマートフォンの画面を上から下へとスクロールするとき、私たちの指先はまるで静かな湖の水面をなぞるように滑らかに動いています。どこで指がピタッと止まり、どこで次のページへと進むのか。普段は何気なく見ているウェブサイトの裏側には、実は人間の心の動きを先回りした、目に見えない線が張り巡らされているのです。

私はウェブデザイナーとして、十年間この見えない線を引き続けてきました。見栄えをきれいに整えるのはもちろん大切ですが、それ以上に面白いのは、画面の向こう側にいる人の行動を予測し、心地よく案内する仕組みを作ることです。派手な装飾で無理に目を引くよりも、自然と目線が誘導されていくような、静かな仕掛けを施すことに職人としての喜びを感じています。

たとえば、以前ある美容と健康に関する商品のページを作ったときのことです。元のページは情報が満載で、どこを見れば良いのか迷ってしまう状態でした。これでは、訪れた人は疲れてしまい、すぐに画面を閉じてしまいます。そこで私は、情報の順番を徹底的に整理しました。人は美しい写真に目を奪われた後、次にどんな言葉を探すのか。本当に知りたい効果は何なのか。その心理の波に合わせて、ボタンの配置や色の強弱をほんの少しずつ変えていきました。

結果として、新しくなったページからは、これまでにないほど多くの安定した成果が生まれるようになりました。デザインの力を借りて、散らかっていた部屋をきれいに片付け、入り口から奥の部屋まで迷わずに歩けるようにしたような感覚です。特別な魔法を使ったわけではなく、訪れる人の目線を丁寧にエスコートした結果でした。

ウェブサイトを作ることは、お店の空間を設計することによく似ています。店に入った瞬間の明るさ、商品の並び順、店員に声をかけられる絶妙なタイミング。それらがすべて噛み合った時、買い物はとても楽しい体験になります。スマートフォンやパソコンの四角い画面の中でも、全く同じことが起きているのです。

単に格好いいからという理由だけで過剰な装飾を施しても、使いにくければ人はすぐに去ってしまいます。大切なのは、訪れた人が何を求めていて、次にどう動きたいかを徹底的に想像することです。その想像の深さこそが、最終的にビジネスの成果となって返ってきます。

画面の向こうにいる見知らぬ誰かと、デザインを通じて言葉を交わさずに通じ合う。この静かで熱いやり取りが、私にとってのウェブデザインの醍醐味です。もし皆さんが普段使っているサイトで、なぜか使いやすいと感じるものがあれば、それはデザイナーが仕掛けた心地よい罠に、綺麗にはまっている瞬間なのかもしれません。
サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す