四柱推命では、生まれ持った命式(人生の設計図のようなもの)だけでなく、約10年ごとに巡る「大運(だいうん)」という運気の流れも大切にします。
大運とは、その10年間で向き合いやすい人生の大きなテーマのようなもの。
仕事や人間関係、価値観の変化など、その時期ごとの学びや成長の方向性を読み解く手がかりになります。
今回ご紹介するのは、とても興味深いご夫婦の命式です。
ただ、先にひとつお断りを。
私は四柱推命を「統計と傾向の学問」として捉えているので、「大運が一致しているのは運命!巡り合うご縁だわ!」という方向には踏み込みません。
あくまで「こういうパターンもあるんだな」という視点で読んでいただけると嬉しいです。
今回のご夫婦は、ともに同じ年代で大運が切り替わるだけでなく、そのテーマがまるで逆向きに巡っていました。
例えば、
・奥様(16〜26歳):食神・帝旺
・ご主人(46〜56歳):食神・帝旺
食神は「自分らしさを楽しむ」「才能を伸ばす」「人生を味わう」テーマ。
帝旺は、エネルギーが最も充実し、行動力や存在感が高まりやすい時期です。
・奥様(26〜36歳):傷官・衰
・ご主人(36〜46歳):傷官・衰
傷官は「感性を磨く」「本音と向き合う」「表現を深める」テーマ。
衰は、勢いで進むよりも、一度立ち止まって自分を見つめ直しやすい時期です。
・奥様(36〜46歳):偏財・病
・ご主人(26〜36歳):偏財・病
偏財は、人とのご縁や新しい世界とのつながりが広がりやすいテーマ。
病は、外へ勢いよく進むというよりも、感受性が高まり、自分の内面や周囲との関わり方を丁寧に見つめやすい時期です。
(※「病」は前コラムでも触れましたが、悪い意味ではありません。
「病気になる時期?」と思われてしまうかもしれませんが、そういった意味ではありませんのでご安心を!)
このように、通変星(食神など。大運の場合はテーマ)だけでなく十二運(帝旺など。エネルギー)まで一致しているのが、とても印象的な組み合わせでした。
もちろん、干支(丙寅など。大運にもこの干支が現れます。大運の場合は舞台設定のようなイメージで私は解釈しています)
までは同じではないため、出来事がそのまま再現されるわけではありません。
ただ、「人生のテーマ」だけでなく、そのテーマをどのようなエネルギー感で経験しやすいかという流れまで、どこか共鳴しているようにも感じられました。
このご夫婦は人生の大きな節目を共に歩みながら、ご主人が一足先に経験したテーマを、約10年後に奥様が経験する流れになっていました(ご依頼時)。
そして、奥様が歩き終えたテーマへ、ご主人は次のタイミングで入っていく。
まるでお互いの人生テーマを交換しながら歩んでいるようにも見えました。
(バリバリ理論派ですが、この点は、ロマンティックだな、と思いました笑)
四柱推命では相性というと、お互いの命式同士を比較することが多いですが、このように大運の流れ方に目を向けてみると、また違った夫婦のご縁が見えてきます。
また今回のご夫婦の場合、逆行がうまく働けば、片方が経験者として相手を支えられるパートナーになりますし、逆に「私はもう終わった話なのに、なんで今さら?」となるとすれ違いにもなり得ます。
(今回のご依頼は大運の逆行だけのお話ではありませんでしたが、実際に最初は「なんで今さら?」という違和感をお持ちのご様子でしたが、こちらを解説すると、「お互いが支え合える関係って面白いですね。そういう見方をすれば上手く行きそうです!」と言っていただけたので、視点を増やすって大切なことなのだな、と私もとても勉強になりました。)
ちなみに、その後別の依頼者さんとの鑑定でも、同じ「大運の逆行」パターンに気づいて、興味深く眺めていました。
(なんとその方は私との逆行でした!笑
しかもそもそもの命式の構造自体が私のものと割と似ていて、大運の干支まで完全一致の逆行でしたので大変興味深かったです笑)
「大運が同じでも、もともとの命式や環境が違うと、具体的な出来事はこんなに変わるのか!」
と、こちらもとても勉強になった経験でした。
テーマは同じなので、共感できる箇所は大いにあったのですが、進む向きが違うので
「あ〜、このテーマ来てから次これなのか!同じテーマでも流れが逆だから全然体感違いそうだな〜!」
みたいな笑
同じ理論の枠組みで複数の事例を比べられるのが、鑑定の醍醐味のひとつだと感じますし、ほんと知れば知るほど面白いな、と思います。
もちろん、大運は「良い・悪い」を表すものではなく、同じ通変星・十二運だからといって同じ出来事が起こるわけでもありません。
ただ、「人生で向き合うテーマ」や「その時期の空気感」が重なっていることで、お互いの経験が相手を理解するヒントになることは十分考えられます。
人生を並んで歩くというより、お互いが歩んできたテーマを、次の10年へそっと手渡している。
そんな視点で大運を眺めてみると、また違った夫婦の関係性が見えてくることがあります。
夕顔