ベトナムの祝日といえば、旧正月の「テト(Tết)」を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
実は、ベトナムにはテト以外にも、歴史や家族とのつながりを大切にする行事が数多くあります。
今回は、日本ではあまり知られていないベトナムの伝統行事と、現地の人々の暮らしや仕事への影響をご紹介します。
1. フン王記念日|国のルーツを大切にする日
ベトナムには「Giỗ Tổ Hùng Vương(ゾー・トー・フンヴオン)」という祝日があります。
日本語では「フン王記念日」と呼ばれ、毎年旧暦3月10日に行われます。
フン王は、ベトナム建国の祖先として伝えられる存在です。
この日は、国の歴史を振り返り、祖先への感謝を表す大切な機会となっています。
特に北部のフート省にあるフン王廟では、参拝や伝統的な儀式が行われ、多くの人々が訪れます。
2026年のフン王記念日は4月26日(日)で、翌27日(月)は振替休日となりました。
日本の建国に関する記念日と似た側面もありますが、祖先を敬う文化が深く結びついているのが特徴です。
2. 中秋節|子どもたちが主役のお祭り
ベトナムの中秋節は「Tết Trung Thu(テト・チュン・トゥ)」と呼ばれ、旧暦8月15日に祝われます。
日本ではお月見をする季節ですが、ベトナムの中秋節は、子どもたちが楽しみにしている行事として知られています。
街には色鮮やかなランタンが並び、獅子舞の太鼓の音が響きます。
子どもたちは星形のランタンを持って歩いたり、家族と一緒に月を眺めたりします。
また、「Bánh Trung Thu(バイン・チュン・トゥ)」という月餅を食べる習慣もあります。
月餅には、緑豆や蓮の実、塩漬け卵黄など、さまざまな具材が使われています。
家族や友人、職場の同僚との間で月餅を贈り合うこともあり、人と人とのつながりを感じられる季節です。
ただし、中秋節は文化的に重要な行事であっても、法律で定められた全国共通の休日ではありません。
3. そのほかにも知っておきたい祝日
ベトナムには、歴史的な出来事を記念する祝日もあります。
例えば、4月30日は「南部解放・国家統一の日」、5月1日は「国際労働者の日」です。
この2つの祝日は連続しているため、週末と合わせてまとまった休暇になる年もあります。
また、9月2日は「国慶節(Quốc khánh)」です。
1945年9月2日にホー・チ・ミンが独立を宣言したことを記念する、ベトナムにとって重要な日です。
国慶節の時期には、街中に赤いベトナム国旗が掲げられ、お祝いの雰囲気が広がります。
こうした行事を知ることは、ベトナムの歴史や人々の価値観を理解するきっかけにもなります。
4. ベトナムの祝日は仕事のスケジュールにも影響する
日本とベトナムでは祝日の時期が異なります。
そのため、両国のメンバーが一緒に働くプロジェクトでは、休日の違いを事前に確認することが大切です。
特に注意したいのは、次の3つです。
① 祝日のカレンダーを共有する
ベトナムでは旧暦に基づく祝日があり、毎年の西暦の日付が変わります。
年間スケジュールを作成する際は、その年の正式な休日を確認しましょう。
② 連休前後の作業を調整する
連休中に確認や承認が必要な作業を予定すると、対応が遅れる場合があります。
重要なタスクは、できるだけ連休前に整理しておくと安心です。
③ 文化的な行事にも関心を持つ
法律上の休日ではなくても、家族との時間を大切にする行事があります。
相手の文化を理解し、休暇の希望などについて早めに話し合うことが、スムーズなチーム運営につながります。
まとめ
ベトナムの伝統行事には、祖先を敬う気持ちや家族とのつながり、国の歴史を大切にする文化が表れています。
テトだけでなく、フン王記念日や中秋節、国慶節などを知ることで、ベトナムという国をより身近に感じられるのではないでしょうか。
そして、文化を知ることは、単なる知識を増やすことだけではありません。
異なる国の人々と働くうえで、お互いを理解し、尊重するための第一歩にもなると思います。
参考資料:
・JETRO「ベトナムの祝祭日(2026年版)」
・ベトナム国家観光局「Vietnam's Magical Mid-autumn Festival」
・ベトナム政府「2026年フン王記念日の休日案内」