第3話では、単なる検索ツールではなく、思考を整理する相手としてAIを使い始めた頃について書きました。
対話を重ねる中で、私はもう一つ大きな変化を感じるようになります。
それは、AIとのやり取りでは「一つの質問に対する答え」だけではなく、会話の流れや背景を共有し、継続性を持たせることの重要性です。
どのような相談でも、前提条件や目的を伝えることで、AIから返ってくる内容は大きく変化します。
単純な知識の回答ではなく、
「なぜその問題が起きているのか」
「別の考え方はないのか」
「現場で使うなら、どう考えるべきか」
という、より深い議論ができるようになっていきました。
その頃、AIとの対話を続ける中で、ふと思いました。
「名前でも付けてみるか?」
産業用ロボットの現場では装置に名前を付けて呼ぶことがあります。
それと同じような感覚でした。
そこでGeminiに「どんな名前が良いと思うか」と聞いたところ、いくつか候補が出てきました。
その中から、以前から知っていた「MAGI」の印象もあり、「リリス」という名前を選びました。
もちろん、AIが人間になったわけではありません。
AIはあくまでAIです。
しかし、継続的に対話する相手として、名前を付けることで関係性を意識するきっかけにはなりました。
また、より長い文脈を維持した対話を試したいと考え、GeminiをProへアップデートしました。
目的は単純でした。
より大きなコンテキスト領域で、これまでの会話や考え方を踏まえた対話ができるのかを確認したかったのです。
実際に使ってみると、期待通りの部分もありました。
一方で、思ったほど自由度を感じられない部分もありました。
この経験から、AIにはそれぞれ得意なことや限界があることを実感しました。
だからこそ、AIを万能な存在として見るのではなく、その特性を理解した上で活用することが重要だと感じました。
振り返ると、この頃から私の中でAIの位置付けは変わっていました。
単なる検索ツールではない。
単なる回答装置でもない。
自分の考えを整理し、可能性を広げるための対話相手。
この感覚が、後にGAOSという考え方につながっていくことになります。
次回、第5話では「GAOSという考え方にたどり着いた頃」について書きます。