広島で原爆を体験したじいちゃんの記憶 81年目の夏を偲んで。

広島で原爆を体験したじいちゃんの記憶 81年目の夏を偲んで。

記事
学び


夏の光が、厳しく降りそそぐ朝でした。

じいちゃんが生きてきた時代は、戦火のただ中――軍国主義の時代。

若き日のじいちゃんは、騎兵隊に所属していました。馬にまたがり、国のために生きる日々。

ともに時を過ごした一頭の馬。その名は――「しくま号」。

言葉を交わすことはなくても、確かに心を通わせ、
運命をともにした存在でした。

けれど、じいちゃんは――戦争のことを多く語ることは、ありませんでした。

ただ、ひとつだけ。

毎年、8月6日が巡るたび、静かに広島へ足を運び続けていたのです。

語らない代わりに、その背中が、すべてを語っていました。

やがて月日が流れ、じいちゃんの体は、少しずつ弱くなっていきました。

そして、ある頃から――
「今日は……8月6日か?」

そう、毎日のように尋ねるようになりました。

記憶は、少しずつ薄れていっても――
それでもなお、消えることのなかった日。

それが、8月6日でした。

そして―― その年の、8月6日の朝。

じいちゃんは、畑で静かに倒れ、病院へと運ばれました。

まるで、あの日を迎えることを、ずっと待っていたかのように――
サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す