寒露の夜に、あの人へ連絡したくなる理由

寒露の夜に、あの人へ連絡したくなる理由

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10月8日は、寒露(かんろ)です。
二十四節気のひとつで、「草木に降りる露が、冷たく感じられるようになる頃」という意味があります。

朝晩の空気が変わり、夜が長くなる。
この時期になると、増えるご相談があります。

「急に、あの人のことを思い出すようになった」
「連絡したい。でも、送っていいのか分からない」
「何度も文面を書いては、消している」

もし今、あなたもそうなら、先にお伝えしておきます。
その気持ちは、あなたが弱くなったから湧いてきたのではありません。
季節が、そういう季節なのです。

■秋は「悲しみ」を受け持つ季節

陰陽五行では、世の中のものを木・火・土・金・水の五つの性質に分けて考えます。
五つはバトンを渡すように巡り、季節にもそれぞれ受け持ちがあります。

秋を受け持つのは、金(ごん)です。
実ったものを刈り取り、区切りをつける性質(収穫・けじめ)。
そして感情の中では、「悲しみ」を受け持つとされています。

にぎやかだった夏が終わる。
刈り取られたあとの田に、何もない空間が生まれる。
その空白に、人は失ったものを重ねます。

寒露は、この金の気が深まり、冬に向かって静まっていく入口です。
心が外より内へ向かいやすくなり、過去の記憶がふいに手触りを持って戻ってくる。

夏のあいだは平気だったのに、今になって急に苦しい。
それは、まだ気持ちが残っているということでもあり、
季節の流れが、悲しみを表に押し上げているということでもあります。

■露は、見えなかったものが形になったもの

露は、空気の中にもともとあった水分が、冷えることで粒になったものです。
新しく生まれたわけではありません。
ずっとそこにあったものが、見えるようになっただけです。

この時期に湧いてくる「連絡したい」という気持ちも、同じです。
今つくられた気持ちではなく、ずっと抱えていたものが、冷えた空気の中で形になった。

ですから、打ち消す必要はありません。
「もう忘れたはずなのに」と自分を責めなくていい。
ただ、形になったからといって、すぐに外へ出す必要もありません。

■送る前に、ひとつだけ確かめること

送るかどうか迷ったら、こう自分に聞いてみてください。

「この連絡で、私は何を受け取りたいのか」

返事が来れば、少し楽になれる。
既読がつけば、まだつながっていると思える。
もしそうなら、その連絡は「寂しさを埋めるための連絡」です。

寂しさからの連絡が、悪いわけではありません。
ただ、相手の返事ひとつで気持ちが大きく揺れる状態で送ると、
返事がなかったとき、素っ気なかったときに、今より深く沈みやすくなります。

一方で、
「返事がなくても、自分の気持ちに区切りをつけたい」
「伝えそびれた感謝を、見返りを求めずに伝えたい」
そう思えるなら、その連絡は関係を動かす一手になり得ます。

違いは文面ではありません。
送ったあとの自分を、自分で支えられるかどうかです。

■寒露からの過ごし方

金の季節は、刈り取りとけじめの季節です。
焦って種をまくより、手元にあるものを整えるほうが流れに合っています。

一、夜に書いた文面は、朝まで寝かせる
夜は昼より、気持ちが内へ向かいやすい時間です。
書きたくなったら送らずにメモへ残し、翌朝読み返して、それでも送りたい言葉だけを残してください。

二、寝る前のスマートフォンを短くする
相手のSNSや、過去のやり取りを見返す時間を、少しだけ減らす。
金の気が強い時期は、見るほど悲しみのほうへ引っ張られます。

三、朝、窓を開けて深く息を吸う
五行では、金は呼吸も受け持ちます。
冷たい朝の空気を三回、ゆっくり吸って吐く。滞った気を入れ替える、いちばん手軽な方法です。

■それでも分からないこと

自分の気持ちは、ここまでで整えることができます。
けれど、どうしても自分ひとりでは分からないことが残ります。

あの人が今、何を思っているのか。
連絡が来ないのは、もう気持ちがないからなのか、言い出せないだけなのか。

ここは、ひとりで考えるほど答えが遠のくところです。
しかも秋の夜は、想像が悪いほうへ膨らみやすい。

相手の側で起きていることについては、以前の記事「連絡が来ない時、相手の中で起きていること」にも書いています。
よろしければ、あわせてお読みください。

露は、日が昇れば消えます。
けれど消える前に、確かに草木を潤しています。

今あなたの中で形になった気持ちも、ただの痛みで終わらせる必要はありません。
それが何を教えてくれているのかを、落ち着いて見てあげてください。

冷えた夜に、あなたがひとりで沈みすぎませんように。

玄征

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