Webサイトを見たあと、「最初に見たキャッチコピーは覚えているけれど、途中の内容はあまり覚えていない……」という経験はありませんか?
実は、人間の記憶には、情報が提示される順番によって覚えやすさが変わるという特徴があります。
今回は、心理学の「シリアルポジション効果(系列位置効果)」について、Webデザインでの活用例とともに分かりやすくご紹介します。
## シリアルポジション効果とは?
シリアルポジション効果とは、複数の情報を順番に見たり聞いたりしたとき、**最初と最後の情報が比較的記憶に残りやすい**という心理現象です。
例えば、10個の単語を順番に覚えてもらい、あとから思い出してもらう実験では、真ん中の単語よりも最初や最後の単語が思い出されやすい傾向が見られます。
この効果には、大きく分けて2つの特徴があります。
### ① 初頭効果(Primacy Effect)
最初に提示された情報が記憶に残りやすくなる現象です。
最初の情報は、後から提示される情報よりも繰り返し頭の中で確認する機会が多く、長期記憶に残りやすいと考えられています。
例えば、初めて訪れたWebサイトで、
「使う人を考えた、やさしいWeb制作。」
というキャッチコピーが最初に目に入ったら、そのサイトに対する印象をつくるきっかけになります。
### ② 新近効果(Recency Effect)
最後に提示された情報が記憶に残りやすくなる現象です。
最後に見た情報は、直後であれば短期的に思い出しやすい傾向があります。
例えば、サービスの説明を読み終えたあと、最後に
「まずはお気軽にご相談ください」
というメッセージがあれば、その言葉が印象に残る可能性があります。
ただし、時間が経過したり、別の情報が入ったりすると、新近効果は弱まることがあります。
## Webデザインではどう活用できる?
シリアルポジション効果は、Webサイトの情報を配置する順番を考えるうえで参考になります。
### 1. ファーストビューに大切なメッセージを置く
Webサイトを開いて最初に見える部分を「ファーストビュー」と呼びます。
ここには、サイトの目的やサービスの魅力を簡潔に伝える言葉を配置することが大切です。
例えば、不動産売却のLPなら、
「大切な不動産を、納得できる価格で。」
といったメッセージを最初に見せることで、サービスの方向性を伝えられます。
### 2. 最後に行動につながる案内を配置する
サービスの説明を読み終えたユーザーに対して、最後にお問い合わせや無料相談の案内を設置する方法があります。
例えば、
「不動産売却について、まずは無料でご相談ください」
というメッセージとともに、お問い合わせボタンを配置します。
最後に伝えたい情報を整理することで、ユーザーが次に何をすればよいのか分かりやすくなります。
ただし、CTA(行動を促すボタン)の効果は、記憶だけでなく、ユーザーの関心や配置、視認性などにも左右されます。
### 3. 大切な情報を真ん中に埋もれさせない
Webサイトでは、サービスの特徴や料金、実績など、多くの情報を掲載することがあります。
しかし、重要な情報をただ並べるだけでは、十分に印象に残らないかもしれません。
そんなときは、
- 見出しを付けて情報を整理する
- 背景色や余白で重要な内容を目立たせる
- 図やアイコンを使って分かりやすくする
- 必要に応じて重要なメッセージを繰り返す
といった工夫が役立ちます。
## 最初と最後だけを重視すればいいの?
ここで注意したいのが、**シリアルポジション効果は「真ん中の情報が必ず忘れられる」という意味ではない**ことです。
実際のWebサイトでは、ユーザーが必ずしも上から順番にすべて読むとは限りません。
途中から読み始めたり、必要な情報だけを探したりすることもあります。
また、強い興味を持った情報や、目立つデザインで示された情報は、掲載位置にかかわらず記憶に残る場合があります。
そのため、シリアルポジション効果は絶対的なルールではなく、情報設計を考えるためのヒントとして活用するのがおすすめです。
## まとめ|情報は「何を伝えるか」だけでなく「どの順番で伝えるか」も大切
シリアルポジション効果は、最初と最後に提示された情報が比較的記憶に残りやすいという心理現象です。
Webデザインでは、ファーストビューで何を伝えるか、最後にどんなメッセージを残すかを考えるきっかけになります。
もちろん、途中の情報も大切です。
重要なのは、ユーザーが必要な情報を見つけやすく、内容を理解しやすい構成にすること。
**「何を伝えるか」だけでなく、「どの順番で伝えるか」。**
そんな視点を持つことで、Webサイトの情報設計が少し変わってくるかもしれません。