本日は色彩検定1級の内容から、**「色覚の段階説」**について勉強していきます。
色覚について学習していると登場するのが、
「三色説」と「反対色説」
という2つの考え方です。
名前だけを見ると、
「どちらが正しいの?」
「まったく別の説なの?」
と思ってしまいますよね。
実はこの2つは、どちらか一方だけが正しいというものではありません。
人間が色を感じるまでにはいくつかの処理段階があり、それぞれ異なる段階の仕組みを説明していると考えることができます。
今回は、この2つを組み合わせた「色覚の段階説」を整理してみます。
■ そもそも「色覚の段階説」とは?
私たちの目に光が入ってきたとき、すぐに脳が「これは赤」「これは青」と判断しているわけではありません。
光の情報は、
光を受け取る
↓
網膜で情報を処理する
↓
神経を通して情報が伝わる
↓
色として知覚する
というように、段階的に処理されています。
この仕組みを説明するために重要なのが、
三色説 + 反対色説
です。
■ ① 三色説とは?
まずは「三色説」から見てみましょう。
人間の網膜には、明るいところで色を感じるために働く**錐体(すいたい)**という視細胞があります。
錐体には、
S錐体
M錐体
L錐体
という3種類があります。
それぞれ異なる波長域に対して感度を持っていて、3種類の錐体の反応の組み合わせによって、さまざまな色を感じるという考え方が三色説です。
覚え方のポイント
S・M・Lは、
S:Short(短波長)
M:Medium(中波長)
L:Long(長波長)
と覚えると分かりやすいです。
単純に「青・緑・赤を感じる細胞」と考えるよりも、それぞれ短・中・長波長域に感度を持つ錐体と理解しておくと正確です。
■ ② 反対色説とは?
次に登場するのが反対色説です。
反対色説では、色の情報を対になる関係として処理すると考えます。
代表的なのが、
赤 ⇔ 緑
黄 ⇔ 青
そして、
明 ⇔ 暗
という組み合わせです。
たとえば赤と緑は、それぞれ完全に独立して処理されているのではなく、「赤-緑」という対立する関係の信号として処理されると考えます。
「赤っぽい緑」や「青っぽい黄」という色を想像するのが難しいことも、この反対色的な仕組みを考えるヒントになります。
■ ③ 三色説と反対色説、どちらが正しい?
ここが今回の一番大切なところです。
結論は「どちらも重要」です。
三色説と反対色説は、同じ段階について争っている考え方ではありません。
人間の色覚を、
最初の段階
S・M・L錐体が光を受け取る
↓
次の段階
錐体から得た情報を比較・組み合わせる
↓
さらに
赤-緑、黄-青などの反対色的な信号として処理する
↓
最終的に
色として知覚する
という流れで考えると理解しやすくなります。
つまり、
三色説 → 光を受容する段階
反対色説 → その情報を神経系で処理する段階
という関係です。
これが色覚の段階説の重要な考え方です。
■ ④ なぜ2つの説が必要なの?
三色説だけでも、3種類の錐体によって多くの色を感じ分けられることは説明できます。
しかし、人間の色の見え方には、それだけでは説明しにくい現象もあります。
その代表例のひとつが補色残像です。
たとえば、ある色をしばらく見続けたあと白いところを見ると、元の色とは異なる色が見えることがあります。
こうした現象を考えるときには、色を対立する関係として扱う反対色説が重要になってきます。
三色説と反対色説を組み合わせることで、人間の複雑な色覚をより説明しやすくなるというわけです。
■ 色彩検定1級では「流れ」で覚える!
色彩検定1級の勉強では、単語だけを別々に暗記すると混乱しやすいところです。
そこでおすすめなのが、
「三色説 → 反対色説 → 段階説」
というつながりで覚えること。
三色説
S・M・Lの3種類の錐体
↓
光を受け取る
反対色説
赤-緑/黄-青/明-暗
↓
情報を対立する信号として処理する
段階説
三色説と反対色説を組み合わせる
↓
人間の色覚を段階的な情報処理として捉える
こうして流れで整理すると、「三色説と反対色説の違い」だけではなく、なぜ両方を勉強するのかも分かりやすくなります。
■ まとめ
今回は、色彩検定1級の内容から**「色覚の段階説」**についてまとめました。
最初は、
「三色説と反対色説、結局どっちが正しいの?」
と思いやすいのですが、大切なのはどちらか一方を選ぶことではありません。
目に入った光を3種類の錐体が受け取り、その情報がさらに神経系で反対色的に処理されていく。
つまり、
三色説 + 反対色説
= 色覚を段階的に説明する
と考えると、かなり分かりやすくなります。
色彩検定1級は専門的な内容も多いですが、一つひとつを単独で暗記するのではなく、「どうつながっているのか」を意識して勉強すると理解しやすくなりますね!