芸能人や著名人の不倫報道が出るたびに、SNSには同じ言葉が並びます。
「なんで結婚したの?」
「最初から結婚しなければよかったのに。」
「結婚した以上、裏切るなら離婚してからにすればいい。」
私は、この意見を否定するつもりはありません。
むしろ、その通りだと思う部分もあります。
結婚とは、お互いに「この人と人生を歩んでいこう」と約束することです。
その約束を破る行為が不倫なのですから、「なんで結婚した?」という疑問が出るのは自然でしょう。
でも、私は不倫のニュースを見るたびに、別のことも考えます。
本当に人は、「不倫するつもり」で結婚しているのでしょうか。
きっと違います。
結婚式で永遠の愛を誓った人も、プロポーズをした人も、された人も、その瞬間は本気だったはずです。
「この人と幸せになりたい。」
そう思って結婚した人がほとんどでしょう。
では、なぜ不倫は起きるのでしょうか。
私は、その答えは一つではないと思っています。
結婚生活が長くなるにつれて、恋愛感情は少しずつ形を変えていきます。
仕事に追われる日々。
子育て。
介護。
お金の悩み。
会話が減ることもあります。
相手に感謝を伝えなくなることもあります。
寂しさを抱える人もいます。
もちろん、それらは不倫を正当化する理由にはなりません。
苦しいからといって、約束を破っていいことにはならないからです。
しかし、人はいつも理性だけで生きられるほど強くありません。
誰かに認められたい。
必要とされたい。
もう一度、ときめきを感じたい。
そんな弱さを持っているのも、人間です。
だから私は、不倫の本質は「恋愛」ではなく、「弱さ」と「選択」だと思っています。
誘惑は誰にでも訪れるかもしれません。
でも、その誘惑にどう向き合うかは、自分で決められます。
「誰にもバレない。」
「今回だけ。」
「家庭は壊さない。」
そんな自分への言い訳を積み重ねた先に、不倫があります。
そして、その代償は想像以上に大きいものです。
配偶者の信頼を失う。
子どもが傷つく。
親や友人との関係が変わる。
仕事にまで影響が及ぶこともあります。
たった一つの選択が、多くの人の人生を変えてしまいます。
だから私は、不倫を擁護することはできません。
一方で、不倫をした人を「最低な人」の一言で終わらせることにも違和感があります。
ニュースで報じられるのは、人生のほんの一場面です。
そこに至るまでの夫婦の歴史や、本人の葛藤、家庭の事情は、当事者にしか分かりません。
もちろん、それを理由に責任が消えるわけではありません。
それでも、私たちは結果だけを見て、人をすべて理解した気になっていないでしょうか。
「なんで結婚した?」
その問いは間違っていません。
でも、私はもう一つの問いも必要だと思います。
「なぜ、人は約束を破ってしまうのか。」
その答えを考えることは、不倫を許すためではありません。
自分自身が同じ過ちを繰り返さないためです。
人は誰でも弱さを持っています。
だからこそ、本当に大切なのは「弱さがないこと」ではありません。
弱さがあっても、自分の選択に責任を持つこと。
結婚生活も同じです。
愛情だけでは続きません。
信頼、誠実さ、思いやり、そして毎日の小さな選択の積み重ねで成り立っています。
不倫のニュースを見るたびに、「なんで結婚した?」という声が上がります。
その言葉は正しいのかもしれません。
でも私は、その一歩先まで考えられる人でありたい。
不倫は、人の弱さを映し出す鏡です。
だからこそ、ニュースを見るたびに問いかけたい相手は、不倫をした誰かだけではありません。
「もし自分だったら、約束を守り続けられるだろうか。」
その問いから目を背けないことが、他人を批判するよりもずっと意味のあることだと、私は考えています。