ダイヤを選ぶとき、最初に鑑定書を見る人は多いと思います。
一般に鑑定書と呼ばれるダイヤのグレーディングレポートには、カラー、クラリティ、カット、カラットなどが記載されています。
数字や評価で比較しやすく、品質を確認するための大切な資料です。
ただ、私なら最初に実物を見て、その後に鑑定書を確認します。
■ まずは条件の近い2石を比べてみる
同じようなサイズと価格のダイヤを2石並べてもらい、最初は鑑定書を見ずに比べてみます。
・どちらが明るく見えるか
・どちらの輝きが好きか
・色の違いを感じるか
・内包物が肉眼で気になるか
難しく考える必要はありません。「何となくこちらが好き」でも十分です。
GIAの標準的なラウンドブリリアントのカット評価でも、一つの評価の中に複数のプロポーションが含まれ、正面から見た印象にも幅があります。鑑定書は重要ですが、見たときの印象をすべて表すものではありません。
■ 違いが分からなければ、それも答えになる
例えば、クラリティがVSとSIの2石を比べても、肉眼では違いが分からないことがあります。
その場合、高いクラリティを選ぶことだけが正解ではありません。差を感じないのであれば、その予算をダイヤの大きさやデザイン、地金などに使うこともできます。
反対に、わずかな違いでも一方が明るく見えたり、透明感が好みに合ったりすることもあります。その違いにお金を使うのも、もちろん間違いではありません。
大切なのは、評価が高い方を自動的に選ぶのではなく、自分がその違いに価値を感じるかを確かめることです。
■ 鑑定書は答えではなく、確認に使う
実物を比べた後で鑑定書を見ると、自分が何に反応したのかを確認できます。
・大きく見えたのはカラットやプロポーションの違いか
・明るく感じたのはカットの違いか
・色味が気になったのはカラーの差か
・内包物の位置や見え方に違いがあるか
鑑定書は、ダイヤの品質を客観的に確認するための重要な資料です。
ただし、そこに書かれた評価だけで、自分にとっての満足まで決まるわけではありません。
■ 発行機関も確認する
ダイヤの品質評価は、それぞれの鑑定機関が定めた基準や検査方法に沿って行われます。
ただし、すべての鑑定機関が同じ基準や運用で評価しているとは限りません。
同じカラット、カラー、クラリティと記載されていても、次の点まで同じとは限りません。
・内包物の位置
・プロポーション
・研磨や対称性
・輝き方
価格を比較するときは、評価の数字だけでなく、どの鑑定機関が発行したものか、実物がどのように見えるかも確認することが大切です。
■ 鑑定書がないダイヤは選ばない方がよい?
小さなダイヤや価格を抑えたジュエリーでは、一石ごとの鑑定書が付かないこともあります。
鑑定書がないからといって、すぐに品質が悪いとは限りません。
ただし、高額なダイヤを選ぶ場合や品質を重視する場合は、信頼できる鑑定機関の資料があることで、購入前の比較や購入後の確認がしやすくなります。
鑑定書の有無だけでなく、次の点も販売店へ確認すると安心です。
・天然ダイヤかラボグロウンダイヤか
・処理が行われているか
・品質についてどこまで説明があるか
・購入後に確認できる記録が残るか
■ あなたなら、どちらを選びますか?
同じ予算で、一方は少し小さいけれど評価が高い。もう一方は評価を少し抑え、その分だけ大きい。
実際に見て違いが分からなかった場合、どちらを選ぶでしょうか。
小さくても評価の高さに安心を感じる人もいれば、見た目の存在感を大切にする人もいます。どちらが正しいということではありません。
ダイヤを選ぶときは、鑑定書を見る前に一度、自分の目で比べてみる。
その後で発行機関や評価、価格を確認すると、数字だけでは見つけにくかった「自分が大切にしたいもの」が見えてきます。
鑑定書や候補写真を見ても違いを整理しにくい場合は、写真や資料から確認点と比較する順番を整理する相談もできます。
作りの良さは、バランスに出ます。
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