ラボグロウンダイヤモンドの海外事情|アメリカ市場とGIAの評価変更

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アメリカでは、ラボグロウンダイヤモンドを選ぶ人が急速に増えています。

ただし、「海外ではラボが普通」「天然ダイヤは選ばれなくなった」と単純に捉えるのは早いでしょう。

市場調査の対象や年代によって数字は変わり、天然ダイヤとラボグロウンダイヤでは、選ばれる理由も異なります。

今回は、アメリカの婚約リング市場とGIAの評価制度変更から、ラボグロウンダイヤの現在地を整理します。

■ アメリカではラボグロウンダイヤが多数派に

アメリカの結婚情報サイトThe Knotの2026年調査では、2025年に結婚した米国カップルの61%が婚約リングのセンターストーンにラボグロウンダイヤを選んだとしています。

同調査では、2024年は52%、2019年は12%でした。

これはアメリカの婚約者を対象にした調査結果であり、アメリカのダイヤ市場全体や日本の普及率を示す数字ではありません。

それでも、婚約リングの選択肢としてラボグロウンダイヤが一部の特別な商品ではなくなっていることは読み取れます。

■ 選ばれる背景には価格と大きさがある

ラボグロウンダイヤは、同程度の大きさや品質条件で比べた場合、天然ダイヤより購入価格を抑えやすい傾向があります。

そのため、同じ予算でも次のような選択がしやすくなります。

・センターストーンを大きくする
・カラーやクラリティの条件を上げる
・脇石やデザインへ予算を配分する
・リングの地金量や構造へ予算を残す

The Knotの2026年の記事では、平均カラット重量はラボが2.0ct、天然が1.6ctと報告されています。

大きさだけが満足を決めるわけではありませんが、限られた予算の中で見た目のボリュームを選びやすいことは、普及を後押ししている理由の一つです。

■ ラボグロウンダイヤの価格は変化しやすい

ラボグロウンダイヤは工場で製造されるため、技術の進歩や生産量、販売競争の影響を受けます。

生産効率が上がり、流通量が増えれば、同じような条件の商品価格が下がることがあります。

これはダイヤとしての硬さや輝きが低下したという意味ではありません。宝石としての性質と、市場での販売価格は分けて考える必要があります。

購入時には、将来の価格維持を前提にするより、現在の予算で得られる大きさ、品質、デザインへ納得できるかを確認します。

■ GIAはラボグロウンダイヤの評価方法を変更した

GIAは2025年10月1日から、無色からニアカラーのラボグロウンダイヤについて、天然ダイヤに使うカラー・クラリティの細かな等級表記ではなく、「Premium」と「Standard」による総合評価へ変更しました。

評価には、カラー、クラリティ、カット、研磨、対称性などが使われます。GIAの基準でStandardに達しないものには、この評価は発行されません。

対象は、0.15ct以上のルースのラボグロウンダイヤです。評価されたダイヤのガードルには、「Laboratory-Grown」の文字と評価番号がレーザー刻印されます。

■ GIAの変更は「ラボの品質が悪い」という意味ではない

GIAは、流通するラボグロウンダイヤの多くが、カラーとクラリティの狭い範囲へ集中していることを変更理由に挙げています。

天然ダイヤは、自然の中で生まれた個体差を細かな等級で比較します。一方、製造されるラボグロウンダイヤは、一定以上の品質へ集まりやすくなっています。

そこで、同じ4C表記をそのまま使い続けるのではなく、起源の違う商品として評価の伝え方を分けたと考える方が分かりやすいでしょう。

評価制度の違いは、天然とラボのどちらが上かを決めるものではありません。

■ 日本で選ぶときは海外の数字だけで決めない

アメリカで選ぶ人が増えていても、日本で同じ条件の商品や説明、アフターサービスが受けられるとは限りません。

購入前には、次の点を確認します。

・ラボグロウンであることが明確に表示されているか
・評価書の発行機関と評価方式は何か
・CVDまたはHPHTなど、成長方法の説明があるか
・購入後のサイズ直しや石ゆるみ点検に対応するか
・センターストーンと脇石の起源が明確か
・価格が変化する可能性を理解したうえで納得できるか

海外で普及しているから選ぶのではなく、自分が価格、大きさ、起源、希少性のどこに価値を感じるかで判断します。

■ ラボグロウンダイヤは、選択肢として定着し始めている

アメリカの婚約リング市場では、ラボグロウンダイヤが多数派となる調査結果が出ています。

同時に、GIAは天然ダイヤと同じ評価表記を続けるのではなく、ラボグロウンダイヤ専用の評価方法へ移行しました。

普及が進むほど、天然との違いがなくなるのではなく、起源や評価方法、価格の考え方を分けて理解することが重要になります。

作りの良さは、バランスに出ます。

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