セラー業務支援室です。
私は医薬品メーカーで30年間、営業事務として働いています。
先日、テレビで「AIエージェント」について特集が組まれていました。
資金力のある企業では、すでにAIエージェントを業務に取り入れ始めているところも多いでしょう。
今回は、AIが本格的に普及したとき、現場でどのような変化が起きるのか、私が感じていることを書きたいと思います。
■AIエージェントとは
例えば「東京へ出張に行きたい」と指示すると、
AIが自分の予定を確認し、最適な日程を提案します。
その日程で問題ないと指示すれば、航空券や新幹線の手配、
ホテル予約まで一括で完了します。
また「今、牛丼が食べたい」と伝えると、
AIが宅配サービスに注文し、
登録しているクレジットカードで決済し、
配達まで進めてくれます。
こうした“指示だけで一連の作業が完結する”のがAIエージェントの特徴です。
■電話からFAX、FAXからメールへ、紙からデータへ、
私が社会人になりたての頃、
営業事務の正社員は10人ほどいました。
しかし現在は3人。
事業内容の拡大で商品数(カテゴリー)は増えているにもかかわらず、
人員は減っています。
その背景には、業務のデジタル化があります。
• 電話注文がFAX注文へ
• FAX注文がメール注文へ
• 紙の資料作成が、CSVデータを関数で抽出するスタイルへ
• 請求書の郵送が、メール送付やサイトからのダウンロードへ
こうした変化によって、作業時間が短縮され、人員削減が進んできました。
つまり、業務の「方法」が変わるたびに、必要な人数が減ってきたということです。
■営業事務はAIに置き換わる
もし企業がAIエージェントを基幹システムと連携させるようになれば、
営業事務の多くの業務はAIに置き換わる可能性があります。
資料作成・議事録作成はAIが自動化し、
受注から入金までのルーチン業務はAIエージェントへの指示で完結するようになると、
営業事務の仕事はさらにAIに奪われていくと感じています。
大手システム会社がこの分野に参入し、
AIエージェントが企業向けに低価格で提供されるようになれば、
「人が行う作業」はますます減っていくのではと、
先日のテレビを見て、そう感じました。
■営業事務の今後
緊急時の電話対応など、人が担う部分は当面残るでしょう。
また、AIが行った処理をチェックしたり、
複数の選択肢から最適な判断を下す仕事は、
しばらく人が担うはずです。
例えば
• 商品出荷時のロット判定
• 同一企業から同日に複数の入金があった場合の計上判断
こうした業務は、マニュアルだけでは判断できず、一定の経験が必要です。
では、
そのたびに上長へ確認するのか。
あるいは、営業担当者が営業事務の役割を担い、
営業事務という職種そのものが営業の一部に吸収されていくのか。
それとも、AIが判断できるようになるまでルールを細分化していくのか。
現場では、こうした判断が問われる仕事だけが残り、判断の質が評価されるようになるのでしょう。
その“判断の質”は誰が担い、誰がそのための経験を積むのか。
もし、その判断を営業担当者が行うようになるのでは、と考えると
営業事務は、営業の仕事の一部へと組み込まれていき、
ゆくゆくは“営業事務職”という職種がなくなる未来が来るのではないか。
長年営業事務として働いてきた私としては一抹の寂しさを感じるこの頃です。