マイソク(販売図面)を作る側が、載せ忘れを拾うための点検表です。根拠は不動産公正取引協議会連合会の「不動産の表示に関する公正競争規約」と「同施行規則」(2022年9月1日変更版)で、必要な表示事項は施行規則第4条が指す別表に一覧があります。中古マンションは別表7、中古戸建(中古住宅)は別表5、土地(売地)は別表3です。
別表の表示事項には、インターネット広告・新聞折込チラシ等・新聞雑誌広告の3つの媒体ごとに○が付いています。販売図面がどの媒体に当たるかは規約に書かれていません。お客様に手渡しや配布をすることが多いので、ここでは作る側の目安として「新聞折込チラシ等」の列を基準にし、インターネット広告だけに付く項目は別に書きます。
1. 広告主の欄(3種別とも共通)
・名称または商号
・事務所の所在地
・事務所の電話番号
・宅建業法の免許証番号
・所属団体名と、公正取引協議会の加盟事業者である旨
・取引態様(売主・代理・媒介(仲介)の別)
取引態様は施行規則第9条(1)で「売主」「貸主」「代理」「媒介」(「仲介」)の語をそのまま使うことになっています。「仲介物件」のような曖昧な書き方は避けます。
2. 所在地と交通(3種別とも共通)
・物件の所在地は、町または字の名称まで(別表3・5・7は地番の表示が不要。施行規則第9条(2))
・交通の利便。最寄駅の名称と、物件から駅までの徒歩所要時間(施行規則第9条(3))
・徒歩時間は道路距離80メートルにつき1分で計算し、1分未満は切り上げ(施行規則第9条(9))
・バスを使うときは、駅名、バス停までの徒歩時間、バス停から駅までのバス時間の3つ
3. 面積と建物(種別で変わる)
中古マンション(別表7)
・建物の階数と、その住戸がある階
・専有面積
・バルコニー面積(チラシ等では必要。新聞雑誌広告では不要)
・建築年月
中古戸建(別表5)
・土地面積と私道負担面積
・建物面積
・連棟式建物ならその旨
・建築年月
土地(別表3)
・土地面積と私道負担面積
・地目と用途地域
・建ぺい率と容積率(容積率の制限があれば、その内容)
・都市計画法その他の法令に基づく制限(宅建業法施行令第3条に定めるもの)
面積の書き方は施行規則第9条で決まっています。メートル法で書き、1平方メートル未満は切り捨てて書いてもよいことになっています((13))。土地は水平投影面積((14))、建物は延べ面積で、車庫や地下室を含むときはその旨と面積を書きます((15))。地目は登記簿のものを書き、現況と違えば現況を併記します((19))。
4. 価格と毎月の費用
・価格(3種別とも)。住宅の価格は1戸あたりで、消費税等を含んだ額(施行規則第9条(38))
・共用施設や特別の施設の負担金・維持管理費があるときは、その旨と額(3種別とも)
・中古マンションは管理費と修繕積立金等、管理形態と管理員の勤務形態(別表7の16・17)
・管理費と修繕積立金は1戸あたりの月額。予定額ならその旨(施行規則第9条(41)(43))
5. 権利関係
・借地ならその旨。借地権の種類・内容・借地期間、保証金や敷金が要るときはその旨と額(3種別とも)
・戸建と土地は、1か月あたりの借地料も(別表3の14、別表5の16)
6. 期限と日付
・取引条件の有効期限は、新聞折込チラシ等の列だけに○が付いています(別表3の15、別表5の18、別表7の18)
・情報公開日(または直前の更新日)と次回の更新予定日、引渡し可能年月は、インターネット広告の列だけに○です。紙の販売図面には求められていませんが、同じデータをネット掲載にも使うなら入れておくと作り直しが要りません
7. 特定事項(当てはまるときだけ、見やすく書く)
規約第13条と施行規則第7条が定める事項です。土地と戸建で出てきやすいものを挙げます。
・セットバックを要する部分を含む土地はその旨。おおむね10%以上なら面積も(第7条(2))
・建築基準法第42条の道路に2メートル以上接していない土地は「再建築不可」または「建築不可」((4))
・市街化調整区域の土地は「市街化調整区域。宅地の造成及び建物の建築はできません。」と書き、チラシ等では16ポイント以上の文字((6))
・土地上に古家や廃屋があればその旨((7))
・路地状部分がおおむね30%以上ならその旨と割合または面積((8))
・傾斜地がおおむね30%以上ならその旨と割合または面積((9))
・擁壁のないがけの上または下ならその旨((11))
・高圧電線路下ならその旨とおおむねの面積((12))
8. 文字の大きさと図
規約の「見やすい大きさの文字」は原則7ポイント以上です(施行規則第8条)。注記や免許番号を小さく詰めがちなので、最後に確かめます。間取り図や完成予想図は、見取図である旨を明示して使います(施行規則第9条(23))。
作る側の点検の順番
上の1から8を、広告主の欄から順に埋めていくと、物件種別による抜けが拾えます。特に中古マンションの管理形態、戸建の私道負担、土地の建ぺい率・容積率は、元の資料に書かれていないことが多く、確認を戻す項目です。
ココナラの「マイソク制作工房」でも、納品前にこの表の項目が埋まっているかを確かめています。古い図面や手書きの間取りからの作成を3,000円から受けています。見本は全て架空の物件です。