前回の記事「うちの中古PC事業だけ、GoogleにもどのAIにも存在しないことになっていた」
の続きです。4回シリーズの第2回になります。
前回は「そもそも見つかるかどうか」という話でした。robots.txtとsitemap.xmlに抜けがあって、中古PC事業のページ群がGoogleのクローラーからもAI検索からも同時に見えなくなっていた、という話です。
今回はその一段先です。見つかること自体はクリアできたとして、次に問題になるのは「見つかった後、どう紹介されるか」です。これも自分の会社のサイトを実際に診断してわかったことなので、そのまま書きます。
見つかることと、正しく紹介されることは別の問題
自分のサイトのAI開発事業のページは、検索経由の流入もそれなりにあります。見つかるという意味では問題ありません。ところが知人が作っている診断ツールにかけてみたところ、思っていたより低いスコアが出た項目がありました。
診断は大きく分けて、技術的な設定、地域・業種の位置づけ、外部からの評価・一貫性という項目を見ています。結果はこうでした。
- 技術まわりの設定: 3点満点中3点
- 地域・業種の位置づけ: 2点満点中2点
- 外部からの評価・一貫性: 3点満点中1点
技術と位置づけは満点です。自分でコントロールできる範囲は、ちゃんと詰めていたということになります。ところが外部からの評価・一貫性だけ、3点中1点しか取れていませんでした。この落差が、今回いちばん考えさせられた部分です。
サイトの中で、自分の会社の情報が割れていた
外部からの評価・一貫性を下げていた原因は、大きく2つありました。
1つ目は、代表者名と設立年の表記のズレです。会社の構造化データ(Organization schema)は、メインサイトと、後から作った事業用のページとで別々に持っていました。この2つを見比べると、代表者名の一部の字が異体字のような表記になっていて揃っていない箇所があり、設立年もメインサイト側は2022年、正しくは2024年、という食い違いがありました。どちらも人が読めば「まあ入力ミスだろう」で済む程度の差です。ただAIは、この2つの情報源を突き合わせて「事実が一致しない」と判断すれば、自信を持って紹介する材料にはできません。
2つ目は、外部アカウントとのつながりです。会社の公式LINE、LinkedIn、X、noteは以前からそれぞれ運用していましたが、サイト側からは「これは同じ会社・同じ本人のアカウントです」という宣言(sameAs)がきちんと設定されていませんでした。LINEとLinkedInは会社(Organization)側に、Xとnoteは代表者個人(Person)側に、それぞれ紐づけて宣言し直しました。この作業をして初めて、AIの側から見ても「この会社」と「この人」が、プラットフォームをまたいでも同一だと確認できる状態になります。
代表者名と設立年を揃え、sameAsを設定し直す。ここまでは、自分のサイトの中だけで完結する作業です。実際、この2つを直したことで、技術と位置づけの項目は満点になりました。
それでも1点しか取れなかった、外部からの評価
問題は、この2つを直しても「外部からの評価・一貫性」のスコアがほとんど動かなかったことです。理由は単純で、この項目が測っているのは自分のサイトの中身ではなく、サイトの外で自分の会社がどれだけ話題になっているか、だからです。
業界の一覧サイトに載っているか。誰かのブログやSNSの投稿で名前が出ているか。取引先や利用者が自然に言及しているか。こうした「外側の証拠」が、自分の会社にはほとんどありませんでした。技術的な設定をどれだけ完璧にしても、この項目だけは自分ひとりの作業では埋まりません。
正直、ここが今回の診断でいちばん堪えた部分です。自分で全部コントロールできる範囲は満点まで持っていけるのに、コントロールできない範囲だけが最低点のまま残る。AI検索エンジンからすれば、これは理にかなった判断です。ChatGPTにせよGeminiにせよPerplexityにせよCopilotにせよ、ある会社を自信を持って紹介するには、その会社の自己申告だけでなく、第三者が言及している痕跡が要ります。誰も口にしていない会社を、AIが積極的に推薦する理由がありません。
自分のサイトを整えることと、外で語られることは別の作業
前回の記事で書いた「見つかるかどうか」の問題は、robots.txtとsitemap.xmlという、自分のサイトの中だけで完結する作業で直りました。今回の「どう紹介されるか」の問題は、事実の一致とsameAsまでは自分のサイトの中で直せますが、外部からの評価だけは、サイトの外に働きかけない限り上がりません。
自分の会社のサイトで、ここまで綺麗に3つのスコアが分かれて出たのは、ある意味わかりやすい結果でした。もし今、自分の会社や事業について、SEOも構造化データも一通りやったはずなのにAI検索での紹介のされ方がいまひとつだと感じているなら、直すべき場所が自分のサイトの中ではなく外側にある可能性を、一度疑ってみてください。
まず、自分がどう見えているかを測るところから
▼AIO対策|ChatGPTに選ばれるよう対策します
今回の診断でわかったのは、技術的な対策と外部からの評価は、まったく別物として測る必要があるということでした。このサービスでは、貴社のサイトと、貴社について外部でどう言及されているかの両方を実際に測定し、1週間以内に具体的な改善ポイントをレポートにしてお渡ししています。
自分の会社のサイトでさえ、こうしたスコアの偏りが出ていました。他の事業者のサイトで同じ偏りが起きていても不思議ではありません。まずは現在地を数字で確認するところから始めてもらえればと思います。