前回の記事「SEOは頑張ってるのに、ChatGPTは競合を薦める。
その理由、測ったことありますか?」の続きです。
今回から4回に分けて、AI検索対策をもう一段深く掘り下げていきます。この第1回は理屈の説明ではなく、実際に自分の会社のサイトで起きていた出来事です。
きっかけは「アクセスはあるのに問い合わせが来ない」という相談だった
2026年8月22日ごろ、ある方から「サイトにアクセスは来ているのに、問い合わせにつながらない」という相談を受けました。答えるためには自分の頭の中の経験則だけで済ませず、実際のデータを見た方がいいと思い、自分が運営しているses-jv.jp(AI開発の会社サイト)をClarityとGoogleサーチコンソール(Windsor.ai経由)で洗い直してみることにしました。人の悩みに答えるつもりで、まず自分のサイトを疑ってみたわけです。
ses-jv.jpは1つの会社サイトの中に複数の事業を持たせています。AI開発の本体事業に加えて、中古PCの販売事業も`chuuko-pc/`というパスの下で動かしていて、社内では「R∞PC」という名前で呼んでいます。
出てきたのは、中古PC事業がまるごと消えていたという事実
サーチコンソールのデータを見ていくと、妙な偏りに気づきました。AI開発本体のページは検索経由の流入がそれなりにあるのに、中古PC事業のページだけがほとんど反応していません。試しに`robots.txt`と`sitemap.xml`を開いて確認したところ、理由はすぐに分かりました。
- `robots.txt`に`chuuko-pc/`のサイトマップが記載されていない
- `sitemap.xml`自体にも、そのページ群が含まれていない
- サイト内の他のページからも、`chuuko-pc/`へのリンクが1本も張られていない
つまりGoogleのクローラーから見ると、`chuuko-pc/`は最初から地図に載っていない場所でした。誰かがそのURLを直接打ち込まない限り、たどり着く経路がどこにもない。中古PC事業は、存在しないのと同じ扱いを受けていたことになります。
これは「ChatGPTの問題」ではなく「そもそも見つかるかどうか」の問題
前回の記事ではChatGPTを例に出しましたが、今回分かったことはChatGPT固有の話ではありません。ChatGPT、Gemini、Perplexity、Copilotといった各AI検索は、Googleの検索インデックスをそのまま使っているものもあれば、独自にサイトを読みに行くものもあります。ただ、どちらのタイプであっても、大元になるのは「そのページにたどり着けるかどうか」です。
`robots.txt`にサイトマップの記載がなく、`sitemap.xml`にも載っておらず、サイト内リンクも1本もない。この状態は、Googleの検索結果からも、どのAI検索の回答からも、同時に見えなくなる状態です。ChatGPTだけを気にして対策しても、この根っこの部分が塞がっていたら意味がありません。逆に言えば、ここさえ塞がっていなければ、AI検索対策の話はもっと先の工程から始められたはずでした。
直したのは、地味な2箇所だけ
原因が分かってしまえば、直す作業自体はそれほど大掛かりではありませんでした。
- `robots.txt`に`chuuko-pc/sitemap.xml`の記載を1行追加した
- 事業紹介ページ(`services.html`)に「R∞PC」を紹介するカードを新設し、`chuuko-pc/`へのリンクを張った
この2箇所を直して本番環境に反映しただけです。特別なツールも、高額な施策も使っていません。むしろ「なぜ今まで気づかなかったのか」と自分に呆れるくらい、単純な抜け漏れでした。
40年、5,000案件やってきても、この程度の見落としは起きる
自分の肩書きを持ち出すのは好きではありませんが、あえて書きます。この業界に40年いて、5,000件以上の案件に関わってきた自分の会社のサイトで、こんな基本的な見落としが起きていました。これは「素人だから」ではなく、複数の事業を1つのサイトにまとめると、こういう構造上の抜けが起きやすい、というだけの話です。だからこそ、自分の勘や経験則ではなく、実際にデータを測ってみることに意味があります。
もし今、自分のサイトの一部のページが検索からもAI検索からも反応が薄いと感じているなら、それは記事の量や表現の工夫では埋まりません。まず、そのページが地図に載っているかどうかを確認するところから始めてください。
まず、自分がどう見えているかを測るところから
▼AIO対策|ChatGPTに選ばれるよう対策します
今回の件で分かったのは、対策を打つ前に「そもそも今どう見えているか」を確認する工程を飛ばすと、直すべきでない場所を直して終わってしまう、ということでした。このサービスでは、貴社のサイトが検索エンジンとAI検索の両方からどう見えているかを実際に測定し、1週間以内に具体的な改善ポイントをレポートにしてお渡ししています。
自分の会社のサイトでさえ見落としが起きていたわけですから、他の事業者のサイトで同じことが起きていても不思議ではありません。まずは現在地を数字で確認するところから始めてもらえればと思います。