WordPressのホームページを動かしているPHPは、バージョンごとにサポートの期限があります。PHP 8.2は2026年12月31日でセキュリティサポートが終わる予定で、2026年11月7日時点で残り54日です。10月には重大な脆弱性の修正版も出ました。自分のサイトのPHPのバージョンを確かめ、修正版の確認と8.3以上への切り替えを計画しましょう。
PHP 8.2のサポート終了とは?10月に何があったのか
PHP公式サイトの表では、PHP 8.2は2022年12月8日に公開され、不具合も直す通常サポートは2024年12月31日に終了済みです。重大なセキュリティ修正だけを続けるセキュリティサポートは、2026年12月31日までとされています。
これとは別に、10月に大きな動きがありました。2026年10月21日、PHP公式は重大な脆弱性(ソフトウェアの弱点)2件を公表し、修正版のPHP 8.2.35・8.3.36・8.4.27・8.5.12を公開しました。認証(ログイン)なしで、遠隔からプログラムを実行される可能性がある弱点です。同じ日にWordPress公式サイトがPHPの更新を促すニュースを出し、10月22日にはJPCERT/CCとIPAも注意喚起を出しています。
JPCERT/CCは、悪用できると主張する実証コードが多数公開され、悪用を試みる通信を観測したとの報告も相次いでいると記しています。一方で、実際にプログラムを実行できるかは、PHPのバージョンや実行環境などの条件に依存するとも書いています。IPAの案内(11月2日更新)は、国内での攻撃被害の事例は把握していないとしています。
そもそもPHPとは?バージョンとサポート終了の意味
PHPは、ウェブ開発に向いたプログラム言語です(PHP公式サイトの説明)。サイトのデータを置いているコンピューター(サーバー)の中で動き、WordPressもPHPで作られています。PHPはサーバーに入っているので、レンタルサーバー(サーバー会社から借りるサーバー)なら、切り替えはサーバー会社の管理画面で行います。
PHPのバージョンは「8.2.35」のように書きます。前の「8.2」が系列、後ろの「.35」は、その系列の中で修正を重ねた版の番号です。サポートの期限は系列ごとに決まり、10月の脆弱性の対象かどうかは、後ろの番号で決まります。
PHP公式は、各系列を公開から4年支えます。最初の2年が、不具合も直す通常サポート。あとの2年が、重大なセキュリティ修正だけのセキュリティサポートです。4年が過ぎると「サポート終了(EOL)」になり、新しい弱点が見つかっても、PHP公式から修正が出なくなります。PHP公式サイトは、サポートが終わった系列は脆弱性にさらされるおそれがあるとして、更新を強く促しています。
セキュリティサポートが終わる日は、次のとおりです(PHP公式サイトの表、2026年11月7日時点)。
・8.1以下:すでに終了(8.1は2025年12月31日、8.0は2023年11月26日、7.4は2022年11月28日)
・8.2:2026年12月31日
・8.3:2027年12月31日
・8.4:2028年12月31日
・8.5:2029年12月31日
自分のサイトは対象?見分け方
PHPを自分で切り替えるのは、WordPressなどPHPで動くソフトを、自分で借りたサーバーに置いている場合です。ShopifyやWixのように、サーバーを自分で借りないサービスは、各サービスの案内に従ってください。
・レンタルサーバーを自分で契約し、WordPressを入れている:今やること①〜⑤を行います。
・制作会社や保守会社に任せている:担当者に聞きます(今やること⑥に文例)。
・VPS(自分専用に借りて自分で管理するサーバー):①〜⑤を自分で行います。エックスサーバーは、VPSには同社が修正を当てないため、利用者がPHPのバージョンを確かめ、必要に応じて修正版に更新するよう案内しています。
今やること6つ:確認から切り替えまで
WordPress公式サイト(日本語版)の「今すぐ PHP を更新」の流れに、前後の確認を足しました。(提案)と書いた部分は、公式の手順ではなく、準備としての提案です。作業が不安なときは、始める前に契約先のサーバー会社のサポートや、保守の担当者に相談してください。
① PHPのバージョンを見て、控える
WordPressの管理画面で「ツール」>「サイトヘルス」>「情報」タブを開き、「サーバー」欄の「PHP バージョン」を見ます。ダッシュボードに「PHP の更新が必要」「PHP の更新を推奨」の警告が出ることもあります。管理画面に入れないときは、サーバー会社の管理画面で見ます(ロリポップは[サーバーの管理・設定]→[PHP設定])。見つけたバージョンはメモに控えます。不具合のときに元へ戻すのに使います(提案)。
② 2つの点で急ぎ度を決める(線引きは提案)
1つ目は、10月の修正版になっているかです。修正版は8.2.35・8.3.36・8.4.27・8.5.12で、同じ系列でこれより前の番号なら対象です。JPCERT/CCは、十分なテストのうえで、修正済みのバージョンを速やかに適用するよう推奨しています。レンタルサーバーでは会社が更新済みのこともあるので、契約先のお知らせで確かめます。
2つ目は、サポートの期限です。
・8.1以下:すでにサポートが終わっています。修正版が提供されないため、JPCERT/CCはサポートされている系列への切り替えを推奨しています。
・8.2:2026年12月31日までに、8.3以上へ切り替えます。
・8.3以上:期限はまだ先です。8.3なら2027年12月31日をカレンダーに入れておきます。
③ バックアップを取り、WordPress本体・テーマ・プラグインを更新する
WordPress公式の手順では、まずサイトのバックアップを作ります。無料のバックアップ用プラグインが多くあります。次に管理画面の「ダッシュボード」>「更新」で、WordPress本体・テーマ(見た目を決める部品)・プラグイン(機能を足す部品)をすべて更新し、表示を確かめます。新しいPHPで問題が出るテーマやプラグインは、開発元に連絡するか、代わりを探すよう公式の手順にあります。
互換性を調べるプラグイン「PHP Compatibility Checker」は公式の手順で紹介されていますが、配布ページでは、もう積極的には保守されていないと警告されています。頼りすぎず、実際の表示でも確かめます(提案)。ロリポップのマニュアルは、PHPを変える前に、Snapupのステージング(テスト)環境で表示と動作を確かめる方法を案内しています。ロリポップ!優待価格で使える別のサービスなので、料金は案内のページで確かめてください。
④ サーバーの管理画面で8.3以上に切り替える
WordPress公式サイト(日本語版)が推奨するPHPは、バージョン8.3以上です。8.3・8.4・8.5のどれが合うかは、テーマやプラグインとの相性で変わるため、③の結果を見てサイトごとに選びます。
切り替えは、WordPressではなくサーバー会社の管理画面で、ドメイン(サイトの住所にあたる名前)ごとに行います。
・エックスサーバー:サーバーパネルの「PHP Ver.切替」で、対象のドメインを選んで変更します。
・ロリポップ:[サーバーの管理・設定]→[PHP設定]で変更します。反映まで5〜10分ほどかかります。
ほかのサーバー会社は、契約先のマニュアルで手順を確かめます。
⑤ 切り替えたあと、動きを確かめる(提案)
スマートフォンとパソコンで、次を確かめます。
・トップページと主なページの表示
・お問い合わせフォームのテスト送信
・WordPressへのログインと画像のアップロード
・ネットショップなら、商品ページとカート
うまく動かないときは、WordPress公式の手順では、PHPのバージョンを自分で戻すか、レンタルサーバー会社に相談して使っていたバージョンに戻し、次に取っておいたバックアップで元に戻します。
⑥ 制作会社や保守の担当者に任せている場合は、3つを聞く(提案)
・今のPHPはどのバージョンか(10月の修正版か)
・8.3以上へ、いつまでに、誰が切り替えるか
・今の保守費に含まれるか、別料金か
そのまま送れる文例です。「PHP 8.2が2026年12月31日でセキュリティサポート終了と知りました。当サイトのPHPは現在どのバージョンで、10月の脆弱性の修正版になっているでしょうか。8.3以上へ切り替える場合、いつまでに誰が行うか、保守費に含まれるかも教えてください。」
ホームページを作り直したい方や、文章ごと任せられる新しいサイトを考えている方には、MIROCANA ECのホームページ制作の出品があります。
よくある質問
Q:PHP 8.2のまま2027年を迎えるとどうなりますか。
A:2026年12月31日を過ぎると、PHP公式からセキュリティの修正が出なくなります。公式の資料が示しているのはここまでで、サイトの表示などへの影響は資料に例がありません。サーバー会社が独自に修正を当てるかどうかは、会社によって違います。
Q:サーバー会社がすでに直したと聞きました。自分では何もしなくていいですか。
A:今回の脆弱性について、エックスサーバーは共用サーバーのPHP 8.2〜8.5を同じ系列の修正版に更新し、急いでバージョンを変える必要はないと案内しています。ただし、利用状況によっては追加の対策をお願いする場合があるとも書いています。ロリポップは、8.1以下への対策は応急的だとして、8.2以降への切り替えを依頼しています。8.2は年内に期限が来るので、切り替えは別に計画します。
Q:WordPress本体の更新も必要ですか。
A:WordPress公式サイトのニュース(10月21日)は、今回のPHPの件でWordPressの更新は不要としつつ、サーバー会社の対応も確かめるよう書いています。WordPress 7.1.4(10月28日公開)は別のセキュリティリリースなので、管理画面の「更新」で確認します。
まとめ
・PHP 8.2のセキュリティサポートは2026年12月31日までと、PHP公式サイトの表に載っています(2026年11月7日時点)。終わると、新しい弱点にPHP公式の修正が出なくなります。
・期限とは別に、10月の脆弱性の修正版(8.2.35・8.3.36・8.4.27・8.5.12)以降になっているかを、契約先のお知らせなどで確かめます。
・WordPress公式サイトの推奨は8.3以上です。どのバージョンが合うかは、テーマやプラグインとの相性があるため、サイトごとに確かめます。
・切り替えの前にバックアップを取り、切り替えたあとはフォームやログインの動きを確かめます。
・ShopifyやWixなど、サーバーを自分で借りないサービスは、各サービスの案内に従います。
MIROCANA ECのサービス
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ほかの出品は、プロフィールから見られます。
参考にした情報(2026年11月7日時点)
・PHP公式サイト「Supported Versions」「Unsupported Branches」、ニュース「Security advisory: Critical remote code execution vulnerabilities, update now」(2026年10月21日)
・JPCERT/CC「PHPにおける複数の脆弱性(CVE-2026-109618、CVE-2026-109619)に関する注意喚起」(2026年10月22日、10月29日更新)
・IPA「PHPの脆弱性対策について(CVE-2026-109618、CVE-2026-109619:PHP2shell)」(2026年10月22日、11月2日更新)
・WordPress公式サイト ニュース「Critical PHP Security Release」(2026年10月21日)、「WordPress 7.1.4」(2026年10月28日)、「About」、日本語版「今すぐ PHP を更新」「動作環境」、「PHP Compatibility Checker」の配布ページ
・エックスサーバー PHPの脆弱性に関するお知らせ(2026年10月21日、11月2日追記)、マニュアル「PHPのバージョンについて」
・ロリポップ!レンタルサーバー「PHPの脆弱性への対応に伴うメンテナンス完了と経緯のご報告」(2026年10月22日)、マニュアル「PHP設定」