飲食料品の消費税1%はいつから?2027年4月予定、ネットショップがやること

飲食料品の消費税1%はいつから?2027年4月予定、ネットショップがやること

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政府は、飲食料品の消費税率を2027年4月1日から2年間、1%にする法案を国会に提出しています。2026年11月2日時点では衆議院で審議中で、まだ成立していません。ネットショップでは、4月1日をまたぐ予約販売や定期便の税率、商品ページの価格表示、税の設定の見直しが論点になります。国税庁の資料をもとにまとめました。

飲食料品の消費税1%はいつから?

法案どおり成立した場合、2027年4月1日(令和9年4月1日)から2029年3月31日までの2年間です。国税庁の資料によると、この期間の税率(国と地方の合計)は次のとおりです。

・飲食料品:1%
・新聞の定期購読(週2回以上発行されるもの):8%
・それ以外(雑貨・食器・酒類・外食など):10%

2029年4月1日からは、飲食料品は現在と同じ8%に戻る予定です。

この制度は、2026年9月15日に閣議決定された大綱にもとづいています。法案は2026年10月9日に国会へ提出されました。国税庁の資料も、法案が可決・成立した場合の内容だと断っています。審議の途中で内容が変わることもあるため、この記事は2026年11月2日時点の情報として読んでください。

1%の対象になるのはどんな商品?

1%の対象は「飲食料品」です。食品表示法の食品(酒類を除く)と、一定の条件を満たす一体資産をいいます。範囲は、今の8%の軽減税率の対象と同じとされています。

ネットショップで迷いやすいところを、国税庁の資料から3つ挙げます。

・酒類:飲食料品に含まれず、10%
・医薬品・医薬部外品:食品に含まれず、1%の対象外(10%)
・食品と食品以外のセット(一体資産):あらかじめ一体になっていて、そのセットの価格だけを示している場合に、税抜1万円以下で、セットの価額のうち食品が占める割合が3分の2以上なら、全体が1%

セット商品の細かい判定は、国税庁の「軽減税率制度Q&A(個別事例編)」で確かめる形になります。

いちばん大事なのは「4月1日をまたぐ注文」

税率が1%に下がる4月1日以後の販売でも、一定の通信販売と定期供給契約は、これまでどおり8%です。国税庁のQ&Aに、この経過的な取扱いの説明があります。主にネットショップに関わるのは、この2つです。

通信販売は、次の3つがそろい、かつ1%を前提とした条件ではない場合に、8%です。
① 販売条件の提示が、2027年1月1日より前に行われた
② 申込みを受けたのが、2027年4月1日より前
③ 商品の譲渡(売り渡し)が、2027年4月1日以後に行われる

国税庁の例は、お中元やギフトのカタログ販売です。インターネットでの申込みも「申込み」に含まれます。

ただし、1%を前提とした販売条件を示している場合は、1%です。国税庁は、「4月1日以後に販売するものは消費税率1%による」と示す場合や、「税率が1%に変わったときの価格」をあらかじめ示す場合を挙げています。価格の例は、8%の税込10,800円と、1%の税込10,100円です。

定期便などの定期供給契約には、通信販売とは別の条件があります。不特定かつ多数の人に、週・月・年などの決まった周期で、おおむね規則的に届ける契約のことです。

2027年1月1日より前に結んだ契約で、4月1日より前に代金を受け取っている分は、4月1日以後に届くものも8%です(1%を前提とした契約は除きます)。例は、代金を先払いして、季節の食材が毎月届く定期便です。8%になるのは、代金を受け取っている部分に限られます。

2027年1月1日以後に契約を変えて、4月から1%の価格に改める場合は、1%です。国税庁の例は、受け取り済みの代金との差額を返金する内容の変更契約です。

この取扱いは、お店が選べる仕組みではありません。条件に当てはまる取引には8%が適用されます(1%を前提とした条件・契約は当てはまりません)。

国税庁の資料だけでは判断しにくい点も残っています。

・ネットショップの常設の商品ページが「販売条件の提示」にあたるかを、直接扱った例は資料にありません。ただし、提示とは、新聞・テレビ・チラシ・カタログ・インターネット等の媒体で販売条件を示すことをいい、「いつでも提示できる状態」も含まれる、という説明(Q&A問1-6の注)はあります。
・出荷日とお届け日が3月末と4月初めにまたがる注文について、ネットショップを想定した例は資料にありません。Q&A問1-3には、継続して使っている売上の計上基準に従って3月31日分とする取引は8%でよい、という答えがあります(深夜営業のスーパーの例)。どの日を基準にするかは、お店の計上のしかたで変わります。

どちらも、お店の事情で答えが変わる部分です。これは国税庁の手順ではなく、準備としての提案ですが、2026年中に公開する予約販売・ギフト・定期便のページは、税率をどう書くかを先に決めて、税理士や所轄の税務署に確認してから出すと、あとで迷いにくくなります。

商品ページの価格表示(総額表示)の特例

今のルールでは、免税事業者を除く事業者が、消費者向けにあらかじめ価格を表示するときは、税込の価格(総額)を表示します。表示する場所は問いません(店頭、チラシ、広告など)。

税率が変わる時期に、値札や表示の貼り替えが間に合わない事情がある場合の特例が設けられます。誤認を防ぐ掲示をしていることを条件に、次の期間は、旧税率でも新税率でも税込価格を表示できます。

・2027年2月1日〜3月31日:1%の税込価格を表示できる
・2027年4月1日〜5月31日:8%の税込価格を表示できる

2月1日〜3月31日は、実際に支払う額の税率はまだ8%のままです。表示と支払う額の税率が違う期間があるため、誤認を防ぐ掲示が条件になっています。

2年間が終わるときにも、同じ特例があります(2029年2月1日〜3月31日は8%、4月1日〜5月31日は1%)。

「事情」の例は、夜間の値札の貼り替えに対応できない、カタログや商品パッケージ自体に価格が印字されている、などです。値札や表示を随時直しているのに、1%で表示できない事情がないまま8%の表示を続ける場合は、認められる事情にあたらないとされています。税抜価格だけの表示や、税抜価格に「+税」とだけ続ける表示は、引き続き認められません。

国税庁が挙げている誤認を防ぐ掲示の例は、店頭のものです。ネットショップの商品ページやカートでの具体例は、資料に出ていません。

ネットショップが今やること5つ

ここからの5つは、国税庁の手順ではなく、準備としての提案です。

① 商品を「飲食料品」と「それ以外」に分けて一覧にする
食品、飲み物、ギフトセット、食器や雑貨、酒類を分けます。食品かどうか迷う商品(健康食品・サプリ、食品と食器のセットなど)には印を付け、国税庁の資料か税理士で確かめます。

② 4月1日をまたぐ商品を洗い出す
予約販売、ギフト、定期便、先払いのまとめ買いを一覧にします。販売条件を出す日、申込みを受ける日、お届けの日を書き出しておくと、8%と1%のどちらになりうるかを税理士に相談しやすくなります。

③ 注文日・出荷日・お届け日・代金を受け取った日を残す
3月末から4月初めの注文は、税率が分かれる可能性があります。あとから確認できるよう、注文の管理画面や台帳に残しておきます。

④ 価格をどうするか決める
税込価格を据え置くか、1%に合わせて下げるかは、お店の判断です。本体価格が同じ場合の税込価格は、次のとおりです。

・本体1,000円:1,080円(8%)→ 1,010円(1%)
・本体3,000円:3,240円(8%)→ 3,030円(1%)
・本体10,000円:10,800円(8%)→ 10,100円(1%)

税込1,080円のまま据え置くと、本体にあたる部分は約1,069円、税は約11円になります。

⑤ 請求書や注文確認メールの様式を確認する
インボイス(適格請求書)を発行しているお店は、飲食料品の分の適用税率が1%、消費税額も1%で計算した額になります。「軽減税率の対象品目である旨」を書けば足り、「税率1%の対象品目である旨」を新たに書く必要はありません。ほかの記載事項も変わりません。8%と1%の取引が同じ月に混ざるときの請求書の分け方は、国税庁のQ&Aに記載例があります。

税の届出の特例も予定されています

飲食料品を売る免税事業者が課税事業者になるための届出と、簡易課税(売上の税額から、仕入れの税額を一定の割合で計算する方法)をやめて一般課税にするための届出に、特例が設けられる予定です。どちらも、2027年4月1日が属する課税期間(個人事業者なら2027年1月〜12月)の中に届出書を出せば、その課税期間からの扱いにできる、という内容です。

国税庁の例では、個人事業者が2027年末までに届出書を出せば、2027年1月1日から課税事業者になれます。1〜3月の飲食料品の分は、8%で申告します。背景は、売上の消費税より仕入れの消費税が大きいと、還付を受けられる場合があるためです。課税事業者を選ぶと、原則として2年間は課税事業者として申告が必要です。届出をするかどうかは、税理士や所轄の税務署に相談してください。

Shopifyのお店で確認したいこと

Shopifyのお店は、4月までに税の設定を見直しておきましょう。公式ヘルプセンター(日本語版)の内容を整理します。

・日本のお店では、税込(内税)の価格を使うことが求められています。管理画面の[設定]>[税金と関税]で、「商品価格と配送料に売上税を含める」を選びます。2020年10月22日以降に日本で作られたお店は、商品価格に税を含む設定が初期設定です。
・税込の設定では、税額は「税率×価格÷(1+税率)」で計算されます。価格を変えずに税率だけ1%に変えると、税込価格はそのままで、税額が小さくなります。
・日本の税金のページには、手動で税率を設定する必要がある場合がある、と書かれています。手動で設定した税率は、新しい規制が制定されても、「デフォルトの税率にリセットする」ボタンをもう一度押さない限り、自動では更新されません(「手動での税金の設定」のページ)。税の概要のページには、デフォルトの税率は定期的に更新される、とあります。どのページも、税率が今の状況に合っているかはお店が確認する前提で書かれています。4月までに、自分で税率を確認する前提で準備するのが安全です。
・商品やコレクションごとに税率を変える機能があります(「税の優先適用」)。[設定]>[税金と関税]で国を選び、「税率と免税」の「商品の優先適用」で「優先適用を追加」を押して、コレクションと税率を指定します。使えるのは、手動でコレクションに追加した商品だけです。条件で自動的に集めるコレクションや、アプリで追加した商品には使えません。ただし、公式ヘルプの説明の例は米国やカナダ、欧州連合などで、日本の飲食料品の1%に使えるかは書かれていません。
・飲食料品とそれ以外を、手動で作ったコレクションに分けておくと、あとで税率を分けやすくなります。これは公式ヘルプの手順ではなく、上の制限からの準備としての提案です。
・Shopify Japanの2019年8月のブログには、軽減税率の8%を、手動のコレクションと「税の優先適用」で設定する手順が載っていました。今回の1%の案内ではなく、画面や手順は今と違うことがあります。
・2026年11月2日時点で、ヘルプセンターの税のページとShopify Japanの公式ブログに、飲食料品1%への対応を案内する記載は見当たりませんでした。


これからShopifyでお店を開く方へ。MIROCANA ECでは、決済・配送・税の設定から、特定商取引法の表記などの必須ページ(ひな形の反映まで)を含めて、開店できる状態にストアを作ります(国内での販売向け)。税率をどう適用するかの判断は、税理士や税務署への確認が必要な分野です。

まとめ:法案が決まる前の今、洗い出しから

・飲食料品の消費税率は、2027年4月1日から2年間、1%になる予定です。法案は審議中です(2026年11月2日時点)
・ネットショップで特に注意したいのは、4月1日をまたぐ通信販売と定期便です。通信販売は、2027年1月1日より前に販売条件を出し、4月1日より前に申込みを受け、4月1日以後に商品の譲渡が行われるものが、8%のままです。定期便は、2027年1月1日より前に結んだ契約で、4月1日より前に代金を受け取った分が8%です。どちらも、1%を前提にした条件や契約は1%です
・価格表示(総額表示)には、2027年2月1日から5月31日の間、対応が難しい事情がある場合に、誤認を防ぐ掲示を条件とする特例が設けられる予定です。ネットショップの商品ページに当てはまるかは、国税庁の資料に例がありません
・今やることは、商品の仕分け、4月1日をまたぐ商品の洗い出し、日付の記録、価格の決め方、請求書の確認です
・税率の当てはめは、税理士や所轄の税務署に確認してください

法案の審議が進んだら、国税庁の最新の資料を確認してください。


Shopifyでのお店づくりや、管理画面の設定でお困りのことがあれば、下のプロフィールからお気軽にメッセージください。税率をどう適用するかの判断は、税理士や税務署への確認が必要な分野です。

参考にした情報(2026年11月2日時点)
・国税庁「飲食料品に係る2年間の消費税率引下げに関するQ&A」、同リーフレット・パンフレット(令和8年9月)
・内閣官房・財務省「飲食料品消費税率の臨時的な引下げ及び就業者負担軽減支援金の導入に関する大綱」(令和8年9月15日閣議決定)、同法律案の概要(令和8年10月)
・内閣官房「社会保障国民会議」ページ、衆議院「議案情報」第222回国会 閣法1号の経過
・Shopifyヘルプセンター(日本語版)「日本の税金」「手動での税金の設定」「税の優先適用と免税」ほか
・Shopify Japan公式ブログの増税対応の記事(2019年8月)
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