ホームページを制作するとき、写真やイラストをAIで用意する選択肢が身近になりました。
撮影が難しい場面を表現でき、素材探しの時間や費用を抑えられる一方で、「AI感が強くて安っぽく見えないか」「著作権は大丈夫か」「お客様からの信頼を損なわないか」と不安を感じる方も多いのではないでしょうか。
結論から言うと、AI生成画像は目的と掲載場所を選べば有効です。ただし、実在性や信頼性が求められる部分では、実際の写真を優先した方がよいケースもあります。
この記事では、ホームページ制作にAI生成画像を使うメリットと注意点、実写や素材写真との使い分けをWeb制作者の視点から解説します。
【AI生成画像を使う3つのメリット】
1.撮影では用意しにくいイメージを表現できる
抽象的なサービスや、まだ形になっていない事業のイメージは、写真だけでは伝えにくいことがあります。AIを活用すれば、業種やターゲット、サイトの配色に合わせたビジュアルを作りやすくなります。
2.素材写真とイメージが重複しにくい
一般的な素材サイトの写真は、別のホームページや広告でも使われている場合があります。AI生成画像なら、構図や色、人物の雰囲気を調整し、サイト独自の世界観に近づけることが可能です。
3.撮影前の仮素材として活用できる
開業前で店舗が完成していない場合や、撮影スケジュールが合わない場合には、公開準備を進めるための仮素材としても使えます。ただし、実在する店舗や商品の写真だと誤認されないような配慮が必要です。
【AI画像は、何を使っても同じではありません】
「AI生成画像は不自然」「AIで作った画像はすぐ分かる」と言われることがあります。しかし、AI画像をひとくくりにして判断することはできません。
仕上がりは、使用するAI、画像生成モデル、プロンプト、参考画像、生成後の修正によって大きく変わります。
例えば、「パソコンを操作する笑顔の女性」と短く指示するだけでは、既視感のある構図や、過度に滑らかな肌、不自然に整った表情になりがちです。サイトのデザインと合わない画像をそのまま掲載すると、AI特有の違和感が強くなり、ホームページ全体が安っぽく見える可能性もあります。
一方で、次のような要素まで具体的に設計すると、サイトになじむ画像を作りやすくなります。
・人物の年齢、服装、表情
・背景となる場所や時間帯
・光の方向と柔らかさ
・カメラの距離とアングル
・写真らしさ、イラストらしさ
・ホームページの配色
・文字を配置するための余白
・PCとスマートフォンでのトリミング
モデルごとに、人物、商品、建築物、イラストなど得意な表現も異なります。新しいAIや高性能なモデルを使えば、自動的にWebサイトで使える画像になるわけではありません。目的に合ったモデルを選び、適切な指示を出し、生成後に人の目で確認する工程が重要です。
【AI感が強くなりやすい原因】
AI画像に違和感が出る主な原因には、次のようなものがあります。
・短いプロンプトだけで生成している
・サイトの業種やターゲットと人物の雰囲気が合っていない
・肌や歯が過度に滑らかになっている
・手指、髪、アクセサリー、背景の文字が崩れている
・人物と背景で光の方向や解像感が異なる
・同じような構図や表情の画像を何枚も使っている
・生成後の補正やトリミングをしていない
・スマートフォン表示で顔や重要な部分が切れている
一見きれいに生成できていても、細部を確認すると不自然さが残っていることがあります。画像単体ではなく、ホームページに配置した状態で確認することが欠かせません。
【「見た目の品質」と「情報の信頼性」は別に考える】
AI生成画像を使う際は、次の2つを分けて判断する必要があります。
一つ目は、画像として自然に見えるかという「見た目の品質」です。
二つ目は、閲覧者に誤解を与えないかという「情報の信頼性」です。
どれだけ自然で高品質な画像でも、架空の人物を実在するスタッフのように掲載したり、AIで作った店舗を実際の店舗として見せたりすれば、信頼を損なう可能性があります。
反対に、AIで作ったことが分かるイラストや、装飾目的のイメージ画像であれば、多少デフォルメされていても問題になりにくいでしょう。
AI画像の完成度が高いことと、ホームページに掲載してよいことは同じではありません。
【AI画像が向いている場所】
・サービスの考え方を表すイメージ画像
・背景や装飾
・ブログのアイキャッチ
・概念や仕組みを伝えるイラスト
・実写では用意しにくい場面
・公開前の仮素材
【実写を優先したい場所】
・代表者やスタッフの紹介
・実際の店舗、院内、教室、設備
・料理や販売商品
・施工事例や制作実績
・お客様の声
・施術結果やビフォーアフター
特に医療、美容、士業、教育など、安心感や人柄が選ばれる理由になる業種では、実際の写真が持つ説得力を大切にした方がよいでしょう。
【商用利用前に確認したいこと】
AI生成画像をホームページに掲載する前には、少なくとも次の点を確認します。
・使用した生成サービスの商用利用条件
・既存のキャラクター、ロゴ、有名人との類似
・特定の作家や作品を強く模倣していないか
・人物の手指や背景の文字に破綻がないか
・実在する人物や施設だと誤認されないか
・生成に使用したサービスや制作条件を後から確認できるか
・AIを使用したことの説明が必要な掲載内容ではないか
AIで生成したからといって、すべて自由に使えるとは限りません。利用規約や権利関係を確認し、必要に応じて専門家へ相談することも大切です。
【実写・素材写真・AI画像を使い分ける】
大切なのは、AI画像だけでホームページを完成させることではありません。
人柄や実績を伝える部分には実写、一般的な場面には商用利用可能な素材写真、抽象的なイメージや装飾にはAI画像というように、目的に合わせて使い分ける方が自然です。
実際の写真が少ない場合でも、すべてをAIで埋めるのではなく、ロゴ、配色、図形、余白、文字組みを活用すれば、信頼感のあるデザインに整えられます。
【まとめ】
AI生成画像の問題は、「使うか、使わないか」だけではありません。
どのAIやモデルを選び、どのようなプロンプトで生成し、どこに掲載するかによって、サイトの印象と信頼性は大きく変わります。
AI画像が適している場所では便利に活用し、実在性が重要な部分では実写を優先する。さらに、生成した画像をそのまま使わず、サイト全体との相性や細部の破綻まで確認することが重要です。
当サービスでは、AI生成画像ありきで制作するのではなく、事業内容やターゲットとの相性を確認したうえで、実写、商用利用可能な素材、AI生成画像を使い分けます。
AI画像を採用する場合も、サイトの配色や構成に合わせて生成・選定し、違和感の少ない状態に整えます。写真や原稿がそろっていない段階でも、まずはお気軽にご相談ください。