今回は西洋の占いの帝王、タロットカードについて書きたいと思います。
私は占いをしない時タロットカードを浄化し
カードをシャフルして引く前に呼吸を整えリラックスします。
タロットカード占いを潜在意識につなげる神秘的な儀式と考えているからです。
なぜ偶然引いたカードが、今の自分に重なるの?
タロット占いをしていると、とても不思議なことがあります。
78枚のカードをシャッフルして、その中から数枚を選んだだけなのに、
「まさに今の自分のことみたい」
「どうしてこのカードが出たんだろう?」
と思うことがあります。
もちろん、偶然と言ってしまえば偶然です。
では、なぜ私たちは偶然出たカードに、これほど自分の気持ちを重ねることがあるのでしょうか。
今回は少し視点を変えて、タロットと潜在意識の関係について考えてみたいと思います。
私たちは自分の心を全部わかっているわけではない
普段、私たちは自分で考え、自分で判断しているつもりです。
でも、
「本当は嫌なのに断れない」
「別れた方がいいと思っているのに離れられない」
「やりたいことがあるのに一歩踏み出せない」
ということがあります。
頭ではわかっている。
でも心は違うことを感じている。
そんな経験はありませんか?
自分では意識していなくても、心の奥にはさまざまな感情や記憶、願望、不安があります。
一般的には、こうした自覚しにくい心の働きを「潜在意識」と呼ぶことがあります。
心理学ではより厳密に「無意識」という言葉が使われます。
タロットには「答え」が描いてあるのでしょうか?
タロットには78枚のカードがあります。
そこには、
「愚者」「恋人」「隠者」「運命の輪」「死神」「悪魔」「塔」「月」「太陽」「世界」……
など、非常に象徴的な絵が描かれています。
しかしカードそのものが、
「彼はあなたを好きです」
「会社を辞めなさい」
と直接答えてくれるわけではありません。
私たちは絵を見て、そこから意味を読み取ります。
ここが重要です。
同じ「月」のカードを見ても、
「不安」
と感じる人もいれば、
「まだ見えていないものがある」
と感じる人もいるでしょう。
つまり、カードを見る人の心によって、そこから受け取るものが変わることがあります。
私は、ここにタロットと潜在意識を考える面白さがあると思っています。
ユングが考えた「心の深いところ」
この話をするときに登場するのが、スイスの精神科医・心理学者カール・グスタフ・ユングです。
ユングは、人間の心には本人が自覚している意識だけではなく、意識されていない領域があると考えました。
さらに、個人の経験を超えた「集合的無意識」という考え方を提唱しました。
そして人類の神話や夢、宗教、物語などに繰り返し登場する普遍的なイメージを**「元型(アーキタイプ)」**と呼びました。
母親、英雄、賢者、影などがその代表例です。
タロットを見てみると、
皇帝、女帝、恋人、隠者、悪魔、死、太陽、月……
確かに、人間が昔から繰り返し物語にしてきたような象徴がたくさん登場します。
このため後世では、タロットの象徴とユング心理学を結びつけて考える人たちも現れました。
ただし、ユングが現在のタロット占いの方法を作ったわけではありません。
ここは分けて考える必要があります。
カードが心の「きっかけ」になる
たとえば、
「今の仕事を辞めようか迷っています」
という人がタロットを引いたとします。
そこに「愚者」が出たとしましょう。
新しい旅に出ようとしている人物の姿を見て、
「やっぱり新しい世界に行きたい」
と思うかもしれません。
反対に、
「準備もせず飛び出すのは怖い」
と感じるかもしれません。
どちらが正しいということではありません。
むしろ重要なのは、
「なぜ私は、このカードを見てそう感じたのだろう?」
ということです。
そこに、自分でも気づいていなかった気持ちが表れることがあります。
そう考えると、タロットは心の中に何かを入れるというより、
すでに自分の中にあるものを、表に出すきっかけ
として見ることもできます。
「意味のある偶然」という考え方
ユングには、もう一つ興味深い考え方があります。
**シンクロニシティ(共時性)**です。
簡単に表現すると、
因果関係では説明できないけれど、本人にとって意味を感じる偶然の一致
という考え方です。
タロットも、
「なぜ78枚の中から、今このカードだったのか?」
と考え始めると、とても不思議です。
科学的には、カードを引いた結果から未来を予知できることが確立されているわけではありません。
ですから、
「潜在意識がカードを選ばせている」
と科学的事実のように断言することもできません。
それでも、偶然出たカードを見て、
「今の自分に必要な言葉かもしれない」
と感じることがあります。
タロットの神秘性は、まさにこの境界にあるのかもしれません。
タロットは「心の鏡」
私はタロットを、
未来を決めつけるためのものではなく、自分の心を映す鏡
として使うことにも大きな意味があると思っています。
恋愛で、
「相手の気持ちが知りたい」
と思ってカードを引いたはずなのに、
読み解いていくうちに、
「本当は私はどうしたいの?」
という自分自身の問題に気づくことがあります。
仕事について占ったのに、
「仕事が嫌なのではなく、自分を評価してもらえないことが苦しかった」
と気づくこともあるかもしれません。
カードが答えを作ったのではなく、
カードをきっかけに、自分の中にあった答えに気づいた。
そんなタロットの使い方もあるのです。
「当たる・当たらない」の、その先へ
もちろん、
「タロットは未来を予知できるのか?」
という問いに、科学的に確立された答えがあるわけではありません。
でもタロットの価値を「未来を当てられるか」だけで考えてしまうと、少しもったいない気がします。
78枚のカードには、愛、希望、不安、孤独、決断、誘惑、挫折、変化、成功など、人間が生きていく中で経験するさまざまなものが象徴として描かれています。
そのカードと向き合うことで、
「自分は今、何を感じているのか」
「本当は何を望んでいるのか」
「これからどうしたいのか」
を考えてみる。
未来を決めるのはカードではありません。
最後に選択するのは自分自身です。
でも、自分の心が見えなくなった時、タロットの一枚がその心を映してくれることがある。
私は、そこにもタロットの魅力と神秘性があると思っています。
心の健診、してますか?
次回は、
「タロットのシンクロニシティとは? なぜ今、このカードが出るのか」
について、もう少し深く考えてみたいと思います。