機材のそのスイッチたち、何のためにあるか知っていますか?

機材のそのスイッチたち、何のためにあるか知っていますか?

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音声・音楽

そのつまみ、何のためにあるか知っていますか?

——ゲインは、録音の合否を決める最初の関門。

前回、前々回と、ミックスの限界の話、録っている本人がなぜ問題に気づけないかの話をしてきました。今回はいよいよ実践編。今日から試せる、機材の基本の話です。

まず、機材が何をしているか
新しいマイクを買っても、セッティングが合っていなければ意味がない——前回、そう書きました。では、そのセッティングとは、具体的に何を指すのか。まずはそこから整理します。

マイクは、声を電気信号に変える道具です。そして、その信号を受け取り、強さを整えてPCに送るのが、オーディオインターフェースです。

機種によって見た目は違いますが、多くのオーディオインターフェースには、共通する3つの要素があります。

オーディオインターフェース模式図.png


GAIN(ゲイン)は、マイクからの信号をどれだけ増幅するかを決めるツマミです。今回、一番大事なのはここです。

+48V(ファンタム電源)は、コンデンサーマイクに電力を送るための機能です。ダイナミックマイクを使っている場合は、基本的にオフのままで問題ありません。

Hi-Zは、エレキギターなどを直接接続するための切り替えです。ボーカル収録がメインであれば、こちらも基本的に気にしなくて大丈夫です。

つまり、ボーカル収録において最初に向き合うべきは、GAINのツマミひとつ、ということになります。

ゲインは、どう合わせればいいか
具体的な数値を覚える前に、まず手順を知っておくと、どんな曲でも自分で調整できるようになります。

一つ、曲の中で一番大きな声を出す部分を、録音前に一度歌ってみてください。いきなり本番を録るのではなく、サビの張るところを先に試すことで、その日のコンディションでの最大音量を事前に把握できます。

二つ、その最大音量で、メーターが天井(0dB)に当たらないところまで、ゲインを上げてください。小さすぎるかもしれないと心配して下げすぎず、かといって天井ギリギリまで攻める必要もありません。今の録音環境は、そこまで神経質にならなくても十分なゆとりがあります。突発的に声が大きく出てしまう瞬間に備えて、余裕を残しておくくらいがちょうどいいです。

三つ、録れたら、必ず波形を目で見て確認してください。耳では「大丈夫そう」と感じても、脳は都合よく聞いてしまうものだと、前回書きました。目で見れば、一目で分かります。

波形の目安_実例比較.png


クリップ(音割れ)している波形は、天井に張り付いて平らになっています。ここは、録音後どうやっても直せません。

小さすぎる波形は、山が低く、後でミックス側が音量を持ち上げるときにノイズも一緒に目立ちやすくなります。

目指したいのは、天井まで余裕を残しつつ、しっかり山ができている状態です。これくらいの見え方になっていれば、十分です。

数字の細かい話は、状況次第で
ここまでは、誰でも今日から試せる基本の考え方です。ただ、実際にはマイクの特性や部屋の状態、声質によって、最適な設定は変わってきます。この録音は本当にこれでいいのか、もっと詰められるところがあるのか——そのあたりの細かい評価や、ここから先の補正(EQやコンプレッサーでの調整)は、正直に言うと、私たちミックス側の領域です。今回はあえて踏み込みません。

とはいえ、そこも含めて知りたいという方もいると思います。このあたりは、普段レッスンでもちゃんと扱っています。作編曲から録音、ミックスまで一貫してお受けしている案件では、必要に応じてディレクションもしています。気になることがあれば、遠慮なく聞いてください。

次回は、マイクとの距離や角度、いわゆる指向性の話をしようと思います。

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