日本企業のWebサイトの不都合な真実

日本企業のWebサイトの不都合な真実

記事
ビジネス・マーケティング
最初に断っておくが、これは耳の痛い記事だ。だから、気分良くいたい人は読むのを止めることをおすすめする。
だったら、なぜこんな記事を書いたのか。それは、ビジネスを成功させたい人に役に立つ記事だから。
ビジネスメディア、Web制作会社のブログ、マーケティング専門誌には成功事例、キラキラしたDX推進記事、前向きな改善提案が溢れている。メディアに登場するWeb制作会社、ITコンサルタント、デジタルマーケティングの専門家は「ホームページをリニューアルすれば成果が出る」「最新技術を導入すれば解決する」などと吹聴する。
でも、世の中に上手くいくことしかないのなら、なぜ日本の中小企業の7割がウェブサイトからの成果に満足していないのか。
Web制作会社の相談窓口、中小企業の経営者の本音には、「また無駄な投資をした」「アクセス数は増えたが売上につながらない」「結局何も変わらなかった」という後悔と諦めばかりが後を絶たない。
世の中は本来、厳しく、不都合な真実に満ちたものだ。ことビジネス、IT界隈の世の中の残酷さを一行で表現するならこうだ。
会社はビジネスを成功させるためにホームページを作るけれど、成功するようにホームページはデザインされているわけではない、と。

なぜ8割の企業がウェブサイトで失敗するのか
総務省の「令和5年通信利用動向調査」によれば、従業員100人以上の日本企業の93.0%がウェブサイトを保有している。一方で、ニフティが中小企業経営者を対象に実施した調査では、Web販促を「活用できている」と回答した企業はわずか18.0%だった。

この数字が意味するものは何か。

日本企業の9割以上がホームページを持っているのに、8割以上が活用できていないということだ。
さらに残酷なデータがある。2014年版中小企業白書によれば、ウェブサイトから「販売客数が大幅に増加した」と回答した小規模事業者はわずか3.7%。34.1%が「やや増加した」と答えたものの、62.1%は「変わらない」「減少した」と回答している。
つまり、96%以上の企業が、ウェブサイトから顕著な販売効果を得られていないのだ。これは単なる偶然ではない。構造的な問題だ。

「作っただけ」で終わる日本のホームページ
問題の本質は、ホームページ制作が「納品」で完結してしまうビジネスモデルにある。
Web制作会社の多くは、デザイン制作、コーディング、そしてサーバーへのアップロードまでを「成果物」として納品する。契約書には「ホームページ制作一式」と書かれ、料金は30万円から300万円。見積書には「トップページデザイン」「下層ページ5ページ」「レスポンシブ対応」「CMS導入」といった項目が並ぶ。
だが、そこに「月間100件の問い合わせを獲得する」という項目はない。「競合他社との差別化戦略」も書かれていない。「ターゲット顧客の行動分析」も含まれていない。

つまり、日本のホームページ制作業界は、ビジネスの成果を約束しないサービスを、ビジネスの成果を求める顧客に販売しているのだ。これは、建築会社が「家は建てますが、住みやすいかどうかは知りません」と言っているようなものだ。

データが示す「作りっぱなし」の実態
更新頻度を見てみよう。平成28年版小規模企業白書によれば、月1回以上ホームページを更新している企業は約30%。一方、不定期更新が約60%を占める。

つまり、6割の企業が、ホームページを「放置」しているのだ。

興味深いことに、同じ調査でブログやSNSの更新頻度を見ると、日次から2週間に1回更新している企業が約60%に達する。中小企業にとって、SNSは運用しやすいが、ホームページは「触れないもの」「更新できないもの」になっているのだ。

さらに深刻なのは、効果測定の不在だ。信金中央金庫の調査によれば、マーケティング施策全般において「期待以上」または「おおむね実現」と答えた企業は27.0%のみ。73.1%が期待した成果を実現できていない。投資対効果を測定しない投資。これがビジネスと呼べるだろうか。

なぜ日本企業は「作りっぱなし」なのか
理由は3つある。
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