同じ予算なのに、満足度がまるで違う。1000組を見てきて分かったこと

同じ予算なのに、満足度がまるで違う。1000組を見てきて分かったこと

告知
学び
設計の仕事を始めて25年。これまで1000組を超えるご家族の家づくりに関わってきました。

住宅相談の場で、ときどきこう尋ねられます。

「成功する人には、共通点ってあるんですか?」

あります。

はっきりと、あります。ただ、その正体は、たいていの方が予想されるものとは少し違います。

年収の高さではありません。
住宅の知識量でもありません。
SNSでどれだけ情報を集めたか、でもありません。

実際、ほとんど同じ予算、同じくらいの広さで建てたお宅でも、住み始めてからの満足度には、はっきり差が出ます。

その差はどこから来るのか。長く現場を見てきて、私がたどり着いた答えは「考え方」と「順番」でした。

たとえば、こんな違いです。

後悔されがちな方は、「収納をどれだけ広くするか」から考え始めます。

一方、満足される方は、「どんな暮らしをしたいか」から考えます。

後悔されがちな方は、設備のグレードを気にされます。

満足される方は、毎日の使いやすさを気にされます。

後悔されがちな方は、SNSで人気の間取りを探します。

満足される方は、その間取りが自分たちの生活に合うかを考えます。

一つひとつは、小さな違いに見えると思います。けれど、この出発点のずれが、完成後の暮らしやすさを大きく変えてしまうのです。

ここで、ぜひお伝えしたいことがあります。後悔される方の多くは、決して勉強不足ではありません。むしろ、とても熱心です。SNSを見て、YouTubeで学んで、住宅展示場にも何度も足を運んでいる。情報という意味では、もう十分すぎるほど持っていらっしゃるのです。

それでも後悔が起きるのは、情報が足りないからではなく、情報を整理しきれていないからだと、私は感じています。集めれば集めるほど、「あの人はこうしていた」「これも良さそう」と選択肢が増えて、かえって自分たちにとって何が必要なのかが見えなくなる。情報収集の、いちばんの落とし穴がここにあります。

反対に、うまくいくご家族は、情報との付き合い方が上手です。SNSで素敵な事例を見ても、まず「これはうちの暮らしに合うかな」と一度立ち止まる。良いと思えば取り入れ、合わないと思えば、人気でも手放す。流行に振り回されず、誰かの正解ではなく、自分たちの正解を探していく。その積み重ねが、住み始めてからの「やっぱりこの家でよかった」につながっていきます。

ある若いご夫婦のことを、よく思い出します。最初は雑誌で見た憧れの間取りを希望されていましたが、ご自分たちの平日の動きを一緒に書き出してみると、その間取りでは朝の支度がかなり大変になると分かりました。憧れは少し脇に置き、「自分たちの毎日」に合わせて設計を組み直す。

引き渡しの後、

「派手さはないけれど、毎日が驚くほど楽です」

とおっしゃってくださったのが忘れられません。

1000組を超える家づくりを見てきて、私が強く感じるのは、家づくりは才能でも運でもない、ということです。差がつくのは、考え方と順番。ここさえ大きく取り違えなければ、後悔はぐっと減らせます。SNSやYouTubeで疲れてしまったときこそ、いったん情報を閉じて、「自分たちはどう暮らしたいか」に戻ってみてほしいのです。

今回、住宅相談の中で実際に見てきた「成功する人」と「失敗する人」の違いを、一冊にまとめてみました。これから家づくりを始める方、打ち合わせの途中で少し迷っている方の、考えを整理するきっかけになれたら嬉しいです。

▼1000組見て分かった 家づくりで成功する人・失敗する人
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