「捨てたいと思っているけど、捨てられないんです」
整理収納のサポートをしていると、この言葉を本当によく聞きます。
私は、
「捨てられない=片付けられない」
ではないと思っています。
捨てられない物には、その人なりの理由があることが多いからです。
「高かったから」
「まだ使えるから」
「もらった物だから」
「いつか使うかもしれないから」
誰でも一度は思ったことがあるのではないでしょうか?
「使っていないなら捨てよう」
だけでは、決められないのだと思います。
では、どうしたら決められるのでしょうか?
私は整理収納サポートで、これまで500件以上のお宅を訪問してきました。
そこで感じるのは、
物を手放せるかどうかは、「捨てる勇気」だけで決まるわけではないということ。
大切なのは、
「その物をこれからの自分の暮らしに持っていきたいか」
を考えることだと思っています。
とはいっても、
「必要ですか?」
「使っていますか?」
だけでは、答えが出ないこともあります。
そこで今回は、私が物を見直すときに大切にしている考え方をもとに、
迷ったときに自分へ聞いてみてほしい「7つの質問」をご紹介します。
ぜひ実際に迷っている物をひとつ手に取りながら読んでみてください。
質問1 「今、これをお店で見つけたらもう一度買う?」
たとえば、
「高かったから捨てられない」
という洋服。
値段ではなく、
「今の自分がこの服をお店で見つけたら、もう一度お金を払って買いたいと思うか」
と考えてみます。
買ったときの自分と、今の自分は違っていて当然です。
好きな色も、似合う服も、暮らし方も変わります。
「高かった」という過去ではなく、
「今の自分はどう感じる?」
と考えてみると、答えが変わることがあります。
質問2 「いつか使う。その“いつか”は具体的にいつ?」
「いつか使うかもしれない」
これも、よく聞く言葉です。
そんなときは、
「いつ?」
と、もう一歩だけ考えてみます。
来月?
来年?
子どもが大きくなったら?
引っ越したら?
具体的な場面が思い浮かぶでしょうか。
もちろん、今使っていないからといって、すぐ手放す必要はありません。
でも、
「なんとなく、いつか」
で持ち続けている物は、
「いつか」ではなく「今の暮らし」を基準に考えてみる。
それだけでも判断しやすくなります。
質問3 「これがなくなったら、本当に困る?」
迷ったとき、
「まだ使える」
と考えることがあります。
でも、
使えることと、使うことは違います。
そこで、
「これが明日なくなったら困るかな?」
と考えてみます。
困るなら、今の暮らしに必要な物。
なくても特に困らないなら、持っている理由をもう少し考えてみてもいいかもしれません。
質問4 「これは“好き”で持っている?それとも“罪悪感”で持っている?」
いただき物でよくあるケースです。
「せっかくもらったから」
「捨てたら申し訳ないから」
そう思って残している物。
でも、
その物を持ち続けることと、相手を大切に思うことは別のことだと私は思っています。
見るたびに嬉しい。
使うたびにその人を思い出す。
そんな物なら、もちろん大切に持っていていい。
でも、
見るたびに「使わなくちゃ……」と思ってしまうなら、
それは「好き」ではなく、罪悪感で持っているのかもしれません。
もし罪悪感があるなら、一週間目に入る場所に飾ってから
感謝をして手放してもいいかもしれません。
質問5 「これを持つために、どのくらいのスペースを使っている?」
物を持つには「場所」が必要です。
クローゼットの一角。
引き出しひとつ。
棚の一段。
ひとつひとつは小さくても、積み重なると大きなスペースになります。
だから私は、
「この物のために、このスペースを使いたい?」
という視点も大切だと思っています。
家の収納には限りがあります。
だからこそ、
何を入れるかだけではなく、
「何のためにスペースを使いたいか」
そこまで考えてみます。
質問6 「残す理由が“過去”だけになっていない?」
昔好きだった洋服。
以前ハマっていた趣味の物。
思い出の品。
もちろん、過去の物を残すことが悪いわけではありません。
私も思い出の物はあります。
でも、
「昔好きだったから」
だけで残している物の中には、今の自分には必要なくなっているものもあります。
そんなときは、
「これは今の私にも必要?」
と聞いてみてください。
過去を否定するのではなく、
今の自分を基準に選び直す。
そんなイメージです。
質問7 「この物があることで、どんな暮らしになっている?」
最後は少し視点を変えます。
その物単体ではなく、暮らし全体から考えてみる質問です。
たとえば洋服なら、
お気に入りだけが並んだクローゼットにしたい。
朝、迷わず服を選びたい。
収納なら、
取り出しやすく戻しやすくしたい。
リビングなら、
帰ってきたときにホッとできる場所にしたい。
その理想に、今迷っている物は必要でしょうか?
ここまで考えると、
「捨てる・捨てない」
だけではなく、
「私はどんな暮らしがしたい?」
というところまで見えてくることがあります。
それでも決められなかったら
7つ全部を考えても、
「やっぱり決められない」
という物もあると思います。
そんなときは、無理に決めなくても大丈夫です。
私は整理収納サポートでも、迷っている物を無理に手放していただくことはしません。
一度保留にして、時間を置いてみるのもひとつです。
大切なのは、
「捨てられなかった」
で終わらせず、
「なぜ私はこれを持っていたいんだろう?」
と、一度考えてみること。
その積み重ねで、少しずつ自分の基準が見えてきます。
今日、ひとつだけやってみる
全部片付けようとしなくて大丈夫です。
まずは、
クローゼットから1着。
引き出しから1つ。
目の前にある物を1つ。
手に取ってみてください。
そして、
「今の私も、これを持っていたい?」
と聞いてみる。
残したいと思ったら、残す。
手放してもいいと思ったら、手放す方法を考える。
まだ分からなければ、保留でもいい。
片付けは、たくさん捨てられた人が成功するものではありません。
自分にとって大切なものを、少しずつ選べるようになること。
物と向き合ううちに、
「私はこういうものが好きなんだ」
「こんなふうに暮らしたかったんだ」
と、自分のことまで見えてくることがあります。
片付けを通して、あなたにとって心地いい暮らしを見つけていけたら。
そんなふうに私は思っています。
もし、
「一人だと判断が止まってしまう」
「自分の場合は、どこから始めればいい?」
という方は、オンライン相談もご利用いただけます。
捨てることを目的にするのではなく、
今のお悩みや、これからどんな暮らしがしたいかをお聞きしながら、
あなたに合った片付け方を一緒に考えていきます。