「本当は寂しかったのに、『大丈夫だよ』って言ってしまった」
「返信が遅いことにモヤモヤしたのに、何も言わず笑顔で会った」
そして、帰り道にふと思うのです。
「あれで、よかったのかな」
「言わなくて正解だったよね。言ったら『重い』って思われたかもしれないし……」
その二つの気持ちを行ったり来たりして、結局、自分が本当は何を感じていたのかもよく分からなくなっていく。回避型の彼と向き合っていると、そんな経験を重ねている方は少なくないと思います。
今回は、このモヤモヤの正体と、「アサーティブ」という有効な考え方を使った向き合い方についてお話しします。
なぜ、回避型の彼の前だと本音が掴めなくなるのか?
回避型の彼は、気持ちを言葉にすることが得意ではありません。そのぶん彼の反応が読みにくく、あなたは無意識のうちに「これを言ったらどう思われるだろう」と先回りして考えるようになります。
さらに、これまでに「追うと逃げられた」「気持ちを伝えたら距離を置かれた」という経験があると、「本音を出す=距離を置かれる」という学習が積み重なっていきます。すると、自分の気持ちを確かめる前に、「言わない」という選択が自動的に選ばれるようになるのです。
こうして感情を飲み込み続けるうちに、自分の中で起きていることが少しずつ見えなくなっていきます。
「今、私は何を感じているんだろう」
という問い自体が、浮かびにくくなってしまうのです。
「言わなくて良かった」には、2種類ある
ここが、この記事でお伝えしたいとても大切なポイントです。
同じ「言わなかった」でも、実は2つの種類があります。
⭕️ 選んで言わなかった(納得感がある)
自分の気持ちを把握した上で、状況を見て「今は言わない」と決めた場合。言わなかったことに納得感が残ります。
⚠️ 言えなくて言わなかった(不完全燃焼)
怖さや遠慮から、結果的に飲み込んでしまった場合。「言わなくて良かった」と思おうとしても、心のどこかにモヤモヤが残ります。
外から見れば、どちらも「言わなかった」という同じ行動です。ですが、中身はまったく違います。
回避型の彼が相手だと、「言わない=彼を刺激しない=安全」という図式が常に正解に見えてしまいます。だからこそ、自分の「言わなかった」がどちらなのかに気づくことが特に大切になります。
アサーティブは「彼を動かす技術」ではない
ここで、アサーティブという考え方を紹介します。アサーティブとは、自分の気持ちを大切にしながら、相手のことも尊重して、自分の考えや気持ちを率直に伝えるコミュニケーションのあり方です。
ただ、ここで一つ、はっきりさせておきたいことがあります。
アサーティブは何でも言うことでも、彼に分かってもらう(彼を変える)ための技術でもありません。
私自身の解釈では、「あなたの本音は何で、そして何を選択するか。それは相手も受け取れるかどうか?」がアサーティブにおいて重要であると感じています。だからこそ、あなたが自分の本音を明確に掴めることはとても大切なのです。
大切なのは、自分の気持ちを把握した上で、言うか言わないかを自分で選べる状態になることです。伝えたとしても、彼がどう反応するかはあなたにはコントロールできません。
アサーティブの目的は彼を変えることではなく、自分の気持ちを大切に扱えるようになることなのです。
【実践ステップ】本音の掴み方から、伝え方まで
① 気持ちに名前をつける
モヤモヤした瞬間に、「今、私は何を感じているんだろう」と自分に問いかけてみてください。寂しい、悲しい、不安、疲れた、悔しい。ひとつ言葉にするだけで、自分の気持ちが掴みやすくなります。
② 事実と解釈を分けてから、気持ちだけを取り出す
「返信が来ていない」は事実です。
「嫌われたかもしれない」は解釈です。
この2つを分けると、残るのは「少し寂しい」という、あなた自身の正直な気持ちです。伝えるのは、解釈ではなくこの感情の部分です。
③ 要求ではなく、気持ちとして短く伝える
回避型の彼には、長い説明や責めるように聞こえる言い方は負担になります。短く、気持ちとして伝えるのがコツです。
💡 軽めの伝え方の例
「連絡がないとちょっと寂しくなるんだ。返せる時で大丈夫だよ」
「今日会えて嬉しかった」(まずはプラスの気持ちを伝える練習から!)
💡 少し踏み込む伝え方の例(事実・気持ち・配慮・要望)
「実は、この前の〇〇の件が少し気になっていて(事実)。責めたいわけじゃなくて、私はこう感じてたって伝えたかったんだ(気持ち)。〇〇君がどう思ったかも知りたいから(配慮)、よかったら意見を聞かせてもらえるかな?(要望)」
④ 彼の反応で自分を評価しない
彼の返事が薄くても、はぐらかされても、「伝えられた自分」を認めてあげてください。伝えられたこと自体が、あなたにとっては大きな一歩です。
⑤ 言えなかった時は「次はどう言えたら楽か」だけ考える
言えなかった自分を責めると、次はもっと言いにくくなります。「次はこんな言い方なら言えるかもしれない」と、小さく考えるだけで十分です。
⑥「言わない」という選択もアサーティブ
アサーティブは「必ず言うこと」ではありません。自分の気持ちを把握した上で、あえて「言わない」と決めることも立派なアサーティブな選択です。
例えば、以下のような場面です。
彼が仕事で疲れ切っていて、今は受け止める余裕がなさそうなとき
自分自身が感情的になっていて、落ち着いてから伝えた方が言葉を選べそうなとき
小さな気持ちで、時間が経てば自然に収まりそうなとき
こうした場面で「今は言わない」と決めるのは、飲み込んだことにはなりません。自分の気持ちを把握し、タイミングを見て「言わない」を選んだのですから、後から振り返っても納得感が残ります。
迷ったときに見分ける問いかけ
「言わないことで、後で自分は納得できそうか?」
納得できそうなら、それはあなたが選んだ「言わない」です。一方、「本当は言いたいのに怖くて言えないだけ」「後でいつもモヤモヤが残る」という場合は、言えなくて飲み込んでいる可能性があります。
言う勇気も、言わない判断も、どちらも自分で選べること。それが「自分軸」の土台です。
伝えた後の彼の反応が、見極めの材料になる
アサーティブに気持ちを伝えてみると、彼の反応からこの関係について多くのことが見えてきます。
気持ちを受け止めようとしてくれるか
はぐらかしたり、話題を変えたりするか
黙って距離を置くか
責められたと感じて攻撃的になるか
何度か伝えていく中で見えてくるパターンは、「彼はあなたの安全基地になりそうか」という大切な見極め材料になります。
おわりに
本音が掴めなくなるのも、言えなくなるのも、あなたの性格の問題ではありません。回避型の彼との関係の中で身についた「自分を守るための防衛反応」です。
自分の本音を掴めるようになること、そして言うか言わないかを自分で選べるようになることは、少しずつ育てていけるスキルです。
私自身も、モヤモヤしたときに「この気持ちは相手に伝えるべきなのかな?」と迷うことがあります。でも、そのモヤモヤを自分らしく扱えるようになると、恋愛も生き方もずっと楽になりますよ。
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