知識がないと理解できない話

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 こんにちは。少し、今日は知識が必要な話をします。
 夏の定番、怪談話。これはすごく面白い。必ず怖いことのきっかけや理由が話の途中にあって、だけど、落ちが明確に分からないようにしたまま話を進めて落とす。技量が必要ですね。
 これが私の上っ面の話。ここからが知識の必要な話なんですけど。
 そもそも、怪談って「なんで怖いのか理解できないまま終わってしまう」ことが多くありません? 喋りで聞いたときは空気感があるので、わけもわからず怖くなれるんですけど、文字で書かれた怪談は読み飛ばしてしまっているのか、何度も読まないと「怖い」理由が分からないんですよね。
 この現象、結構起きると思うんですよ。それこそ、機械作業で軍手が禁止されていることに対して「なんで?」って思うのと同じです。油汚れとかすごいだろうから軍手を、と言いたくなる気持ちもわかりますが、実際に軍手を付けると回転工具や工作機械で手が巻き込まれる危険があります。
 そうなんです、私たちは一回聞いただけじゃ意味が分からないんです。想像力の及ばないところに関しては普通に理解が出来ない。事前知識がないと怪談どころか物語自体も理解できなくなるのです。
 そして、もう一つ起きる問題があります。「情報が文字だけ入っている問題」です。例えば、ネット上で見かけた怪談を引っ張ってくると「エレベーターは一つしかない」「高層階で人に会った後、忘れ物をしてしまった」「帰りのエレベーターには自分しか乗らなかった」「エレベーターから降りてすぐに高層階であった人が忘れ物を届けに来た」という情報があるんですよ。ただ、そこから情報がつながらないと「へぇ、そうなんだ」で終わってしまうんですよね。
 ところが、情報がつながると「下に降りてくる手段はエレベーターしかないはずだから、こいつ、飛び降りてきたのか?」となるわけです。この段階にたどり着くのが地味に難しい。
 かといって、これを解説してしまうと興ざめなんですね。物語を書く人間なら「読者を信頼する」行為が大事になってくるんですが、怪談はその中でも特に読者を信じないといけない分野です。落ちを書けないので。
 そこから導き出される答えは一つ。実は、怪談を理解するのって、知識だけじゃなくて経験も必要なんです。事前に「ここが匂うな」と気づく能力も大事ですが、匂った情報をつなぐ技量も大事。これには反復練習が必要です。
 ということで、怪談には知識が必要なのです。という豆知識でした。

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