同じ家に住んでいる。
同じ食卓についている。
けれど、夫婦の間に流れているのは、テレビの音だけ。
昨日の夜、夫と何を話したか思い出そうとして、
「ゴミ、明日だから」
「明日は何時に出るの?」
そんな用件しか浮かばなかった。
あなたにも、そんな夜はありませんか。
喧嘩をしているわけではない。
夫のことが嫌いなわけでもない。
離婚したいと決めたわけでもない。
それでも、ふとした瞬間に、
「このまま、この人と人生を終えていくのかな」
と考えてしまう。
子どもたちが巣立ったあと、静かな食卓に夫婦二人で座っている未来を想像すると、胸の奥が冷たくなることがあります。
けれど、この悩みを人に話そうとすると、
「離婚したいわけではないし」
「もっと大変な人もいるし」
「贅沢な悩みだと思われそう」
そんな思いが浮かび、また一人で飲み込んでしまうのです。
会話がないのは、気持ちが冷めたからとは限りません
夫との会話が減ると、多くの女性は自分か相手のどちらかに原因を探します。
「私の話し方が悪いのかな」
「夫はもう変わらないのかな」
けれど、本当の原因は、そのどちらでもないことがあります。
会話がなくなったのは、話題がなくなったからではなく、少しずつ本音を出さなくなったからかもしれません。
「いい妻でいなければ」
「いい母でいなければ」
「これくらい、私が我慢すればいい」
そう考えて、自分の気持ちを後回しにしているうちに、心の中には小さな不満が積み重なっていきます。
そして、何度か気持ちが伝わらなかった経験が重なると、
「どうせ言っても分かってくれない」
という諦めが生まれます。
その諦めが、少しずつ会話を減らしていくのです。
でも、どうか自分を責めないでください。
あなたが弱かったからでも、我慢が足りなかったからでもありません。
むしろ、今日まで家族のために、十分すぎるほど頑張ってきた証拠なのだと思います。
最初に向き合う相手は、夫ではありません
夫婦の会話を取り戻そうとすると、多くの人は、まず夫への伝え方を変えようとします。
けれど、その前に必要なのは、あなた自身との会話です。
長い間、自分の気持ちを後回しにしていると、
「私は本当はどうしたいのか」
「今、何を感じているのか」
それさえ分からなくなることがあります。
だから、まずは1日5分だけ、ノートを開いてみてください。
そして、自分にこう聞いてみます。
「私は、本当はどうしたい?」
すぐに答えが出なくても大丈夫です。
「分からない」
「なんとなくモヤモヤする」
「今日は、ありがとうと言ってほしかった」
そんな言葉で十分です。
きれいにまとめる必要はありません。
大切なのは、これまで置き去りにしてきた自分の気持ちに、あなた自身が気づいてあげることです。
小さく自分を満たしてあげる
自分の本音に少しずつ気づけるようになったら、次は小さく自分を満たしてみてください。
好きな香りのお茶を、ゆっくり飲む。
一人で静かに過ごす時間をつくる。
着たかった服を着る。
疲れている日は、夕食を簡単にする。
特別なことをする必要はありません。
自分を大切にする選択を少しずつ重ねると、心に余白が生まれます。
心に余白ができると、夫に対する
「察してほしい」
「分かってほしい」
という苦しい期待も、少しずつ和らいでいきます。
それは、夫への愛情がなくなるということではありません。
自分の幸せを、相手の反応だけに預けなくなるということです。
会話は、明るい挨拶からで大丈夫
心に少し余白が生まれたら、夫との会話は、明るい挨拶から始めてみてください。
「おはよう」
「おかえりなさい」
たった一言でも、声の温度は伝わります。
いきなり夫婦の将来について話し合う必要はありません。
挨拶が自然になってきたら、
「今日は、ちょっと疲れちゃった」
「これ、おいしかったから食べてみて」
そんな本音のひとことを、そっと渡してみてください。
相手を変えようとする言葉ではなく、自分を少しだけ開く言葉です。
返事がそっけない日があっても、がっかりしなくて大丈夫です。
長い時間をかけて閉じた心の扉は、一度の会話ですぐに開くものではありません。
少しずつ、
「ここでは本音を話しても大丈夫」
という空気を、夫婦の間に戻していけばよいのです。
夫婦の会話は、自分との会話から始まります
夫との会話を取り戻すために、夫を無理に変える必要はありません。
まずは、
自分の本音に気づくこと。
自分を小さく満たすこと。
明るい挨拶から始めること。
順番は、いつも自分からです。
「このままでいいのかな」と感じた今は、関係を見つめ直すタイミングなのかもしれません。
その違和感は、あなたの心が、
「本当は、まだ諦めたくない」
と伝えているサインでもあります。
焦らなくて大丈夫です。
まずは今夜、自分にこう聞いてあげてください。
「私は、本当はどうしたい?」
夫との関係を良くしたい。
でも、何から始めればいいのか分からない。
そんなときは、一人で答えを出そうとしなくても大丈夫です。
夫婦関係カウンセリングでは、今のお気持ちを丁寧に整理しながら、あなたに合った小さな一歩を一緒に見つけていきます。
必要なときは、お話を聞かせてください。