Claude CodeやCursorで作ったツールの修正相談で、一番時間がかかるのはコードを直す作業ではありません。
「今どこまで動いているのか」
「本来どう動くのが正しいのか」
ここを探す時間です。
画面のスクリーンショット1枚と「動きません」だけでは、Claude Codeも人間も迷子になります。
■ AIで途中まで作れるからこそ引き継ぎが増える
ChatGPT、Claude Code、Cursorを使えば、以前なら外注しないと作れなかった画面やツールを、自分で形にできるようになりました。
これは普通にすごいです。
ログイン画面を作る。
Excelを読み込む。
検索画面を作る。
PDFを出す。
ボタンを押したらデータを更新する。
ここまで動くものが、数日でできることもあります。
ただ、途中で止まるポイントはだいたい似ています。
・一部だけデータが更新されない
・PCでは見えるがノートPCで崩れる
・スマホ表示でボタンが重なる
・件数が増えると最後までスクロールできない
・修正したら別の機能が動かなくなる
・自分のPCでは動くが他の人のPCでは動かない
・公開方法が分からない
・コードが増えすぎて、どこを触ればいいか分からない
ここから先は、コード生成よりも現状確認と切り分けが重要になります。
■ 「動かない」では原因を絞れない
少し意地悪に聞こえるかもしれませんが、
「動かないです」
だけでは、ほぼ何も分かりません。
動かないには、いろいろあります。
・画面が開かない
・ボタンが反応しない
・途中でエラーになる
・保存はできるが再表示されない
・特定のデータだけ失敗する
・見た目が想定と違う
・処理は成功しているが結果が見えない
全部、直し方が違います。
たとえば「登録ボタンを押しても更新されない」という相談でも、
・JavaScriptのイベントが呼ばれていない
・対象データのIDが違う
・SQLの更新条件が間違っている
・更新後の再読込がない
・画面だけ古い値を持っている
・エラーを握りつぶしている
このどれかもしれません。
だから、コードを見る前に現象を言葉にします。
■ 最初に渡してほしい7つの材料
修正相談をするときは、完璧な設計書はいりません。
次の7つがあると、かなり早く状況をつかめます。
1. 現在のソース一式
一部のファイルだけではなく、実行に必要なフォルダをまとめます。
ZIPで大丈夫です。
「たぶんこのHTMLだけです」と思っていても、実際にはCSS、JavaScript、設定ファイル、DB、Excelが関係していることがあります。
2. 起動方法
・どのファイルを開くのか
・どのコマンドを実行するのか
・必要なPythonのバージョン
・仮想環境を使うのか
・サーバー上で動かすのか
この情報がないと、まず起動方法の発掘作業から始まります。
考古学です。
3. 正しい動き
「現状」だけではなく「本来どうなってほしいか」を書きます。
例
・900件以上あっても最後の項目まで表示したい
・登録ボタンを押したら対象レコードの値を更新したい
・アーカイブ欄を図面枠の下に表示したい
・ノートPCでもスクロールなしで主要項目を見たい
正解が分かれば、修正後の確認もできます。
4. 再現手順
何をすると問題が起きるのかを書きます。
例
・アプリを起動
・左右別々検索を選択
・対象データを入力
・登録ボタンを押す
・画面は変わるがDBが更新されない
この順番があるだけで、調査はかなり進みます。
5. エラー画面とログ
エラー画面は、途中で切らずに全体を保存します。
黒い画面に出ている英語も必要です。
「英語だから関係なさそう」と閉じると、一番大事な行が消えます。
あります。
6. サンプルデータ
個人情報を除いたダミーデータで大丈夫です。
件数や文字数が原因の場合、10件では再現せず、900件で初めて起きることがあります。
データ量は仕様です。
7. 触ってほしくない部分
・この画面の見た目は変えない
・Excelの保存場所は変えない
・既存DBの形式は維持する
・このボタン名は利用者が覚えているため変えない
この条件は先に伝えた方が安全です。
■ 最小の引き継ぎメモ
「7つも用意できない」と思ったかもしれません。
はい。
分かります。
その場合は、次のテンプレートだけで大丈夫です。
【ツールの目的】
何をするためのツールか
【現在動くこと】
どこまでは使えるか
【困っていること】
何をすると、どうなるか
【正しい状態】
本当はどうなってほしいか
【起動方法】
どのファイル、コマンドから起動するか
【環境】
Windows、Mac、Pythonの有無、利用ブラウザなど
【添付】
ソースZIP、エラー画像、サンプルデータ
これだけでも、かなり違います。
文章がきれいである必要はありません。
箇条書きで大丈夫です。
■ 見た目の修正ほど実画面が必要
最近も、画面の一部が図面や別の枠に重なる問題を調整していました。
最初の画面ではきれいに見えても、別のノートPCでは高さが足りません。
それで重なりを直そうとして、全体を小さくすると、今度は文字も図面も小さすぎます。
はい。
重なりを直したかっただけなのに、全部縮めたことがあります。
終わってる。
画面修正では、次の情報が重要です。
・ディスプレイ解像度
・ブラウザの表示倍率
・ノートPCかデスクトップか
・縦横の利用可能サイズ
・スクロールを許可する場所
・固定したい部分
・重なってはいけない部分
「自分の画面では大丈夫」は、本番確認ではありません。
利用者の画面でどう見えるかが正解です。
■ AI生成コードは完成品ではなく初稿
2026年3月に公開されたAI生成コードの大規模調査では、複数のAIコーディング支援ツールについて、15%を超えるコミットが何らかの問題を追加したと報告されています。
対象は30万件を超えるAI作成コミットです。
ただし、ここで言いたいのは「Claude CodeやCursorは危険」という話ではありません。
人が書いたコードにもバグはあります。
重要なのは、AIが作ったコードも確認工程が必要ということです。
・要件どおりか
・既存機能を壊していないか
・データを失わないか
・エラー時に戻せるか
・ログが残るか
・別環境でも動くか
・あとから修正できるか
生成速度が上がった分、確認の速度も上げないといけません。
Claude Codeが10分で1000行追加してくれる。
人間がその1000行を見ずに本番へ出す。
それはちょっと怖いです。
便利なものほど、止める場所が必要なんですよね。
■ 修正前に作り直し判定をする
途中までできたツールは、必ずしも全部作り直す必要はありません。
まず、次の3つに分けます。
そのまま使える部分
・動作が安定している
・要件と合っている
・コードが分離されている
修正して使える部分
・原因が限定されている
・既存構造を生かせる
・影響範囲が読める
作り直した方が早い部分
・同じ処理が複数箇所にコピーされている
・設定値がコード内に散らばっている
・保存処理が一貫していない
・エラー処理がない
・画面とデータ処理が完全に混ざっている
全部作り直すと安心に見えます。
でも、動いている部分まで捨てると、確認項目も増えます。
逆に、無理に継ぎ足すと、1か所直すたびに別の場所が壊れます。
この判断を最初にするだけで、見積もりも納期も現実的になります。
■ 修正を頼むときに全部説明できなくても大丈夫
ここまで読むと、「整理できるなら自分で直せるのでは」と思うかもしれません。
全然そんなことはありません。
ツールの目的は分かる。
ただ、どのファイルが関係しているか分からない。
エラーは出ている。
でも、原因は分からない。
この状態で十分です。
こちらでソース、画面、ログ、データの流れを確認して、原因を切り分けます。
必要なのは、完璧な説明ではなく、
「何に困っているか」
「どうなれば使えるか」
この2つです。
■ Claude Code・Cursorで止まったツールを確認します
次のような状態であれば、途中からの引き継ぎや修正相談が可能です。
・Claude Codeで作ったがエラーが消えない
・Cursorで修正したら別機能が壊れた
・ChatGPTに聞きながら作ったが公開方法が分からない
・PCごとに画面が崩れる
・大量データで動かなくなる
・保存や更新だけ失敗する
・既存コードを全部作り直すべきか判断してほしい
・コードレビューとデバッグをしてほしい
現役エンジニアによる修正・原因調査はこちらです。
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