いい人なのに、ときめかないのは

いい人なのに、ときめかないのは

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食事は楽しかった。
話もちゃんと聞いてくれたし、帰り道も気づかってくれた。
「いい人だな」と、心から思う。

それなのに、駅のベンチで一人になると、胸の奥が静かなままなのに気づく。
次に会う約束を考えても、なぜか気持ちが前へ出てこない。

そして、こう思ってしまう。
「こんなにいい人なのに。私、どこかおかしいのかな」

もし今夜、そんな帰り道の中にいるなら、少しだけお付き合いください。



 ときめかないのは、冷たいからではありません

いい人に心が動かないとき、多くの方はご自身を責めます。
理想が高すぎるのではないか。人を好きになる力が、弱くなってしまったのではないか。

けれど、心が動かないことと、愛せないことは、同じではありません。
ときめきは、相手の良さを測るものさしではないからです。

 強く惹かれるのは、慣れている形だから

水面は、見慣れた形ほど、くっきりと映します。

これまで強く惹かれてきた人を、思い返してみてください。
なかなか本心を見せない人。少し手の届かない人。こちらが追いかける形になる人。
外見も出会い方も違うのに、どこか同じ温度をまとっていなかったでしょうか。

強い引きが起きるのは、その形に心が慣れているからです。
慣れている形には、安心とは別の、知っている胸の高鳴りがあります。
そして、知っている高鳴りの先には、知っている終わり方が待っていることもあります。

 静かな人は、静かにしか映りません

反対に、穏やかで、まっすぐで、駆け引きのない人は、水面を大きく揺らしません。
揺れないから、「何も感じない」と思ってしまう。

でもそれは、感じていないのではなく、見慣れない形を、まだうまく映せていないだけかもしれません。
ときめかないことが、そのまま「合わない」という答えになるとは限らないのです。

もちろん、無理に好きになる必要はありません。
ただ、通り過ぎる前に、その静けさが何なのかを、一度だけ確かめてみてもいいのだと思います。

 今夜できる、小さなこと

今日会った人と過ごした時間の中で、ご自身がいちばん楽に息をしていた瞬間を、一つだけ思い出してみてください。

笑ったとき。黙っていても気まずくなかったとき。素の言葉がこぼれたとき。
どんな小さな場面でも構いません。

そして、これまで強く惹かれた人と一緒にいたとき、同じように楽に息ができていたかを、そっと比べてみてください。
答えを急ぐ必要はありません。比べてみるだけで、水面に映るものは少し変わっていきます。

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未来を決めつけることも、不安を煽ることもいたしません。
当てるためではなく、映すために視ています。

水鏡霊視師・凪月
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