芥川龍之介『ひょっとこ』を読んで気づいた、「そんなに悩みすぎる必要はない」という救い

芥川龍之介『ひょっとこ』を読んで気づいた、「そんなに悩みすぎる必要はない」という救い

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コラム
こんにちは。せいおです。
長らくブログの更新が止まってしまい、すみません…!

部署を異動して間もないのですが、プチ繁忙期のような状態に入ってしまい、連日9:30出社・22:30〜25:00退勤という私にとっては過酷な2週間を送っていました🫠

幸い世間はシルバーウィーク。私の会社も土日祝休みのため、昨日(土曜)はお気に入りの座椅子で久しぶりにゲームをやり込み、疲労のまま早い時間に寝落ち。今朝7時にスッキリ目を覚まし、お風呂に入って今これを書いています。

いつもなら最低限お風呂に入る気力くらいはあるのですが、それすら後回しにしてしまう時点で、心身ともにかなり限界が来ていたんだなぁと感じました……。

(この連休もお仕事だという皆様、本当にお疲れ様です。 支えてくださる皆さんのおかげで誰かの休日が成り立っています。いつも本当にありがとうございます。あまりご無理なさらないでくださいね😇)

さて、そんな怒涛の日々だったのですが、先日たまたまお昼休みに少し元気が残っているタイミングがあり、久しぶりに読書をしました。
読んだのは、芥川龍之介の『ひょっとこ』という短編作品です。

※ここからはネタバレを含みますのでご注意ください!※

お昼休みに読んだ、芥川龍之介『ひょっとこ』

久しぶりの文豪の作品ということもあり、正直「ちょっと難しいな…」と感じたのですが、短い時間の中で自分なりにいろいろと考えながら読んでみました。

特に印象に残ったのは次の3つのポイントです。

橋の上で冷笑する群衆
   冒頭、橋の上から船の上の人々を「バカみたいだ」と冷笑している群衆が描かれます。ですが、彼らは自分たちが船に乗るお金も勇気もないから冷笑しているだけで、実際船の上には頭や長のような、お金や地位がありそうな人たちが乗っていました。その対比にどこか皮肉を感じました。

酒と「ひょっとこの面」に隠された平吉の本質
   主人公の平吉は、普段は素面だと自分に自信がなく、「自分は嘘つきでどうしようもない奴だ」と思い悩んでいる人物です。だからこそ、お酒と「ひょっとこの面」という仮面の力を借りて、やりたいことを表現していました。
   自分では「どちらが本当の自分かわからない」と葛藤していましたが、周りからは「ひょうきんで愛嬌がある」と見られていた。自分自身が思い悩んでいる自己評価よりも、周りの評価は案外いい方向に映っていたのかもしれない……そんな優しさを感じました。

突然訪れる平吉の「死」
   物語の終盤、平吉は船の上で踊った挙句、あっけなく死んでしまいます。なぜ芥川はこの作品で平吉を死なせたのか、その意図だけがどうしても自分の中で噛み砕けませんでした。

AIと対話して気づいた、作品の「残酷さ」と「救い」

この「分からなかった部分」について、お昼休みの限られた時間の中でGemini(AI)と、対話を重ねてみました。
Geminiとの対話を通して知ったのは、平吉が死んだ後に「ひょっとこの面」だけが残される描写や、彼の死が新聞の片隅に小さく載るだけという結末には、人間の命の儚さや、世間から見れば一人の人間など「その他大勢」に過ぎないという、芥川特有の冷徹な現実が込められているということでした。

ですが、AIと対話しながら思考を整理しているうちに、私は少し胸が熱くなり、涙ぐんでしまいました。

平吉本人にとってみれば、夜も眠れないほど深い悩みや、家族との歴史、たくさんの人生のドラマがあったはずです。けれど、世間から見れば死んでも新聞の端にしか載らない存在でしかない。

一見すると残酷な話ですが、私にはそれが「救い」のように感じられたのです。

世間や周りの人は、私たちが思うほど一人一人のことを気にしていない。だから、何かあっても夜も眠れなくなるほど思い悩む必要なんてないんだということ。
そして、自分が「ダメなやつだ」と卑下していても、周りから見れば素面の自分も、酔って誤魔化している自分も、どちらも愛される「平吉」であったように、自分の評価と相手からの評価は違っていて、思っている以上に温かく見られているということ。

「周りはそこまで気にしていないし、仮に見られていたとしても思ったより悪く思われていない。だから、そんなに悩みすぎる必要はないんだよ」と、優しく語りかけられたような気がしました。

HSPな私だからこそ、胸に刺さったのかもしれない

読み終わって涙ぐんでしまったのは、連日の仕事の疲れもあったと思いますが、私自身にHSP(繊細さん)の気質があるからでもあるのかな、と感じています。

普段の仕事でも、他の人がそこまで気にしないような細かい部分まで気になってしまったり、ただ外出するだけでも人一倍エネルギーを使ってドッと疲れてしまったり……。

そんな風に、日常のあらゆる刺激を敏感に受け取ってしまう私だからこそ、平吉の「周りからどう見られているか」という葛藤や、世間の無頓着さがもたらす救いのメッセージが、人一倍深く心に刺さったのかもしれません。

日々懸命に生きていると、自分の振る舞いや「本当の自分」について不安になることがあります。でも、人間なんて世間から見ればちっぽけで、周りもそこまで気にしていません。
だからこそ、もう少し肩の力を抜いて、気楽に過ごしていけたらいいですよね。
皆さんももし機会があれば、短編文学の世界にふっと身を沈めてみてはいかがでしょうか。

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