「AIを積んだEAを作りたい」という相談で、いちばん多く止まるのが費用の話だ。開発費は出品ページに書いてある。分からないのはその先。APIというものに毎月いくら払うことになるのかが読めない。
聞かれ方はだいたい同じで、「動かしっぱなしにしたら数万円いきますか」「気づいたら請求が来ていた、という話を見たので怖い」。相場が荒れた日に急に膨らむのでは、という心配もよく出る。
結論から書く。この費用は事前に計算できる。運任せの数字ではない。掛け算が2つあるだけだ。今回はその型を置いていく。読み終わったら、自分の運用条件で月額の見当がつくはずだ。
本体価格の外に従量課金がある
EA本体は買い切り。AIのAPIはその外側にあって、支払い先は各AI提供元になる。当方を経由しないし、当方への月額も発生しない。ただしAI側の仕様が変わったときは、EAのアップデートが必要になる場合がある。その分は別途ご相談ください。
月額課金のサービスとは料金の形が違う。定額ではなく、AIに聞いた回数ぶんだけかかる。EAを止めている月はほぼゼロだ。裏を返せば、上限を決めているのは料金表ではなく自分の設計になる。
だから「毎月いくらか」を先に考えても答えが出ない。出すべきは「1回いくら」と「何回聞くか」の2つ。この2つが決まれば、あとは掛けるだけになる。
1回の判定は何トークンか
当方が組むAI搭載EAでは、発注の直前にAIへ相場情報を送って「買い/売り/見送り」を判定させる。この1往復の目安が、入力4,000トークン・出力150トークンだ。
入力が圧倒的に多い。直近の値動き、インジケータの値、いま持っているポジションの状況を、まとめて文章にして渡すからだ。人がチャートを見て判断するときに目に入れている材料を、そのまま文字にして送っていると思えばいい。
出力が150しかないのは、返してもらうのが判定と一行の根拠だけだからだ。決まった形式で崩さず返させる。ここを「詳しく解説させる」作りにすると、判断の精度は上がらないのに費用と待ち時間だけ伸びる。
モデル別の1回の単価
1ドル150円で換算した目安を並べる。
金額は2026年9月時点の公開料金をもとにした概算だ。料金も為替もモデルの世代も動くので、発注前に最新の単価を各提供元の料金表で確認してほしい。
単価の差は5倍あるが、1日20回なら月の差は1,300円ほど。ここを何日も悩むほうが高くつく。
実際にモデルを選ぶ基準は単価ではない。長い相場情報を渡しても指示どおり動くか、「見送り」をきちんと選べるか、判定を決まった形式で崩さず返すか。当方がClaudeを標準にしているのはこの3点による。安いモデルにして返答が崩れると、作り直しや再送で回数が増え、結局は安くならない。
低コスト寄りのものも含めてモデルを切り替えられる形で作っておくと、後から単価だけ動かせる。新しいモデルが出たときも差し替えで済む。
判定回数から月額を出す
計算はこれだけだ。1回の単価 × 1日の判定回数 × 月の稼働日数。
1日20回・月22営業日で回すとして、Haiku 4.5 なら 0.7円 × 20 × 22 = 約300円。Opus 5 なら 3.6円 × 20 × 22 = 約1,600円。おおむね月300〜1,600円の幅に収まる。缶コーヒー1本分から、昼食1回分くらいの帯だ。
1日100回まで増やすと、同じ計算でHaikuが約1,500円、Opusが約7,900円。増え方は素直で、回数にそのまま比例する。逆に言えば、想定より膨らむときの原因は料金体系ではなく呼び方の設計にある。
では1日の判定回数は何で決まるか。通貨ペアの数と時間足だ。ここを決めた時点で月額はほぼ確定する。
出し方はこうだ。15分足なら確定足は1日96本。3ペア動かせば288本。そのうちテクニカルの条件が揃うのが仮に1割なら、1日およそ29回になる。あとは単価を掛ければ月額が出る。裏返せば、ペアと足が決まっていない段階で費用だけ見積もろうとしても意味がない。
注意点をひとつ。検証のために短期間でまとめて回すぶんは、本番の運用と分けて見ておく。本番より短い時間に多く呼ぶことになるので、そこだけ安いモデルに切り替えるのが現実的だ。
回数を減らす作り方
単価を下げるより、呼ぶ回数を減らすほうが効く。回数が半分になれば費用も半分になる。
いちばん効くのは、テクニカルで先に絞ることだ。当方の作りでは、AIに聞くのは発注の直前だけにしている。何も起きていない足で毎回聞く必要はない。
次がティック単位で呼ばないこと。確定足で1回に固定する。ここを甘く作ると、同じ1本の足の中で何十回も呼んでしまう。費用が想定より膨らむ原因は、たいていこれだ。
時間足そのものも効く。1分足で回していたものを15分足にすれば、単純に呼び出しは1/15になる。判定のたびに材料が変わるほど相場は動いていないことも多いので、まず足を上げてから考えるほうが早い。
あわせて、API側が落ちたときにテクニカルのみで継続するフォールバックも入れておく。費用の話ではないが、止まらない作りにしておくと無駄な呼び直しも減る。
APIキーは誰の名義か
最後に、意外と見落とされる点。そのEAはAPIキーを誰の名義で使うのか。
開発者名義のキーが埋め込まれたEAだと、使った分は開発者の請求書に載る。ならばどこかで月額として回収されるか、使用量に制限がかかるかのどちらかになる。買い切りのはずが毎月の支払いに変わる、という食い違いはここから起きる。
当方はAPIキーを付けない。購入者ご自身で発行していただき、EAのパラメータに設定する形にしている。利用料も各AI提供元へ直接お支払いいただく。手続きは公式サイトでアカウントを作ってキーを発行するだけで、そう長くはかからない。
APIキーが自分名義なら、上限も止め時も自分で決められる。
利点は費用より管理のほうが大きい。上限額や使用量の通知を自分で設定できるし、EAを止めれば支払いも止まる。ひとつだけ気をつけたいのはキーの扱いで、EAを誰かに渡すときにキーごと渡してしまわないこと。キーは口座と同じで、持っている人が使えてしまう。
当方はMT5向けのAI搭載EAを開発しています。標準はClaudeで、他のモデルへ切り替えられる形にしてお渡ししています。
想定している通貨ペアと時間足さえ決まっていれば、月あたりいくらになるかはご相談の段階でお出しできます。まずはココナラのメッセージからお気軽にどうぞ。