外国人観光客の宿泊施設に対する評価とニーズ調査

外国人観光客の宿泊施設に対する評価とニーズ調査

記事
コラム
はじめに

日本に旅行に来た観光客が、利用した施設についてアンケートに答えた結果がこれ!
民泊施設や旅館業をお考えの方に、この資料は必須ですね

宿泊施設への不満点(課題)

客室の広さ:設備の古さ:日本の宿泊施設に対する全体満足度は9割超と高い一方で、「部屋が狭い」、「設備が汚い・古い」といった不満が指摘されています​(JSTAGE.JST.GO.JP)
特に日本の旅館では建物の老朽化や清潔感への不満につながるケースがあります。

料金の高さ:「料金が高い」との声もあり、価格に見合う価値を感じられない場合に不満を抱く傾向があります​
(JSTAGE.JST.GO.JPより)
宿泊費が高騰すると感じる訪日客もおり、コストパフォーマンスの高さが求められます​(FASTTRAINLTD.COMより)

言語:コミュニケーション:フロントでのチェックイン時や問合せ時にスタッフと言葉が通じないことが大きなストレスです​
(AIRTERAS.COMより)
​(SANGYO-RODO.METRO.TOKYO.LG.JP)
観光庁の調査でも「施設等スタッフとのコミュニケーションが取れない」が22.5%で上位の困り事となっています​
(AIRTERAS.COMより)
スタッフが英語を話せない、館内案内が多言語対応していないといった指摘が多く、実際東京の調査でも宿泊施設で不満を感じた理由のトップは「スタッフが英語を話せなかった」ことでした​
(SANGYO-RODO.METRO.TOKYO.LG.JPより)

おもてなし:対応不足:「日本人と交流できなかった」「無視されていると感じた」など、期待していたホスピタリティが感じられないという不満もあります​(JSTAGE.JST.GO.JPより)
例えばスタッフから利用方法の説明がなく困惑したケース(「日本食の食べ方が分からず困ったが教えてくれなかった」等)も報告されています​
(JSTAGE.JST.GO.JPより)
言語の壁も相まって、必要な情報提供や心配りが不足すると不満に直結します。

利便性/その他:観光中にゴミ箱が少ない(30.1%)​
(AIRTERAS.COMyより)
無料Wi-Fi環境の不足(31.5%)
(FORBESJAPAN.COMより)
など、日本滞在中の生活インフラ面での不便さも指摘されています。宿泊施設内でも高速で安定したWi-Fiは今や必須であり、ごみ処理方法の案内不足も戸惑いを生むため、設備・サービス面での配慮が求められます。

宿泊施設に満足した要因(好評価ポイント)

立地とアクセスの良さ:主要観光地や駅へのアクセスが良い立地は高い満足につながります。公共交通の利用方法に不慣れな訪日客にとって、宿からの分かりやすいアクセス案内や駅近のロケーションは旅行の安心感を高めます​
(AIRTERAS.COMより)
実際、米国人旅行者の調査では「公共交通機関の利便性」が満足度要因の一つとして挙げられています​
(JSTAGE.JST.GO.JPより)

清潔さと安全性:清潔で整った設備、十分なセキュリティは安心して宿泊できる基本条件です​(AIRTERAS.COMより)
日本のホテルは清掃が行き届き治安も良い点で概ね高評価を得ており、「とても満足」「満足」と回答した訪日客が9割超にのぼっています​
(JSTAGE.JST.GO.JPより)

日本らしい体験要素:外国人にとって魅力的なのは日本独自の雰囲気や体験が得られる宿です。畳敷きの和室、和食の提供、浴衣、日本庭園、露天風呂などは日本人にとって特別ではなくとも、外国人には新鮮で魅力的な要素です​
(JSTAGE.JST.GO.JPより)
実際、欧米の宿泊客には畳やふすま等のある伝統的な旅館が人気で、温泉入浴も強い関心を集めています​
(JSTAGE.JST.GO.JP/BEENOS.COMより)

*こうした和の内装・体験は高い満足度につながりやすい傾向があります。
充実したアメニティ・サービス:無料Wi-Fi、十分なコンセントや変圧器の用意、豊富なアメニティ(タオルやアメ用品)など細かな設備充実は快適さを左右します。例えば、成田空港周辺ホテルの調査ではフィットネスジムや無料シャトルバスを備えたホテルが外国人から高評価を得ています​
(JSTAGE.JST.GO.JPより)
館内設備が整い、必要なサービスが揃っている宿は「便利で快適」と感じられ満足度が上がります。

ホスピタリティとスタッフ対応:言語対応を含めスタッフの親切で丁寧な対応は滞在満足度を大きく左右します。観光立国に関する調査でも、日本のおもてなし精神に対する評価は高く、中国人旅行者に関する研究では「温泉」と「おもてなし」が期待以上に満足度が高かったとの結果があります​
(JSTAGE.JST.GO.JPより)
また宿泊客の口コミ分析によると、「美味しい」「嬉しい」「楽しい」「広い」「気持ちよい」などポジティブな感情を抱かせる体験が高評価に繋がっており​(JSTAGE.JST.GO.JPより)、スタッフの気配りやフレンドリーさによる居心地の良さがリピーター獲得の鍵ともいえます。


リピーターになるための条件(再利用意向を高める要素)

滞在の快適さと安心感:前述のように基本的な快適さ(清潔さ・静かさ・Wi-Fi等)とホスピタリティが満たされていることが大前提です。ある調査では宿泊先に満足した場合、同じ宿に「また泊まりたい」と考える人が98.7%にも達しました​(BEENOS.COMより)
満足度の高い滞在体験そのものがリピーター獲得につながります。

スタッフとの交流・おもてなし:外国人客は「心に残る体験」を求める傾向があり、宿での何気ない交流や特別なもてなしがあれば再訪意向は高まります。米国人対象の調査では旅行目的の重要因子に「出会い・交流」が含まれ、現地の人との触れ合いや「新しい体験」が強く求められていました​
(JSTAGE.JST.GO.JPより)
スタッフが親身になって対応し、文化体験の手助けをしてくれる宿は「次回もぜひ」と思わせる要因になります。

柔軟さとパーソナル対応:決まりきったサービスではなく、ゲストのニーズに合わせた柔軟な対応が評価されます。例えば旅館の二食付き定額プラン(夕朝食付きの時間厳守の食事)は行動の自由度を奪うため敬遠されがちだと指摘されています​(JSTAGE.JST.GO.JPより)
チェックイン/アウト時間や館内ルールの柔軟性、要望に応じた対応(深夜の到着対応、荷物預かり等)があると「また利用したい」という安心感につながります。

独自性・思い出に残る体験:快適さに加え、その宿ならではの特徴的な体験を提供できるとリピート率向上が期待できます。他では味わえない景色・建物、地域文化の体験(例:地元の料理教室や伝統工芸体験付き宿泊など)は滞在を「特別な思い出」として印象付けます。旅行者アンケートでも「日本のおもてなし」「料理の味と価格」「観光施設や宿泊施設のサービス充実」が再来訪(日)を促す要因とされました​(JSTAGE.JST.GO.JPより)
民泊でも地元ならではの雰囲気やオーナーとの触れ合いがあれば、次回の訪問時にも同じ宿を選ぶ動機となります。


「次回泊まりたい宿」の希望・特徴

伝統的な日本の宿への関心:訪日外国人に「次回日本でしたいこと」を尋ねた観光庁調査では、「旅館に宿泊」を挙げた人が31.4%にのぼりました​
(MLIT.GO.JPより)
普段ホテルを利用している人でも、次回は和風旅館や温泉宿に泊まりたいと考える人が多いことが分かります。畳の和室や露天風呂、伝統建築など日本らしい宿への憧れが根強く、「次はぜひ本格的な旅館を体験したい」というニーズが伺えます。

より広い空間・貸切滞在:家族連れやグループ旅行者を中心に、「次回は広い部屋や一軒家貸切の宿に泊まりたい」という希望も増えています。Airbnbの動向によれば、都市部より地方を選んででも広いスペースを求める利用者が増加しており、地方滞在の割合が2019年の3.3%から2023年には9.2%に上昇しています​(TRAVELVOICE.JPより)
プライベート空間でゆったり過ごせる別荘タイプの宿やコンドミニアム型の民泊は、次回以降の滞在先候補として人気が高まっています

ユニークな宿泊体験:リピーターほど「前回とは違うユニークな宿に泊まってみたい」という傾向もあります。例えば古民家を改装した宿、寺社の宿坊、カプセルホテルやコンセプトルームなど、一風変わった宿に関心を示す声も多いです​(RECRUIT.CO.JPより)

リクルートの調査事例:宿泊自体が観光コンテンツとなるような特徴的な宿(ツリーハウス、グランピング施設等)も「次回は試してみたい宿」として挙げられています。

信頼できるブランド・リピーター割引:特にホテルチェーンでは「次回も同じブランドを選びたい」という安心感重視の層も存在します。設備やサービス内容が標準化されていてハズレがない安心感や、会員プログラムによる特典・リピーター割引があると、「次もここに泊まろう」という動機になります。逆に民泊では前回のホストとの信頼関係から「また同じホストの宿に泊まりたい」と思うケースも見られ、レビュー評価の高い宿は次回候補として選ばれやすくなります。

地域差・国籍によるニーズの違い
アジア圏と欧米圏の志向:一般に、欧米豪の旅行者は日本文化への関心が高く、伝統的な宿や地元の人との交流を重視する傾向があります。一方で東アジアの旅行者(中国・韓国・台湾など)はショッピングやグルメ目的が強く、宿には快適性や利便性を求める傾向が強いとされます​
(JSTAGE.JST.GO.JPより)
例えば欧米の若いバックパッカー層ではゲストハウスでの交流体験(オーナーや他の旅行者との交流)が魅力となり​、中国人旅行者では旅館のおもてなしや温泉体験に高い満足を示す一方、言語面の不安解消や無料Wi-Fiなど利便設備も重視します​
(JSTAGE.JST.GO.JPより)

滞在日数や旅行スタイルの違い:近隣の韓国・台湾などはリピーターが多く短期滞在を繰り返す人が多いのに対し、欧米豪は渡航回数は少なくても一度の滞在が長期滞在になりがちです​
そのため欧米豪客は洗濯設備付きの宿やキッチン付きの宿など長期滞在向け設備を好む傾向があり、逆に近距離圏のリピーターはお気に入りのホテルを毎回利用するなどお気に入り固定化の傾向があります。台湾人旅行者は特にリピート率が高く、前述の通り宿に満足した場合ほぼ全員が同じ宿を再利用したいと回答しています​
(BEENOS.COMより)

宗教・食文化への配慮:中東や東南アジアのムスリム圏からの旅行者など、宗教的ニーズを持つ層もいます。ハラール対応の食事提供や礼拝マットの貸出、浴場とトイレの分離など文化・宗教上の配慮は国籍によっては重要です​
(AIRTERAS.COMより)
欧米圏でもベジタリアンやアレルギー対応など食のニーズは様々で、宿泊客のバックグラウンドに応じた柔軟なサービスが求められます。

言語ニーズの差:英語が共通語として通じる欧米圏・インド・シンガポール等の旅行者と、母国語対応を求める中国・韓国・タイなどの旅行者とでは必要な言語サポートも異なります。一般に英語対応は必須ですが、中国語や韓国語での案内を用意しておくと該当国籍の安心感は格段に上がります​
(SANGYO-RODO.METRO.TOKYO.LG.JPより)

国別のアンケートでも、多言語表示の充実を求める声は中国・タイなどで高く、日本語以外の案内が少ない宿はそれだけで敬遠される可能性があります。


求められる民泊施設像の傾向と提案ポイント

以上の調査結果から、訪日外国人に選ばれる民泊施設を設計・改装する際に重視すべきポイントの傾向が見えてきます。

十分な広さと快適性:外国人から「狭い」と感じられないゆとりある空間設計が望まれます。可能な限り客室やベッド周りのスペースを広く確保し、荷物を広げても窮屈にならない動線を確保します。リビングやキッチンなど共用部がある場合も、団欒や食事がゆったり楽しめる広さ・レイアウトにすることで満足度が向上します​
(JSTAGE.JST.GO.JP/TRAVELVOICE.JPより)

清潔さと最新設備の確保:老朽化した水回りや家具はリフォームで刷新し、清潔感を演出します。古い畳や障子も定期的に張り替えて快適性を保ちましょう。浴室・トイレの衛生管理や寝具の清潔さは特に重視されるため、清掃基準を高く維持します​(JSTAGE.JST.GO.JPより)
また空調や給湯、照明などのインフラも安定稼働するよう点検し、無料Wi-Fiや十分なコンセント数など現代的設備を完備することが基本です。​
(FORBESJAPAN.COM/AIRTERAS.COMより)

防音対策とプライバシー:日本の住宅は壁が薄く音漏れしやすい場合がありますが、深夜の物音は外国人客にとってストレスになり得ます。可能な範囲で防音扉・窓の導入や遮音カーテン、カーペット敷設などで騒音対策を強化しましょう(隣室や上下階の足音対策も含む)。プライバシー確保のため、窓には遮光カーテンと併せ目隠し対策を施し、浴室・トイレは可能な限り独立型とするなど安心感を高めます。
また、チェックイン方法や館内設備の使い方、ゴミの分別方法、非常時の連絡手段などについては英語をはじめ多言語で明確に表示します​
(AIRTERAS.COMより)
案内冊子やサイン類はイラストやピクトグラムも活用し、言語に依存しない分かりやすさを追求します。スタッフと直接対面しないセルフチェックイン型の場合は、事前に電子案内を送付するなどフォローを徹底します。言語対応できるスタッフを配置できればなお望ましく、難しい場合でも電話通訳サービスの導入など検討します​(SANGYO-RODO.METRO.TOKYO.LG.JPより)
日本らしさと独自の内装デザイン:和の要素を取り入れたデザインは外国人に好評です。例えば一部屋だけ畳スペースを設ける、障子風のインテリアや和アートを飾る、間接照明で畳の縁や木目を美しく見せる等、和モダンな演出は「日本に来た」という特別感を与えます​(JSTAGE.JST.GO.JPより)
ただし行き過ぎた和風(古すぎる調度品等)は不便に繋がる場合もあるため、ベッドや洋式トイレなど根幹はモダンな快適性を確保しつつ、アクセントとして和の雰囲気を調和させると良いでしょう。

体験コンテンツと地域らしさ:宿泊そのものに付加価値を付ける発想も重要です。希望者には茶道・着付けなど日本文化体験プログラムを提供したり、近隣の観光案内や飲食店マップを充実させて地域の魅力発信拠点となる宿づくりが理想です​(JSTAGE.JST.GO.JPより)
民泊オーナー自ら近所を案内するサービスや、地元の食材を使った手料理体験(朝食サービス等)を用意すれば、他にはない思い出を提供できます。こうした取り組みは滞在満足度を高めるだけでなく、「またこの宿に泊まりたい」「知人にも勧めたい」というリピーター・ファンの獲得につながります。
以上のように、訪日外国人のアンケート結果や統計データから浮かび上がった傾向を踏まえれば、「清潔・安心で快適」であることを大前提に、「日本ならではの魅力」と「言語・文化のバリアフリー」を両立させた民泊施設が求められていると言えます​(JSTAGE.JST.GO.JP/AIRTERAS.COMより)

施工・改装の提案においては、単なるハード面の改善に留まらず、ソフト面でのサービス充実も見据えた空間づくりを提示することで、宿泊者の満足度向上とリピーター獲得に繋がるでしょう。 

参考文献・情報源:
(観光庁「訪日外国人消費動向調査」報告、
東京都産業労働局「国・地域別外国人旅行者行動特性調査」令和5年報告書、日本政策金融公庫「訪日旅行に関するアンケート」結果、
JNTOデータ、Airbnb/TravelVoice公開情報など)​
JSTAGE.JST.GO.JP
​SANGYO-RODO.METRO.TOKYO.LG.JP
​MLIT.GO.JP
​BEENOS.COM
その他。







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