「人事評価」と聞いて、ドキッとする方もいるかもしれません。「また自己申告か……」「どうせ上司にどう見られてるかで決まるんでしょ?」そんな気持ち、実は珍しくありません。
でも、評価される側の立場から見ても、人事評価は“自分の仕事や未来を整えるチャンス”です。本記事では、当社で提供している自治体職員向けの「被評価者研修」の内容をもとに、評価を前向きに捉えるヒントをお伝えします。
評価は「されるもの」ではなく「活かすもの」
自己申告欄を記入する際、「なんとなく」で書いたり、過去のものを少し変えて提出したりしていませんか?その気持ち、よく分かります。忙しい日々の中では“とりあえず埋める”ことが目的になってしまいがちです。
でも、人事評価の本来の目的は、「職員一人ひとりの成長支援」です。書くという行為は、「自分を見つめなおす」こと。評価制度は、「点数をつける」道具ではなく、「対話のきっかけ」なのです。
人を動かすのは、具体的な目標
心理学者ロック&レイサムの研究によると、目標を「頑張る」ではなく「1時間に90本運ぶ」と具体的に設定したグループの方が、作業効率が15%以上向上しました。目標が具体的であればあるほど、行動に落とし込まれ、成果が出やすくなるのです。
「SMART」に目標を立てよう
研修の中では、自己申告書の目標欄をSMARTに書き直すワークを実施しました。SMARTとは、目標を立てるときの5つのポイントです。
S:Specific(具体的) 「改善する」ではなく、「何をどう改善するのか」まで落とし込む
M:Measurable(測定可能) 「~件」など、数値化できる目標を入れる
A:Achievable(達成可能) 現実的かつ、少しチャレンジングな水準
R:Relevant(整合性がある) 業務内容や施策との関連が取れているか
T:Time-bound(期限がある) いつまでに? どの時点で進捗を見る?
この視点で目標をリライトしてみると、「思っていたより曖昧だった」「具体的にするとスッキリした」という声が多くあがりました。
脳は目標に反応する
実は、明確な目標は“脳の動き”にも影響します。
RAS(網様体賦活系)という脳の仕組みによって、目標に関する情報を自動的に集め始める
「フロー理論」によると、スキルと難易度が拮抗した“ちょいムズ目標”に人は没頭する
認知的不協和の働きにより、「やる」と宣言したら、人は自然と行動を合わせようとする
つまり、目標を持つことで、無意識レベルで行動や思考が変わってくるのです。目標設定は、単なる事務作業ではありません。未来を動かす“脳のスイッチ”でもあるのです。
自己申告には「書き方のコツ」がある
また、自己申告書の“書き方”にもポイントがあります。
✅ 両面提示
良い点と悪い点の両方を書くと、説得力と誠実さが伝わります。「悪い面→良い面」の順にすると、より印象が柔らかくなります。
✅ 感想ではなく“事実”を書く
「○○に取り組みました」ではなく、「○○を月に○件、実施しました」のように、数字や具体例を入れることが大切です。
書くことは「整えること」
評価や目標を“自分ごと”にするには、まずは「書く」ことから。自分の仕事や意図、思考を整える手段として、評価制度を活用してみてください。
そして、評価は「上司のため」ではなく、「未来の自分のため」に書くものです。
おわりに:評価は対話の入口になる
評価制度に正解はありません。けれど、書き方・向き合い方によって、それは“ただの作業”にも“自己理解の時間”にもなり得ます。
「上司に評価される」のではなく、「上司と未来を描くために、自分の声を届ける」という視点で、次の人事評価に臨んでみませんか?
💬 あなたは、どんな目標を立てていますか?
コメント欄であなたの経験や工夫も、ぜひ教えてください。