今回は、Shopifyのオンラインストアと連動する、Web上の3D製品カスタマイザー開発についてご紹介します。
守秘義務のため、企業名・ブランド名・製品画像などの詳細は掲載できませんが、今後、同様のシステム導入を検討されている事業者様の参考になれば幸いです。
3D製品カスタマイザーとは
3D製品カスタマイザーは、Webブラウザ上で製品を立体的に確認しながら、色や素材、部品などを選択できるシステムです。
今回の案件では、楽器を中心とする複数の3Dモデルに対して、次のようなカスタマイズを行える仕組みを構築・改善しました。
・本体の色や表面仕上げの変更
・金属部品の色変更
・ねじやカバーなど、細かな部品の選択
・モデルごとに異なるパーツ構成への対応
・カスタマイズ内容の保存と再表示
・管理者による代理入力
・お客様による確認と修正
・受注情報や製作仕様書との連動
・Shopifyの商品購入フローとの連携
単に3DモデルをWeb上に表示するだけではなく、選択内容を保存し、注文や製作に使用できるデータとして管理するところまで含むシステムです。
今回の開発で難しかった点
1.モデルごとに3Dデータの構造が異なる
3Dデータは、製品ごとにパーツ名、メッシュの分割方法、材質、UV、親子構造などが異なります。
同じ「ボディ」「カバー」「ねじ」に見える部品でも、モデルによって内部の構造や名称が違うため、単純に同じプログラムを適用するだけでは正常に動きません。
各モデルのGLBやSTEPデータを確認しながら、どのメッシュに、どの色やテクスチャを適用するかを整理しました。
2.実物に近い金属の質感をWeb上で表現する
金色や銀色、黒色は、単純なカラーコードだけでは実物に近い見え方になりません。
特に金属製品では、次の要素が見た目に大きく影響します。
・表面の粗さ
・研磨模様
・光の反射
・金属感
・見る角度による明暗の変化
・テクスチャ画像の方向や倍率
そのため、通常の色変更だけでなく、PBRテクスチャやマテリアル設定を使用し、Base Color、Roughness、Normalなどを組み合わせた表示調整にも対応しました。
実物写真を参考にしながら、画像自体へ光沢を描き込みすぎず、3D側の照明と材質設定によって自然な金属感が出るように調整しています。
3.複数の画面で同じデータを表示する
今回のシステムには、通常のカスタマイズ画面だけでなく、複数の確認・編集画面があります。
・一般のお客様が操作するカスタマイズ画面
・管理者が代理入力する画面
・保存前のプレビュー画面
・お客様が後日内容を確認する画面
・お客様が内容を修正する画面
・管理者が受注内容を3Dで確認する画面
・印刷・PDF用の製作仕様書
これらの画面で、パーツ名、選択色、表示順、3Dへの反映内容が異なると、製作ミスの原因になります。
そのため、画面ごとに別の情報を持たせるのではなく、保存されたカスタマイズデータを基準に、管理者側とお客様側で同じ内容を確認できる構成を目指しました。
4.既存機能を壊さずに改善する
3Dシステムでは、一つのパーツ表示を直したことで、別のモデルや別の画面が正常に動かなくなることがあります。
そのため、修正時には次のような確認が必要です。
・対象となるモデルとパーツの特定
・変更してはいけないモデルや機能の明確化
・修正前後のメッシュ名や材質名の比較
・通常画面、管理画面、お客様画面での回帰確認
・保存後に再読み込みしても状態が維持されるか
・Shopifyの購入フローへ影響していないか
見た目だけを一時的に直すのではなく、再発しにくいデータ構造や処理方法を検討しながら対応しています。
実装・対応した主な機能
今回の案件では、3D表示以外にも、業務で使用するための機能を幅広く扱いました。
3Dカスタマイズ機能
・GLBモデルのWeb表示
・モデル切り替え
・パーツごとの色変更
・画像テクスチャの適用
・金属部品のPBR表示
・カメラ視点の切り替え
・読み込み中の表示制御
・カスタマイズ内容の保存と復元
管理・受注機能
・管理者によるカスタマイズ代理入力
・受注一覧と詳細表示
・製造ロット番号などによる検索
・保存済みデザインの3D確認
・お客様用の確認・修正画面
・印刷・PDF用の製作仕様書
・重複データやテストデータを安全に整理するための管理機能
Shopify連動
・Shopifyストアへの3Dカスタマイザー埋め込み
・保存したカスタマイズIDの引き継ぎ
・購入商品へのカスタマイズ情報の付与
・保存後のデポジット・カート導線
・通常商品とカスタマイズ商品の表示制御
・テーマコードと管理画面編集の両立
3Dデータがあれば、そのままWebで使えるとは限りません
「STEPやGLBを用意すれば、すぐにWeb上で使える」と思われることがありますが、実際には追加調整が必要になるケースが多くあります。
例えば、次のような問題が発生します。
・変更したいパーツが分離されていない
・複数の部品が同じ材質になっている
・UVがない、または方向が不自然
・面の隙間や重なりがある
・Web表示で内部の部品が見えてしまう
・実物と3Dデータの形状や配置が異なる
・データ変換後に材質や位置が変わる
・ファイル容量が大きく、読み込みに時間がかかる
こうした場合は、3Dデータの調整、プログラム側の対象メッシュ設定、テクスチャ制作、表示確認を組み合わせる必要があります。
私は、単にWebページへ3Dモデルを掲載するだけでなく、支給データの状態を確認し、実際にカスタマイズ可能な構造へ整理するところから対応できます。
このようなご相談に対応できます
・自社製品をWeb上で3D表示したい
・色や素材を選べる製品シミュレーターを作りたい
・Shopifyの商品ページに3Dカスタマイザーを導入したい
・STEP、GLB、BlenderデータをWeb用に調整したい
・3Dモデルの一部だけ色を変更できるようにしたい
・実物写真に近い金属や素材の質感を再現したい
・カスタマイズ内容を保存し、注文情報と連動したい
・お客様用と管理者用の確認画面を作りたい
・既存の3Dビューアやカスタマイザーの不具合を調査したい
・過去の修正を残したまま、安全に改善したい
ご相談時にご用意いただきたいもの
正確なお見積もりと制作期間の確認には、可能な範囲で次の資料をご共有ください。
・対象製品とモデル数
・実現したいカスタマイズ項目
・STEP、GLB、FBX、Blenderなどの3Dデータ
・実物写真
・色や素材の見本
・パーツ名と選択肢の一覧
・Shopifyなど、連動するサービスの情報
・保存、注文、管理画面などに必要な機能
特に、実物に近い質感や細かなパーツ調整が必要な場合は、正面だけでなく、側面・背面・接合部などの写真があると精度を高めやすくなります。
作業範囲とお見積もりについて
3Dシステムの費用は、モデル数だけでなく、パーツの分割状態、テクスチャ制作の有無、保存・受注機能、Shopify連動などによって大きく変わります。
また、制作途中で次のような変更がある場合は、作業範囲と制作期間の再確認が必要です。
・2D表示から3D表示への変更
・単色表示から実物写真を使ったテクスチャ表示への変更
・対象モデルやカスタマイズ項目の追加
・保存、受注、PDF、管理画面などの機能追加
・支給された3Dデータ自体の修正
まず基本的な3Dカスタマイザーを構築し、その後、実物に近づけるための高度な質感調整を別工程として行う方法もあります。
ご予算や公開希望時期に合わせて、段階的な構築方法もご提案いたします。
まとめ
今回の開発を通じて、3Dモデルの表示だけでなく、複数モデルへの対応、テクスチャや金属質感の調整、保存・復元、管理者による代理入力、お客様の確認・修正、受注管理、Shopify連動まで、幅広い工程に対応しました。
3Dカスタマイザーは、製品の魅力を視覚的に伝えられるだけでなく、仕様確認や受注時の認識違いを減らす仕組みとしても活用できます。
「この製品でも実現できるのか分からない」という段階からでも、現在お持ちの資料やデータを確認し、実現方法と必要な作業を整理いたします。
Shopifyと連動する3D製品カスタマイザー、Web 3Dビューア、GLBデータ調整、既存システムの改善をご検討の方は、お気軽にご相談ください。
3Dシミュレーションで、受注管理やオンラインストアの制作まで含めると、半年以上かかる場合もあります。
そのため事前に表示するモデルの数や部品点数なども、教えていただけますと助かります。
長期的な作業になりますので、一括でお支払いいただく形のほかに、2か月からご利用いただける定期購入の方法を活用した形での受注もご相談いただけます。