【質問】
Fさん(大学生)
憧れていたラグビー部のマネージャーになりました。でも、そこで私に求められた役割は、部員の皆さんの「過度な身体のケア」や、プライベートを犠牲にした「献身」でした。
勝利した選手には「ご褒美」として一晩寄り添うことが当たり前の雰囲気になっており、入部するまでそういう経験が全くなかった私は、本当は今でも気が引ける部分があります。
でも、男子部員の喜ぶ顔を見れば「役に立てている」と嬉しくなるし、正直なところ、求められることに高揚感を感じて期待してしまう自分もいます。
ただ、このままこの場所にいたら、もう元の自分に戻れなくなりそうで、自分が取り返しのつかない風に変わってしまうようで怖いです。私はどうしたらいいでしょうか?
【サキからの回答】
Fさん、誰にも言えないような苦しい状況の中で、勇気を出してここにSOSを届けてくれてありがとう。
読んでいて、Fさんが持つ「みんなの役に立ちたい」という純粋な優しさと、どんどんエスカレートしていく非日常の要求との狭間で、自分の輪郭がぼやけていくような恐怖を感じているのが痛いほど伝わってきました。
これまで未経験だったFさんが、いきなりそのような特殊な環境に放り込まれてしまったのですね。最初はどれほど戸惑い、怖かったことでしょう。
でも、人間には不思議な一面があります。たとえ自分を削るような状況であっても、「相手が喜んでくれる」「強く必要とされている」と感じると、それが自分の存在価値のように思えて、離れられなくなってしまうことがあるのです。
それに、Fさんがその状況にどこか期待してしまったり、心が揺れ動いたりするのも、決してFさんがおかしいからではありません。人から求められることに心が反応するのは、とても自然なことなのだから。
だから、自分の感じている感情を、自分自身で責めないであげてほしいな。
ただ、Fさんがふと感じている「自分が変わってしまいそうで怖い」というその感覚。
それこそが、Fさんの心が鳴らしている一番大切な「警告のサイレン」だと私は思います。
ちょっと厳しい言い方になってしまうかもしれないけれど、どうか聞いてね。
彼らがFさんに向けている「喜ぶ顔」や「優しい言葉」は、Fさんという「たった一人の人間」を、かけがえのない存在として大切に想ってのことでしょうか?
「勝利のご褒美」という言葉の裏には、Fさんのことを、彼らの欲求やモチベーションを満たすための「便利な役割」や「モノ」として扱っている冷たさがあるような気がして、私はとても胸が痛みます。
もしこのまま、誰かの「都合のいい存在」であり続けたら。
Fさんが恐れている通り、一対一で心を通わせ、対等な関係で慈しみ合う「本当の愛」が、どこか遠いものに感じられてしまうかもしれません。自分自身を大切に扱う感覚が、麻痺してしまうかもしれません。それが「自分が変わってしまう」ことの正体なのだと思うのです。
Fさんが持つその深い優しさは、自分を「消費」する人たちに差し出すものではありません。Fさんの心そのものを、丁寧に見つめてくれる人のために取っておいてほしいのです。
今すぐ「すべてを断ち切る」と言うのは、自分の居場所を失うようで怖いかもしれませんね。
でも、まずは少しだけ、自分のために「離れる理由」を作ってみませんか。
体調や学業を理由にしてもいい。彼らの熱気から一度離れて、一人で静かに自分の呼吸を感じる時間を作ってみてほしいのです。
Fさんの心も体も、誰かの所有物ではありません。
あなただけの、世界にたった一つの大切な宝物です。
自分の本当の心を守るために、少しずつ距離を置く勇気を持てるよう、私は遠くからずっと祈っています。