【対話の力⑬】「伝え方」ばかりの時代。そろそろ「受け取る力」の話をしませんか?

【対話の力⑬】「伝え方」ばかりの時代。そろそろ「受け取る力」の話をしませんか?

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ビジネス・マーケティング
最近、上司や先輩がハラスメントを恐れて厳しい指導を放棄する「育成キャンセル」が問題視されています。

「伝え方」が厳しく問われる時代になり、乱暴な発言が許されないのは当然です。しかし一方で、正当な事実確認や改善のやり取りすら、受け手が「詰問された」と過剰に防衛し、被害者的に捉えるケースも増えてきました。

すべてを発信者の責任にする“受け手優位”の風潮は、結果として指導の放棄を招き、前述の「育成キャンセル」のように受け手自身の成長機会を奪います。だからこそ今、発信者の「伝え方」だけでなく、受け手側の「受け取る力」にも目を向ける必要があります。

1. 対話を起動させる「寛容の原則」

明らかな暴言を除けば、コミュニケーションのすれ違いにおいて「100%どちらかが悪い」ケースは稀です。

哲学や言語学の文脈には「寛容の原則」という概念があります。これは「相手の発言には何らかの合理的な意図があるはずだ」と仮定して受け入れるべきとする原則です。
注意してほしいのは、「キツい言葉を我慢して許そう」という精神論ではない点です。

最初から「理不尽な攻撃だ」と防衛線を張ると、言葉はノイズになり意味の解釈が止まります。もっと言うと「相手の言い方が悪い」という極端な他責志向に陥ってしまう可能性すらあります。

「相手にはまともな意図がある」と“一旦仮定”しなければ、そもそも対話という共同作業はスタートすらしないという、極めて実用的なルールなのです。

2. 受け手に求められる「耐性」とは何か

では、受け手に必要な力とは何でしょうか。決して「理不尽な言葉に歯を食いしばって耐えろ」という意味ではありません。

ここで言う耐性とは、「反射的に『攻撃された』と自己防衛せず、解釈を一旦保留する力」です。

「なぜ?」と問われた時、瞬時に「責められている」と変換せず、「事象への純粋な問いかけかもしれない」とワンクッション置く。被害者・加害者の白黒をすぐにつけず、生煮えのまま言葉を受け止める「曖昧さ耐性」がここでも活きます。

受け手が防衛線を解かなければ、どんな丁寧な言葉も凶器に変換されます。この「受け止めるクッション(耐性)」が育つだけで、職場の対話は驚くほど安全になります。

3. 「理論と実践の両立」を目指す安全な実験場

「寛容の原則」や「曖昧さ耐性」などの理論は、現在地を知る優れた地図になります。しかし、いざ職場で問い詰められると、防衛本能で体が強張るのが人間です。頭で理解するだけでは現場は変わりません。

だからこそ、
・利害関係のない第三者との「対話の実践」
・安全な環境で、問いかけ(質問)を浴びる練習
・攻撃されたと錯覚しやすい自分のクセの認知
という体験が必要になります。

対話とは、理論を身体感覚に落とし込み、耐性を養う安全な実験場です。「職場で質問されるのが怖い」と悩む方は、ぜひ評価や利害関係のない場所で、対話の打席に立ってみてください。

■ 対話の「安全な練習場」として
私がご提供する対話サービスは、「質問されることに慣れる」「安全に問いを浴びる」ための練習場としてご活用いただけるよう設計しています。
理論を現場の実践知に変える実験場として、ぜひ気軽に役立ててみてください。
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