商品を売るな、社長を売れ。中小企業がYouTubeで勝つためのメディア戦略

商品を売るな、社長を売れ。中小企業がYouTubeで勝つためのメディア戦略

記事
写真・動画


「うちの商品は、大手にも負けない自信がある」

それなのに、なかなか知名度が上がらない。広告を出せば問い合わせは来るものの、やめると客足が落ちてしまう。

そんな悩みを抱える中小企業の社長に、お伝えしたいことがあります。

商品を売る前に、まず社長自身を売ってみませんか。

もちろん、社長を有名人にしようという話ではありません。

社長の考え方、社員の人柄、仕事へのこだわり。そこに興味を持ってもらい、会社そのもののファンをつくるという考え方です。

私は寿司専門のYouTubeチャンネルを自ら企画・運営し、登録者30万人超、累計1億4,000万回再生まで育て、その後、事業を売却しました。

また、美容室を最大12店舗まで展開した経営経験もあります。

その両方の経験から、中小企業は大手と同じ土俵で戦う必要はないと考えています。

 商品紹介だけでは、知らない会社の動画は見てもらえない


例えば、地元で長年家具店を経営している社長が、YouTubeを始めたとします。

「新商品のソファをご紹介します」

「おすすめのダイニングテーブル5選」

「今月のセール情報」

どれも間違った発信ではありません。

しかし、その家具店を知らない人が、わざわざ動画をクリックするでしょうか。

今まさに家具を探している人には役立つでしょう。

一方、まだ購入を考えていない人にとっては、見る理由がありません。

ここで私なら、発想を変えます。

家具を紹介するチャンネルではなく、家具のプロである社長を見たくなるチャンネルにする。

例えば、こんな企画です。

「家具店の社長が、絶対に仕入れないソファとは?」

「30年家具を売ってきた社長が、自宅で使っている椅子」

「高級ソファと格安ソファ。本当に違うのはどこ?」

これなら、今すぐ家具を買う予定がない人にも興味を持ってもらえる可能性があります。

商品が主役ではなく、社長の経験や判断が主役になっているからです。

 私が知りたいのは、社長が「何を売らないか」


私は、社長が何を選ぶか以上に、何を選ばないのかという話に価値があると思っています。

例えば、利益が出る商品でも、品質に納得できなければ仕入れない。

売上につながる接客でも、お客様に合わない商品なら勧めない。

そうした判断の理由には、その会社の経営哲学が表れます。

もちろん、これらは一例です。実際には社長自身の言葉を引き出す必要があります。

「なぜ、この商品は扱わないのですか?」

「売上よりも優先していることは何ですか?」

「お客様に購入を勧めなかった経験はありますか?」

私は、こうした質問から動画の企画をつくりたいのです。

商品の価格や機能は比較できます。

しかし、経営者の価値観や、その会社が積み重ねてきた信頼は、簡単には真似できません。

そこが中小企業の武器になると考えています。

 YouTubeで必要なのは、役割の違う2種類の動画


ここからは、具体的な運用の話です。

私なら企業YouTubeを設計するとき、動画の役割を大きく2つに分けます。

① 新しい人に見つけてもらう動画


まだ会社を知らない人が、思わず見たくなる企画です。

例えば、

「家具店の社長が教える、買って後悔しやすいソファの特徴」

これは家具の購入予定がなくても、興味を持ってもらえる可能性があります。

目的は、まず会社の存在を知ってもらうことです。

 ② 会社を好きになってもらう動画


次は、興味を持った視聴者に会社の考え方を深く知ってもらいます。

「社長が30年間、仕入れで妥協しなかったこと」

「家具の修理を続ける理由」

「お客様に合わない商品を、あえて勧めない理由」

こうした動画では、再生回数だけが重要なのではありません。

視聴者が、

「この社長の考え方は信用できる」

「家具を買うなら、この店に相談してみたい」

と思ってくれることが大切です。

私は、**新しい視聴者を集める企画と、会社の信頼を深める企画を混同しないこと**が重要だと考えています。

すべての動画で再生回数を狙う必要はありません。

 YouTubeだけで終わらせない。会社そのものをメディアにする


私が企業へ提案したいのは、単なるYouTubeチャンネルの運用ではありません。

会社そのものを、一つのメディアとして育てることです。

先ほどの家具店なら、こんな流れを設計します。

まず、YouTubeで社長の考え方や専門知識を発信する。

その中で特に興味を引く場面を、InstagramのリールやTikTokなどの短い動画でも紹介する。

詳しい商品情報や店舗案内は、自社サイトにつなげる。

そして、購入を検討する段階になった人が、店舗に足を運んだり、問い合わせたりできるようにする。

ただし、動画から直接商品を買ってもらおうとするのではありません。

まだ購入するつもりがない段階から、会社との接点をつくっておくのです。

家具は、毎月買うものではありません。

だからこそ、今すぐ売れなくても、将来購入を検討したときに思い出してもらえる関係には価値があります。

私は、これが中小企業にとってのメディア戦略だと考えています。

 再生回数だけを成果にしない


YouTubeを運用していると、再生回数が気になります。

私自身、チャンネルを成長させてきたので、その重要性は理解しています。

しかし、企業YouTubeでは、それだけで成果を判断するのは危険です。

例えば、社長の経営哲学を語った動画が500回しか再生されなかったとしても、その動画を見た人から問い合わせが入ればどうでしょうか。

あるいは、採用面接の前に動画を見た応募者が、会社の考え方に共感してくれたらどうでしょうか。

その動画には、再生回数とは別の価値があります。

私なら、動画の役割に合わせて成果を確認します。

新しい人に見つけてもらう動画では、表示回数やクリック率、新規視聴者数。

会社への信頼を深める動画では、視聴維持率に加えて、ホームページへのアクセス、問い合わせ、来店時の反応など。

もちろん、動画が直接売上に貢献したかどうかを正確に把握するのは簡単ではありません。

それでも、再生回数という一つの数字だけに振り回されるより、ずっと経営に近い判断ができます。

 社長が話し上手である必要はない


「うちの社長は、カメラの前で話すのが苦手だから」

そう考える必要はありません。

私は、用意された台本を上手に読むことよりも、その人らしさが伝わることを重視しています。

例えば、社長と一緒に売り場を歩きながら、商品を仕入れた理由を聞く。

長年使っている家具について、思い出を話してもらう。

スタッフとの普段の会話から、仕事へのこだわりを見つける。

こうした日常の中に、動画の題材はあります。

ただし、何でも撮影すれば面白くなるわけではありません。

大切なのは、社内では当たり前になっている出来事から、視聴者が興味を持つ価値を見つけること。

そこに、動画編集だけではない企画力が必要だと思っています。

商品は比較される。でも、人は簡単に比較できない


私が経営者として事業を運営してきた中でも、売上や集客を考えることは常に重要な課題でした。

だからこそ、企業のYouTubeを単なる宣伝動画の置き場にはしたくありません。

価格を下げる競争ではなく、

「あの社長から買いたい」

「あのスタッフに相談したい」

「あの会社なら任せられる」

そう思ってもらえる関係をつくる。

そのために、社長やスタッフの考え方、失敗、挑戦、仕事への情熱をコンテンツにする。

これは、広告を出さなくても必ず売れるという話ではありません。

しかし、広告だけに依存しない集客の土台を、少しずつ育てていくことはできます。

商品を売る前に、人を売る。

私が考える中小企業のメディア戦略は、ここから始まります。

YouTubeやSNSは、そのための手段です。目的は、動画を増やすことではなく、会社を選んでくれる理由を増やすこと。

私は、YouTubeチャンネルの企画・運営と事業経営の両方の経験を生かし、企業の魅力を発掘するメディア戦略をご提案しています。

自社には発信するような話題がないと思っている経営者様こそ、一度ご相談ください。

内海克則|YouTube・SNSメディア戦略

サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す