タロット占いで使用するタロット・カードは全部で78枚あります。
そしてカード全体を22枚の「大アルカナ」と56枚の「小アルカナ」、と大きく2つに分けることもできます。
大アルカナは、タロット固有の独特な絵柄の描かれたカードですが、一方の小アルカナは、ゲーム用のカードである「トランプ」と非常によく似ています。
「アルカナ」という用語は、昔からタロットに対して使用されていたと思われがちですが、実際にはそうではありません。
1863年に出版されたポール・クリスチャン(1811~1877)の「チュイルリーの赤い人」という本のなかに、はじめてタロットを指すのに使用した「Arcanes/フランス語」という言葉が登場しました。
その後、1889年に出版されたパピュス(1865~1916)の「ボヘミアンのタロット」という本で、「大アルカナ」及び「小アルカナ」という言葉が使用されました。
すなわち大アルカナ・小アルカナという用語は、いまから150年ほどの歴史しかないものなのです。
「アルカナ(Arcana)」という言葉は、直訳すると「秘儀」というような意味になります。
以後、それらはオカルティストを通して、一般的な用語法となり、21世紀の現在まで変わることなく継承されてきました。
ポール・クリスチャンは1870年に「魔術の歴史」という本を出版しますが、そのなかでクリスチャンは次のようなことを述べています。
「古代エジプトのピラミッドの中で秘儀伝授がおこなわれていた。まず志願者は78段の階段に導かれる。そして志願者が通る通路の両側には、それぞれ12の彫像があり、さらにそれぞれの彫像の間には全部で22の絵(タロットのこと)が飾ってある。そしてそこを志願者は通過していく・・・」
クリスチャンが本で述べているような彫像や絵が、実際にピラミッドから発見されたわけではありません。クリスチャンのこの話は、彼が想像で創作したものに過ぎません。けれども、「タロットが古代エジプトの秘儀に関連している」という考え方は、この後の多くのタロティストたちの空想を大いに刺激し、後々まで引き継がれていくことになりました。
ただし、タロットが古代エジプトと関連しているという主張自体は、クリスチャンが言い出したことではなく、フランスの学者、クール・ド・ジェブランが提唱したのが、そもそものはじまりでした。
ド・ジェブランは、1781年に出版した「原始世界」第8巻のなかで、タロットが古代エジプトの神官らの教義をシンボリックな形で表現した78頁の本だったのではないかと述べています。そして彼らの図書館が崩壊したとき、火災から逃れるため、本に記されていた教義はカードという形に変えられて持ち出された。さらにそれをヨーロッパに運んだのがジプシーであると主張しています。
しかし結局、タロットが古代エジプト起源であることを裏付ける証拠は、後の本格的なエジプト学の成果からはまったく見つかっていません。残念ながらタロットの古代エジプト起源説は、現時点ではタロットに神秘性を求める空想の産物というのが本当のところです。
また、その他の起源の国としてインド、ギリシャ、イスラム、中国などに関しても、いずれもタロットらしきもの、あるいはタロットの原型と見られるものはまだ見つかっていません。
私自身は、タロットのエジプト起源説の真偽と起源の国の場所の発見はさておき、先程の古代エジプト起源説のなかで記述した以下のところにロマンや神秘を喚起させられます。
『古代エジプトのピラミッドの中で秘儀伝授がおこなわれていた。まず志願者は78段の階段に導かれる。そして志願者が通る通路の両側には、それぞれ12の彫像があり、さらにそれぞれの彫像の間には全部で22の絵(タロットのこと)が飾ってある。そしてそこを志願者は通過していく・・・』
┃ビジュアライゼーション┃
『タロットが古代エジプトの神官らの教義をシンボリックな形で表現した78頁の本だったのではないかと述べています。そして彼らの図書館が崩壊したとき、火災から逃れるため、本に記されていた教義はカードという形に変えられて持ち出された。』
┃ビジュアライゼーション┃
タロットの魅力は、
昔も今もそのドラマチック性に源泉があるはずです。