ジョブ・カードを書いてみよう! ~生涯を通じたキャリアのために~

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コラム

突然ですが、「ジョブ・カード」をご存じでしょうか。

職業能力開発促進法における職業訓練を経験したことのある方は書いたことがあるかもしれません。私も国家資格キャリアコンサルタントの取得のための養成講習に申し込むにあたって「ジョブ・カード」を書きました。

先日、その「ジョブ・カード」を見直す機会があって、1年半ぶりに内容を更新することになりました。それで、この「ジョブ・カード」、振り返りのツールとして使えることを体感し、自分自身のキャリアを見つめるには誰でも取り組めてかつ非常に効果的と感じましたので、今回ご紹介しようと思います。

「ジョブ・カード」は厚生労働省で「ジョブ・カード制度」として整備されたものです。説明書きを引用しますと、

『ジョブ・カード制度とは 個人のキャリアアップや、多様な人材の円滑な就職等を促進することを目的として、ジョブ・カードを「生涯を通じたキャリア・プランニング」及び「職業能力証明」のツールとして、キャリアコンサルティング等の個人への相談支援のもと、求職活動、職業能力開発などの各場面において活用する制度です。』

とあります。
そういうわけで、「ジョブ・カード」は国の諸制度に紐づいて活用されることが想定されています。

どのような構成になっているか、簡単にご紹介します。

1.キャリアプラン・シート[様式1-1 ※就業経験がある方用]
価値観、関心事、強み、将来取り組みたいこと、これから取り組むこと、について簡潔に書きます。書くことで、「自分はこういうことに関心があるんだなあ」「あまり意識していなかったけど、強みがあるじゃないか。」といったように前向きな気づきが生まれる可能性があります。

2.職務経歴シート[様式2]
個別の職務経歴の期間、職務の内容、職務の中で学んだことや得られた知識・技能等についてまとめます。これをまとめることで、ご自分の職業人生を俯瞰して見つめることができますので、「あの頃に自分は成長したんだな。」「今考えるとあの時が大きな転機だったんだな。」と、ご自分の歩みと現在地を確認することで、この先のキャリアの展望も見えてくるのではないでしょうか。

3.職業能力証明(免許・資格)シート[様式3-1]
保持している免許・資格の取得時期、認定機関の名称、免許・資格の内容をまとめます。ご自分がどのような能力を持っているのか再確認するとともに、もしかしたら持っているけれど眠っている資格やスキルに気づくかもしれません。また、就業先で知らず知らず取得しているものもあるかもしれませんので、ご自分の能力証明としてきちんと書き出しておきましょう。

4.職業能力証明(学習歴・訓練歴)シート[様式3-2]
こちらは、学歴はもちろんのこと、社会人になってからの学習歴をまとめます。特に「学習歴」は社会において自分自身がどのような学びを得て、何者となっているのか?を見つめるのに非常に役に立ちます。どんな小さなことでも、学びの経験を漏れなく書き出すことをおすすめします。「学習の結果、こういうことが出来るようになっている、知見を持っている。」ということを認識することは、ご自分の市場価値や社会的価値を見い出すことにつながります。

以上、簡単にご紹介しました。

「ジョブ・カード」はこのように、一度現時点のものをまとめておくことをおすすめします。そして、ある程度時間が経過した後に見直してみると、ご自分の進化や変化を意識的に捉えることができますので、さらなるキャリア形成につながる有用な資源となり得ます。また、記述して見える化してあることにより、キャリア相談を依頼したい他者(上司、職業相談先、キャリアコンサルタントなど)との共有も容易にでき、ご自分を他者に分かってもらうためのツールにもなるでしょう。

紙に手で書かなければいけないの?という方はご安心ください。現在、厚生労働省が「マイ・ジョブカード」というサイトを立ち上げており、「ジョブ・カード」作成支援を提供しています。

www.job-card.mhlw.go.jp/

「ジョブ・カード」を、紙、Excel、クラウド保存、と様々な形での作成が可能です。おすすめは編集・更新が容易なクラウド保存です。また、もし一度作成したExcelをお持ちの方は、データをクラウド上に読み込みできますのでとても優れものです。ご自分の転機や新たな学習歴、資格取得などが発生したら、マイページを開いて追加するように習慣づければ常に最新の「ジョブ・カード」が用意された状態にできます。

人生100年のマルチステージの時代を生きる私たちは、いつも「自分が何者なのか」について意識的であることが肝要ではないでしょうか。その基礎的な支援ツールとして、「ジョブ・カード」は中々優れものだと思っています。「まず自分のことを自分で書き出してみる」という行為に大きな意味があります。書くことで、自分の思考が動きます。世の中に数多ある診断ツールの波に訳も分からず飲み込まれるよりも先にやっておいた方がベターです。ぜひ、「ジョブ・カード」をきっかけにして自らの力でご自分の芯にアクセスしていただきたいと思います。

今回は、ジョブ・カードについてお話しました。私は会社勤めとの複業でライフキャリアデザインカウンセラーとして個人や世帯の職業生活設計や資産設計のお手伝いを志しております。保持資格としては国家資格キャリアコンサルタントとAFP(日本FP協会会員)をコアスキルとして、これまでの会社生活や人生経験で学んできたことを活かして会社内や地域社会に向けた価値創造につなげてまいります。ご関心を持っていただいた方、ご相談事がある方は、どうぞお声がけください。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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