学びの積み立て投資 ~ドル・コスト平均法で考える~

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コラム

新NISAに注目が集まっていますね。日々、「投資」に対する熱量がどんどん上がっていっている感じがします。先の記事(有料記事)では積み立て投資について具体的に書きました。
今回は積み立て投資のコツが自律的なキャリア形成にも活きるのではないかと思い、書いてみます。

積み立て投資は、毎月あるいは毎週、毎日と一定額で投資商品を購入して資産形成につなげる方法です。「一定額」がポイントで、投資商品が値下がった時はより多い量を、投資商品が値上がった時はより少ない量を購入してゆきます。そうすると、そのように投資を続けた期間(時間を分散している期間)は全体として購入量と購入単価が平準化されます。このような投資行動の方策を、「ドル・コスト平均法」といいます。この方式の良いところは、高値掴み(つまり、相対的な損)をできるだけ避けることと、いつでもスタートのタイミングであること、です。とにかく始めることです。そうして少しずつ増えてゆく元本に対して、時間の経過と連動しての複利効果により利潤を得ることを期待します。

これを、自身のキャリア形成という点でも活かせるのではないか、と考えました。自律的なキャリア形成には「継続的な学び」を欠かすことができません。しかし、学ぶことは楽しい時もあればしんどい時もあります。肉体的にも精神的にも、です。楽しい時は学びの労力(コスト)は低く、しんどい時は学びの労力は高いと言えるでしょう。ありがちなのが、しんどい時は学びを完全に止めてしまう(ゼロ)ということではないでしょうか。やるか、やらないか、という思考ですね。かつての私も割とそうでした。

ここを踏ん張って、学びの継続をドル・コスト平均法で考えてみるとどうでしょう。学びの労力が低いときはより多く学ぶ、学びの労力が高い時はあまり無理しないで少なく(?)学ぶ。いつ何時でもスタートのタイミングであるわけですから、やらないための無駄な言い訳をしなくていいですし、やるかやらないかではなくやり続けるというコミットメント(覚悟とも言える)に支えられるので、自分のキャリア形成にとってはプラスの効果が期待できる!···というのは楽観的すぎるでしょうか?

自転車の運転に例えてみますと、平地は高めのギアでサーッと進むことができますが、登り坂ではギアを落としてちょこちょことペダルを踏みますよね。そして、また平地になれば慣性を活かして楽に漕ぐ。しかし、一度止まったらグイッと力を込めてゼロから走り直さないといけない。出来ることなら、止まらずに走っていた方が楽ではないですか?(注:赤信号はちゃんと止まりましょうね。)学びも同じだと思うのです。ちょこちょこ止まってしまうよりも継続していた方が楽だし、学びを止めてしまうことに対する罪悪感も無いのではないかと。

とにもかくにも、毎日何かしら「無理なく」学びの行動をとり続けることです。長い時間でも短い時間でも(1分でもいい)、タフな内容でも軽い内容でも(1ページでもいい)、その時その場でご自身が学びにかけられるコストに合わせて何らかの行動をすることが大事なのです。本を読む、何かを体験する場に行く、対話の場に参加する、振り返りの時間をとる···何をもって学びとするかはその人の自由であり、その学びを得るための行動は様々です。

このように、ドル・コスト平均法を応用して無理なく学びの積み立て投資をすれば、その時にかけられる労力(コスト)に合わせた学びの積み重ねの結果、1年もすれば相当な知的資産をご自身のものにすることが出来るはずです。さらに、それを数年、十数年と継続することで、学びが次の学びを呼ぶような「複利効果」も期待できます。最初は単一の学びでも、積み立て投資が持つ時間分散の力を借りながらゆくゆく様々な学びに出会いチャレンジしてゆくことで、学びと学びが掛け算となって知的資産がさらに増えてゆくはずです。

そのような掛け算の学びは、必ずや自律的なキャリア形成の助けになりますから、さらには学びとキャリアが掛け合わさって発達の好循環を生み出してゆくのではないでしょうか。そのようにして、みなさんご自身の仕事や生活の充実・拡大につながることを願っています。そして、学びの積み立て投資は、みなさんご自身のファイナンス面の充実にもつながることを期待しましょう。

私の最寄りのスーパーに二宮尊徳翁と少年金次郎の像が並んで立っています。少年金次郎の像の台座には、こう刻んであります。
「一日に一字ずつ習えば 一年では三六五字となるぞ この小僧」
学びの積み立て投資、いつでもスタートのタイミングですよ!

今回は、学びの積み立て投資についてお話しました。私は会社勤めとの複業でライフキャリアデザインカウンセラーとして個人や世帯の職業生活設計や資産設計のお手伝いを志しております。保持資格としては国家資格キャリアコンサルタントとAFP(日本FP協会会員)をコアスキルとして、これまでの会社生活や人生経験で学んできたことを活かして会社内や地域社会に向けた価値創造につなげてまいります。ご関心を持っていただいた方、ご相談事がある方は、どうぞお声がけください。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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